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出典検索?: "白毛"
白毛(しろげ)は、馬の毛色の一つ。全身の毛の大半が白く、肌がピンク色の馬のこと、またはその状態そのものを指す。知られている毛色の中では最も白い毛色である。 全身の白い毛とピンクの肌、黒ないし茶色の目が特徴。青い目を持つと言われることもあるが稀。一部原毛色の斑が入る場合があるが、芦毛などとは異なり生まれたときから真っ白なことが多い。一方で、出生時は比較的広い範囲を原毛色の斑が覆い、加齢とともにそれらが抜けて白毛になる例もある。 似たような毛色である佐目毛との区別は比較的難しいが、白毛の方がより白く、有色毛の刺毛が生える場合が多い(佐目毛は全身ほぼ一様)。また、白毛は黒?薄青色の虹彩を持つが、佐目毛は虹彩の色素が殆ど無く、ここで区別することもできる[要出典]。 白毛は白毛遺伝子やサビノ遺伝子を持つ親から生まれるが、これらの遺伝子は少ないため、結果として出現率は非常に稀となっている。また、これらの遺伝子を持たない親馬からも、ごく稀に突然変異によって生まれることがある。こうして生まれた白毛は、1896年にアメリカで生まれたWhite Crossが最初の例とされる。日本では1979年にハクタイユーで初めて登録が認められた。なお、突然変異によって生まれた白毛からも、白毛遺伝子は遺伝する。 白毛の発生は、佐目毛などのようにメラニン生合成に影響を与えるものではなく、メラニン細胞の数そのものが少ないことにより起こっている。簡単にいえば、斑が全身に広がったもの、と考えてよい。遺伝的にはアルビノではなく白変種の一種であり、3番染色体に存在するKIT(受容体型チロシンキナーゼc-kitをコードする遺伝子)の変異が原因である[要出典]。 c-kitは造血幹細胞やメラニン細胞幹細胞に発現するSCF(幹細胞因子)受容体で、胎生期、メラニン細胞前駆体はSCFのシグナルを受け取り、神経堤から表皮[注 1]に遊走、そこで定着・分化する。KITに変異が生じると、この機構がうまく働かず、メラニン細胞が到達できなかった部位は白斑となって現れると考えられている[要出典]。 こうして現れた白斑が小さければ駁毛(特にサビノ)、体の大部分を占めるものは白毛と呼ばれる。白斑の大きさは、KITにどのような変異が生じているか、ヘテロなのかホモなのかで変化する。KITの変異は20種以上のタイプが報告されており、ヘテロで白毛を引き起こすものを優勢白毛(白毛遺伝子)、ヘテロで駁毛を引き起こすものを駁毛遺伝子と呼ぶ。駁毛遺伝子の中にはホモで白毛を引き起こすものもあり、これをサビノ白毛(サビノ遺伝子)という[要出典]。 なお、白斑部位にはメラニン細胞がほとんど存在しないため、白毛やぶち毛の発生は他の遺伝子に左右されることが無い。例えば、鹿毛となる遺伝子を持っていたとしても、体表面にほとんどメラニン細胞がないため、鹿毛の特徴は有色毛の斑部分や、部分的な刺毛を除き現れない。芦毛、栗毛なども同様である。ただし、佐目毛遺伝子をホモで持つ場合、目は佐目毛の特徴である薄い青色に着色する[要出典]。
特徴
発生機構
優性白毛
詳細は「優性白色
サビノ白毛
これもKITの変異型であるサビノ遺伝子によるものである。世界各地の様々な品種に稀に見られる。白毛と異なり、サビノ遺伝子は2つ(ホモ接合型)で持たなければ白毛にはならない[1]。1つ(ヘテロ接合型)しか持たないと、サビノと呼ばれるぶち毛を発現する。なお、KITの変異による毛色は、白毛やサビノ以外にもトビアノや粕毛[2]が知られている。トビアノは広範な白斑を生じる斑毛の1種で、3番染色体に生じた逆位によりKITのレギュレーター領域が影響を受けたことにより白斑が生じている[3]。これは単純な優性遺伝であり、ホモでも白毛にはならない。粕毛も同様にホモでもヘテロでも大きな変化はない。
KITの遺伝型と表現型