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シラカンバ(別名:白樺、シラカバ)は、カバノキ科カバノキ属の落葉樹の一種。樹皮が白いことからこの名がある。目次 温帯から亜寒帯地方に多く見られる。基変種であるコウアンシラカンバ Betula platyphylla var. platyphylla とそれにごく近縁にオウシュウシラカンバ
1 概要
1.1 分布
1.2 生態・形態
2 花粉症
3 利用
4 国の木
5 参考画像
6 都道府県・市町村の木に指定する自治体
7 脚注
8 関連項目
9 外部リンク
概要
分布
日本では、変種の Betula platyphylla var. japonica が 福井県、静岡県から北海道までの落葉広葉樹林帯と亜高山帯下部に分布する。近縁種としてダケカンバがある。 明るい場所を好む。 花期は春。雌雄同株で、5cmほどの雄花は長枝の先から尾状に垂れ下がる。雌花は短枝に4cmほどの花穂をつける。 自家不和合性が強く、別の個体同士で受粉し種子を付ける。種子は3ミリメートル程度の大きさで、風を利用して散布するのに適した薄い翼を持った形状。100グラム当たり34万個と大量に散布されるが、成木まで成長するのはごく一部である[7]。 耐陰性の弱い種子は、適地に散布されると一斉に発芽して純林を作る。不適地に散布された場合には地中で待機できる休眠性があり、山火事の熱を感知する事で休眠を解除して発芽する場合や、湿原が乾燥し陸地化した後に発芽する場合など、先駆種としての能力を持つ[7]。 風媒花であるため花粉症の原因にもなる。シラカンバが多く自生するスカンディナヴィア半島(スカンジナビア半島)では患者数も多い[8]。 シラカンバ花粉症は、口腔アレルギー症候群 (OAS) との関連もある。シラカンバ花粉症を持つ人のうち一定割合の人がリンゴやモモなどバラ科の果物を食べた際に舌や咽喉にアレルギー症状を起こすことが知られている[9]。 材質が堅く、木目も美しいので家具材や、家屋の内装に使われる。また、樹皮は容易に燃え、天然の着火剤としても使われる。意外なところでは、アイスの棒(スプーン)や、割り箸、楊枝と云ったものも製造されている。樹皮の利用については「樺皮」を参照 春、芽吹く頃の白樺の幹に傷を付けると、大量の樹液が吹き出す。アイヌ民族はこの樹液を「タッニ・ワッカ」(シラカバの水)と呼び、水場がない場所で野営する際の、炊事の水に用いてきた。樹液は人工甘味料キシリトールの原料になる。樹液に含まれる成分にヒトの表皮の保湿を促進する効用があることから化粧品にも利用される。皇室では、平成時代の皇后・美智子のお印になっている。 韓国南部の智異山では、早春に、秋の豊作を祈って「藥水祭」を行い、神に供えた後、徹夜で飲み合い、翌朝樹液で炊いたご飯を賞味する。 フィンランドでは 山火事などの後に、最初に生え、雜木林を育てていくことから「マザーツリー」と呼ばれ、樹液やサウナの枝、樹皮のバッグなど広く親しまれている。 ロシアでは 雪解けの頃、近郊の森に出かけ、樹液を飲む習慣が、モスクワにも殘っており、「百薬の長だと今でも信じている」と報道されています。民間療法で、シラカンバに寄生するチャーガ(和名:カバノアナタケ)というキノコを胃腸の調子が悪い時にお茶のようにして飲む風習がある。ソルジェニーツィンの『ガン病棟』ではガンの民間薬として書かれている。 ヨーロッパでは、五月祭にシラカンバの葉や花で飾り付けたメイポール (Maypole) を広場に立て、その周りを踊りながら廻るという風習があった。 ルーン文字のひとつにこれをあらわすものがある。 乗鞍高原の白樺 シラカンバの紅葉と樹形
生態・形態
花粉症
利用
国の木
フィンランドでは、国の自然を代表するシンボルとしてシラカンバがあげられており、事実上、国の木として扱われている[10]。
参考画像
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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