白バイ野郎ジョン&パンチ
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『白バイ野郎ジョン&パンチ』(原題「CHiPs」)は、1977年から1983年までNBCで放映された、アメリカテレビドラマシリーズ。全6シーズン。邦題は第5シーズンまでが『白バイ野郎ジョン&パンチ』、第6シーズンが『白バイ野郎パンチ&ボビー』。本稿では続編などシリーズ全般について記す。声優の浪川大輔のデビュー作でもある[1]
概要カワサキZ1000POLICE

カリフォルニア州フリーウェイ(主にロサンゼルス近郊)を舞台に、カリフォルニア・ハイウェイパトロール (California Highway Patrol、CHP[2])セントラル分署の面々の活躍を描く物語。主人公の2人が乗る白バイは当時実際にCHPで採用されていたカワサキZ1000POLICE(Z1000Aの警察仕様)だった[3]

製作当時、アメリカにおける従来の刑事ドラマ暴力的な印象が強かった。ロサンゼルス郡保安局(LASD)の広報担当だったリック・ロズナー(Rick Rosner)は、現実の警察とドラマの中の警察のイメージのギャップに違和感を覚え、暴力シーンや銃撃戦を排した明るい警察のドラマ作りを目指した。

制作会社「ロズナー・テレビジョン」を立ち上げて生み出された本作は、主として交通取締りや事故の処理、日々の生活の中のドタバタによる明るく親切な警察を描いて人気を博し、また毎回ごとに俳優女優スポーツ選手などをゲストに呼ぶことでも人気であった。

なお「ロズナー・テレビジョン」の2作目は、ロズナーの古巣・LASDを舞台にした「240-Robert」(1979年8月28日 - 1981年3月21日、ABC。日本未放映)だった。

劇中では名コンビであるジョンとパンチではあったが、演じるラリー・ウィルコックスエリック・エストラーダは実際は不仲であったのが本作品制作決定前から有名で、当時のゴシップ雑誌に掲載されており、ウィルコックス、エストラーダ本人も認めていた。特にパンチの人気が上昇するにつれ亀裂はさらに深まり、第5シーズンの終了とともにウィルコックスが降板、ジョンは退職して帰郷というクリフハンガーで中断となった。第6シーズンではトム・ライリー演じるボビー・ネルソンを新しい相棒に迎えて製作された。日本では主役キャラクターの変更により第6シーズンは「白バイ野郎パンチ&ボビー」と邦題が改められた。

1998年には帰ってきた白バイ野郎ジョン&パンチ (原題: 『CHiPs '99』) というテレビ映画がTNTにより製作された。日本語吹き替えのキャストは、主役であるジョンとパンチについてはレギュラーシーズンと同一だったが、他のメンバーのキャストについては変更されている。

2005年、パンチ役にウィルマー・バルデラマを起用した劇場版リメイク映画の製作が発表されたが最終的には実現されず、ワーナー・ブラザースは2017年8月11日公開予定となるリブート版映画の製作を発表した。[4]監督・脚本・共同プロデュース・ジョン役にダックス・シェパード、パンチ役にマイケル・ペーニャがキャスティングされ、[5]最終的には2017年3月24日全米公開された。日本では劇場公開はされなかったが、「チップス 白バイ野郎ジョン&パンチ再起動!?」の邦題でYouTubeAmazoniTunesひかりTVオンデマンド動画配信サービスで有料コンテンツとして配信されている。
キャスト
主役
ジョン
本名、ジョナサン・アンドリュー・ベイカー (Jonathan Andrew Baker)演:
ラリー・ウィルコックス、吹替:田中秀幸通称ジョン。ジョンは一般的な綴りJohnと違って、Jon(邦題「緊急通報大騒動」で言及)。“Jonathan”から拘っているらしい。カリフォルニア・ハイウェイ・パトロール、セントラル分署モーターサイクル・オフィサー(白バイ隊員)。コールサインは「メリーセブン3号 (7 Mary 3)」、パトカー警官だった際には「アダム6」ワイオミング州出身の白人。ベトナム戦争に従軍[6]、除隊後にCHPへ入った。実家はワイオミング州で農場を経営している。金髪碧眼、黄色(一部で「白」の表記あり)の鹿革手袋を使用。パトカー警官時代に、違反切符を切ったのが縁でパンチと知り合い、その後、パンチを白バイ警官に誘うことになる。特殊車両や小型飛行機の免許を所持しており、ボウリングの指導員の経験もあるなど、何でもそつなくこなす。模範的な警官で、真面目、几帳面、温厚。上司や同僚たちからの信頼も厚いが、怒らせると恐い面もある。第1シーズンから第5シーズンまで登場。第5シーズンの後、実家の農場を手伝うために退職するが、後に復職する。「帰ってきた?」では、警部(Captain) まで昇進している。
パンチ
本名、フランシス・ルエリン・ポンチョレロ (Francis Llewellyn Poncherello)演:エリック・エストラーダ、吹替:古川登志夫通称はフランクやパンチの愛称が用いられている。カリフォルニア・ハイウェイ・パトロール、セントラル分署モーターサイクル・オフィサー。コールサインは「メリーセブン4号 (7 Mary 4)」(第1?5シーズン)、「メリーセブン6号 (7 Mary 6)」(第6シーズン)ヒスパニック。最終学歴はレハイ実業高校卒。かつてはバイクを乗り回す不良であったが、違反切符を切ったパトカー警官のジョンにバイクの腕を見込まれ、誘いを受けて警官になった。白バイ警官の訓練所は仮卒業で、補助隊員として採用されている。お調子者、自信過剰、押しが強いといったCHIPの問題児であり、上司のゲットレア巡査部長にとっては頭痛の種。ユーモラスで憎めない性格のためか、同僚からは好かれている。女性に目がなく、秘密の手帳には電話番号がびっしりと書き込まれている。しかし、正義感は強く、不平を言うことはあっても警官の仕事を好いている。歌やダンスも得意で、空手の心得まであり黒帯保持。多くの女の子とデートして決まった相手はいなかったが、ヴァネッサという女性と真剣な恋をする。しかし、ヴァネッサとの結婚を決意した矢先にヴァネッサは事故死してしまう。当初はトレーラーハウス住まいであったが、話数を重ねるにつれ生活レベルが向上し、アパート暮らしをするまでになる。全シーズンに登場。ただし第5シーズンでは一時期、降板ではないが出演シーンが少なくなりスティーブ・マクリーシュ(ブルース・ジェンナー)が登場して代わりを務めている。「帰ってきた?」では、長い休職を経て復帰。かつて事故から救った女性と結婚、1子を儲けているが妻は病死している。
ボビー・ネルソン
本名、ロバート・トーバルド・ネルソン (Robert Torvald Nelson)演:トム・ライリー(英語版)、吹替:太川陽介通称ボビー(Bobby)。すぐ熱くなる性格で“ホットドッグ”の異名もある。カリフォルニア・ハイウェイ・パトロール、セントラル分署モーターサイクル・オフィサー。コールサインは「メリーセブン7号 (7 Mary 7)」第6シーズンに登場。退職したジョンに代わりパンチの相棒となったが、諸事情でトム・ライリーが降板するのに伴い、弟のブルース・ネルソンへ交代した。
ブルース・ネルソン
本名、ブルース・ペンウェイ・ネルソン (Bruce Penway Nelson)演:ブルース・ペンホール(英語版)、吹替:塩屋翼カリフォルニア・ハイウェイ・パトロール、セントラル分署モーターサイクル・オフィサー見習い。のち、正式に隊員となる。コールサインは「メリーセブン8号 (7 Mary 8)」第6シーズンに登場。ボビー・ネルソンの弟である。諸事情でボビー役のトム・ライリーが降板するのに伴い、正式に隊員となってからはパンチの相棒になった。「帰ってきた?」では、巡査部長に昇進している。
カリフォルニア・ハイウェイ・パトロール
ゲットレア部長
本名、ジョセフ・ゲットレア(Joseph "Joe" Getraer)演:
ロバート・パイン、吹替:嶋俊介 帰ってきた白バイ野郎ジョン&パンチのみ小島敏彦カリフォルニア・ハイウェイ・パトロール、セントラル分署・巡査部長。コールサインは「S4」または「S1」。自ら出動する際には白バイを使っている。全シーズンに登場。放送初期の日本語吹き替えは、第1シーズンでは「警部」、第2シーズン以降は「部長」。のち分署長。原語版での通称はジョー(Joe。Josephの省略形) 。パンチやジョンの直接の上司にあたる。妻・ベティと娘・エレン、息子・ティミーがおり、シーズンの後半でクリストファーという息子が産まれる。優秀ではあるが厳格なため、特にパンチからは煙たがれることもある。本質的には部下思いの人物であり、いざとなったらちゃんと部下をかばう。CHPのチェストーナメントでは優勝したこともある。アレルギー持ち。「帰ってきた?」では、CHP長官(Commissioner)に昇進している。
アーティ
本名、アーサー・リー・グロスマン (Arthur Lee Grossman)演:ポール・リンク(英語版)、吹替:山田俊司(現:キートン山田)カリフォルニア・ハイウェイ・パトロール、セントラル分署白バイ・パトカー隊員。コールサインは「メリーセブン5号 (7 Mary 5)」(第1?5シーズン)、「メリーセブン9号 (7 Mary 9)」(第6シーズン)初登場はシーズン1第11話で全シーズンに登場。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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