白ナイル川
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白ナイル川
広義の白ナイルと青ナイル
延長(狭義)2084 km
(広義)3700 km
平均流量878 m³/s
流域面積(広義)1,800,000 km²
水源の標高-- m
河口・合流先ナイル川
流域 ウガンダ
スーダン
ルワンダ
ブルンジ
タンザニア
南スーダン
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白ナイル川と青ナイル川西からのバハル・アル=アラブ川(英語版)(Bahr al-Arab)と南西からのバハル・エル=ガザル川(Bahr al-Ghazal)と南からのバハル・アル=ジャバル川(Bahr al-Dschabal)ルスモ滝は国境を流れるカゲラ川の半ばにある。左がタンザニア、右がルワンダブジャガリ滝でのラフティングマーチソン滝ハルツーム郊外での白ナイル川と青ナイル川の合流地点。.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、白ナイル川に関連するカテゴリがあります。

白ナイル川(しろナイルがわ、英語: White Nile, アラビア語: ????? ??????‎, an-N?l al-?bya?)は、アフリカ大陸北東部を流れる河川であり、青ナイル川と共にナイル川支川を形成している。ナイル川全体の水量の約2割を供給する[1]

なお、狭義の白ナイルは、南西からのバハル・エル=ガザル川と南からのバハル・アル=ジャバル川(ニムレ(英語版) - ノ湖間)とが南スーダンで合流して形成されるノ湖から青ナイルと合流するハルツームまでである[1]。広い意味では源流部のヴィクトリア湖からウガンダ国内を北上し、キオガ湖アルバート湖を経て、バハル・アル=ジャバル川を通過する全ての水域を含み、長さは約3700 kmである[1]
流路
ヴィクトリア湖の源流

白ナイルの源流はヴィクトリア湖を中心とする高原地帯に位置し、水源とされる場所は複数存在する。

タンザニアの町ブコバ近郊からヴィクトリア湖に流れ込むカゲラ川は、ヴィクトリア湖へ流れ込む河川の中で最も長いため、資料によって異同はあるものの、最も遠い地点に存在するナイル川の水源だとされている[2]。カゲラ川の他にはブルンジブルリ県から始まるルヴィロンザ川(英語版)[3]、ルワンダのニュングェ国立公園から発するニャバロンゴ川(英語版)もナイルの源流の一つとされている[4]。ルヴィロンザ川とニャバロンゴ川はルワンダとタンザニアの国境に位置するルスモ滝で合流する。

19世紀の探検家ジョン・スピークはヴィクトリア湖の流出口に存在する早瀬に「リポンの滝」と名付け、1969年当時はリポンの滝がナイル川の起点とされていた[5]。下流に発電用のダムが建設されたためにリポンの滝は水没しており、滝が存在していた場所には発見者であるスピークの事跡と滝が水没したことを記した石碑が置かれている[6]
ウガンダ

ヴィクトリア湖から流れ出る川はヴィクトリア・ナイルとも呼ばれ、長さは約420 kmである[7]

ジンジャから15 kmのナルバーレ水力発電所(英語版)とキーラ水力発電所(英語版)を過ぎると、ジンジャの15 km下流にあるブジャガリ滝(英語版)(ブジャガリ水力発電所(英語版))である。更に北へ流れ、西に向きを変えキオガ湖に注ぐ。クワニア湖をへて北に流れ出て西へ向かう。カルマ滝(英語版)は1963年に建設されたカルマ橋の下を流れ、橋は首都カンパラからグル県へ向かう交通の要衝として機能している。これを過ぎると、川はグレート・リフト・バレーの西にあたるマーチソン・フォールズ国立公園に入る。幅7 m、落差43 mのマーチソン滝(英語版)は白ナイルの名所の1つで、滝の下流に数km続く濁った水域にはワニ、カバなどの動物が生息している[5]。そして河水はアルバート湖に注ぐ。ヴィクトリア湖からの流出口であるリポンの滝と1つになったオーウォン滝、マーチソン滝には水の流れを利用した水力発電所が建てられており[7]世界銀行2006年以降2009年までにこの辺りへ200 MW級の水力発電所を設置する計画を遂行中である[8]

アルバート湖の源流はコンゴのブルーマウンテン(英語版)である。アルバート湖から先の下流はアルバート・ナイルとも呼ばれ、約210 kmの長さがある[9]。かつてアルバート・ナイルはザイール(コンゴ民主共和国)の大統領モブツ・セセ・セコに由来するモブツ・ナイルの名前で呼ばれていた[9]。この西岸がウガンダの西ナイル地方である。ネビ県にはアルバートナイルを渡る唯一の橋がある。アジュマニ(英語版)とモヨ(英語版)の間にはフェリーが運航されているものの、他にカヌーやボートも使われる。
南スーダン

ニムレ(英語版)から南スーダン領に入る。ここからは南スーダンを北上し、バハル・アル=ジャバル川(アラビア語で「山の川」を意味する)とも呼ばれる[10]。バハル・アル=ジャバルの名は中央エクアトリア州の元の州名でもある。バハル・アル=ジャバル川は平原地帯に入ると激しく蛇行し、南スーダンの首都ジュバを経て、スッド(サッド)と呼ばれる大湿地帯を流れ、ノ湖へと注ぐ。南スーダン国内で白ナイル川に架かる橋はジュバ市内のジュバ橋が唯一の物であった[11]。しかし荷重容量が小さく、また老朽化が激しい[12]ことから新たな橋が求められていた中、日本の国際協力機構(JICA)による無償資金協力で南スーダン国内で初となるアーチ型鋼橋が建設された。全長560mのこの橋は2013年の着工から内戦やコロナ禍での中断を経て2022年5月19日に開通式が行われ、フリーダム・ブリッジ(英語版)と命名された[13]

乾季の面積は約30,000 km2、雨季には130,000 km2にも広がるスッドは船舶の往来を妨げ、スッドで停滞する河水は蒸発によって失われ、この場所で白ナイルの水量は、およそ半分に減少する[14]。スッドの中でバハル・アル=ジャバル川はバハル・エル=ガザル(ガザル川。ガゼルの川の意味)と合流し[15]、これから先の流れが狭義の白ナイルとされている。バハル・アル=ジャバル川にはファショダ事件の舞台となったコドクなどの拠点が築かれた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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