登録記号
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欧州諸国の国籍記号一覧地図 イギリス籍”G"を表す機体記号を付けたセスナ機

機体記号(きたいきごう、英語:aircraft registration)とは、航空機に付けられる個別の記号。国籍記号と登録記号により構成される[1]

俗に英語のレジストレーション(registration)を略して単にレジ、レジスタ、レジ番と呼ぶ場合もある。国土交通省航空局では識別記号と表記している[2]

航空機認識の表示方法が数字のみの場合もあるが、こちらはアメリカ空軍テールコード)、ロイヤルエアフォース(イギリス)や航空自衛隊(日本)などの軍用機に対し用いられる。そのため民間機に「機体数字」といった呼び方はしない。

なお船舶にも個別認識番号があるが、本稿では民間航空機に対してつけられる機体記号について記載する。
目次

1 概要

2 国籍記号一覧

3 各国の事情

3.1 アメリカ

3.2 クロアチア

3.3 サンマリノ

3.4 ソ連

3.5 中国・台湾・香港・マカオ

3.6 ドイツ

3.7 日本

3.8 モナコ

3.9 ロシア


4 国名との対応

5 脚注

6 関連項目

7 外部リンク

概要 機体記号N540PBのジブコ エッジ540。型番の540と操縦者であるPeter Besenyeiの頭文字を合わせている。 機体記号は熱気球にも適用される

国際民間航空機関(ICAO)に加盟する世界各国の国家および地域の民間航空機を認識するためにつけられるのが機体記号である。

アルファベットもしくはアルファベットと数字を組み合わせた「国籍記号」で所属の国籍を表し、ダッシュ(ハイフン)に続けて数字もしくはアルファベットによって登録された順に交付される番号で「登録記号」を表す。アメリカや日本のようにダッシュを使わない国もある。日本では航空法施行規則に定められており、133条は「航空機の国籍は、装飾体でないローマ字大文字JA(以下「国籍記号」という。)で表示しなければならない」、134条は「登録記号は、装飾体でない4個のアラビア数字又はローマ字の大文字で表示しなければならない」としている。

イギリスのような数字が入らないアルファベットのみの表記される場合は、無線連絡などの際に後ろの二文字に因んだフォネティックコードで呼ばれることがある。例えば、英国海外航空781便墜落事故の事故機であるデ・ハビランド DH.106 コメット"G-ALYPはYankee Papa(ヤンキー・パパ[3])と呼ばれていた。

また、コールサインを所有しない航空会社や個人所有機などでは日本でも無線連絡などの際にフォネティックコードで呼ばれている。例えば警視庁航空隊のシコルスキー S-92JA02MPは、無線連絡の際、"ジュリエット・アルファ・ゼロ・ツー・マイク・パパ"と呼ぶ。

アメリカの民間航空会社の機材では、機体記号の最後の2文字が航空会社IATA航空会社コードになっていることが多い。例えば、アメリカン航空なら"AA"、旧パンアメリカン航空なら"PA"といった具合である。日本貨物航空もこの法則に当てはまる(JA02KZなど)。また、最近の「JA+3桁数字+1つのアルファベット」のスタイルになってからは、日本航空が末尾にJ、全日空が末尾にAを用いている。

また、消防や警察の所有機では110119といった緊急通報用電話番号を含む組み合わせ[4]、国の機関では自国に関する記号[5][1]、社有のビジネス機では会社に関する組み合わせ[6]など所属先にちなんだ記号を申請する例もある。

機種名にちなんだ番号を使用することもあり、例えばブリティッシュ・カレドニアン航空で導入されたDC-10には" ⇒G-DCIO"(IOを10に見立てている)という番号が使用されたことがあった。

個人所有の機体は、所有者の名前や誕生日、機体の登録年月日などを含む並びを申請していることがある。ジョン・トラボルタ(John Travolta)が所有していたボーイング707は名前の頭文字と型番を組み合わせた『N707JT』としている。

研究機関の試作機や市販のキットなどを組み立てた自作航空機のため、国籍記号とは別に専用の記号で登録を義務付けている国もあり、日本では超軽量動力機にはJR、ジャイロプレーンにはJE[7]、これら以外の自作航空機を新規登録するとJXで始まる識別記号が付与され[2]国籍記号のJAは使用されない。

機体記号を表示する位置は、各国の法令や機種により異なっており[1]、日本の場合、固定翼機では主翼の右上面と左下面、尾翼か胴体の側面、回転翼機は胴体の下面と側面に表示される[1]。回転翼機の尾翼は胴体側面とみなされる[1]。日本ではエンジンカウルには描かれないが、アメリカでは許可されている[1]

かつては塗装で描いていたが、現代ではステッカーが主流となっている[1]
国籍記号一覧 地図上に表示した各国の国籍記号

国家名もしくは地域名国籍記号登記記号規則
アフガニスタンYAabc
アルバニアZAabc
アルジェリア7Tabc
アンドラC3abc
アンゴラD2abc
アンティグア・バーブーダV2abc
アルゼンチンLQabc
アルゼンチンLVabc
アルメニアEK12345
アルバP4abc
オーストラリアVHabc
 オーストリアOEabc
アゼルバイジャン4Kab1 or ab12 or 12345
バハマC6abc
バーレーンA9Cab
バングラデシュS2abc
バルバドス8Pabc


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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