登録局
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この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

登録局(とうろくきょく)は、電波法に規定する免許を要しない無線局の一種である。
目次

1 定義

2 概要

3 種別

4 混信防止機能

5 開設区域

6 操作

7 沿革

8 旧技術基準の機器の登録

9 関連項目

10 脚注

11 外部リンク

定義

電波法第4条第4号に「法第27条の18第1項の登録を受けて開設する無線局」と定義している。

「法」は電波法の略

ここで、第27条の18第1項の登録には、総務省令に定めるもので、

適合表示無線設備のみを用いること

他の無線局に混信を与えないように運用することのできる機能を有すること

定められた区域内に開設するものであること

を条件としている。無線機技術基準適合証明の対象であり技適マークの表示は必須である。
概要

電波法第4条に規定する免許を要しない無線局の内、同条第1項但書き第4号にあるものは総合通信局沖縄総合通信事務所を含む。以下同じ。)に登録を申請し無線局登録状の交付を受けた後でなければ使用できない。申請不要な第1号から第3号までのものと免許を要するものとの中間といえる。外国籍の者の登録を排除する規定はない。
登録の権限

総務大臣が実施するものであるが、権限は設置場所又は常置場所を管轄する総合通信局長に委任されている。
包括登録

周波数及び無線設備の規格を同じくするものは包括登録される。この場合、無線局登録状に局数は記載されない。
種別

電波法を受けた電波法施行規則第16条の各号に規定される。

2019年(平成31年)3月27日[1]現在
空中線電力1W以下のPHS基地局

空中線電力10mW以下のPHSの中継機能を持つ陸上移動局

920MHz帯構内無線局

周波数ホッピング方式の2.4GHz帯構内無線局

5GHz帯無線アクセスシステムの基地局

5GHz帯無線アクセスシステムの陸上移動中継局

空中線電力10mWを超える5GHz帯無線アクセスシステムの陸上移動局

5GHz帯無線アクセスシステムの携帯基地局

空中線電力10mWを超える5GHz帯無線アクセスシステムの携帯局

351MHz帯デジタル簡易無線

920MHz帯陸上移動局(920.5MHz?923.5MHzで次項にあてはまらないもの)

920MHz帯陸上移動局(916.7MHz?920.9MHz)

混信防止機能

他の無線局に混信を与えないように運用することのできる機能としては、無線設備規則に次のように規定している。

PHSの陸上移動局の送信周波数については、基地局から送信する電波により制御できるものであること。[2]

5GHz帯無線アクセスシステムの陸上移動局又は陸上移動中継局の送信周波数については、基地局(陸上移動局にあっては、他の無線局により中継されたものを含む。)から送信する電波により制御できるものであること。[3]

ホッピング方式以外の構内無線局と簡易無線局については、送信時間制限装置とキャリアセンス機能(他局の電波を受信している間は送信不能とする機能)を搭載すること。[4]

その他、空中線電力や空中線の利得についても種別ごとに制限がある。
開設区域

「開設」とは無線機を使用できる場所を意味し、移動しない無線局は設置場所、移動する無線局は移動範囲のことである。

電波法施行規則第18条第2項により、第1項に規定するもの以外は全国で開設できる。「全国」とは河川湖沼を含む陸上のことである。第1項に規定するものは総務省告示に規定される。

第1号:351MHz帯デジタル簡易無線局[5]

351.16875?351.19375MHzは全国及び日本周辺海域並びにその上空

351.2?351.38125MHzは全国及び日本周辺海域


第2号:5GHz帯無線アクセスシステムの無線局[6]

携帯局は全国及び周辺海域

携帯局以外の無線局は全国

「日本周辺海域」とは排他的経済水域(沿岸から200海里)を意味[7]する。
操作

電波法施行規則第33条の無線従事者を要しない「簡易な操作」の規定から登録局に関係するものを抜粋する。

第4号 次に掲げる無線局(特定無線局に該当するものを除く。)の無線設備の通信操作

(1) 陸上に開設した無線局(後略)

(2) 携帯局


第6号 次に掲げる無線局(適合表示無線設備のみを使用するものに限る。)の無線設備の外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作

(3) 簡易無線局

(4) 構内無線局


第7号 次に掲げる無線局(特定無線局に該当するものを除く。)の無線設備の外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作で他の無線局の無線従事者(中略)に管理されるもの

(1) 基地局(陸上移動中継局の中継により通信を行うものに限る。)

(2) 陸上移動局

(3) 携帯局


第8号 その他に別に告示するもの

これらの規定により、

通信操作については、第4号(1)または(2)

技術操作については、

簡易無線局は、第6号(3)

構内無線局は、第6号(4)

陸上移動局、携帯局および陸上移動中継局の中継により通信を行う基地局は、通信の相手方が無線従事者により管理されていれば、第7号(2)および(3)

プレストーク方式による無線電話の送受切替装置は、第8号に基づく告示[8]

が適用され無線従事者が不要となる。

つまり、無線従事者が必要となるのは、陸上移動中継局、携帯基地局および通信の相手方が無線従事者により管理されていない陸上移動局、携帯局および基地局(陸上移動中継局の中継により通信するもの)である。
沿革

2005年(平成17年)- 電波法令に規定[9]された。

5GHz帯無線アクセスシステムの基地局、陸上移動中継局及び空中線電力10mWを超える陸上移動局が登録局とされた。周波数は4,900?5,000MHzであった。

5GHz帯無線アクセスシステムの開設区域を規定する告示が制定[10]された。

空中線電力10mW以下のPHSの基地局および周波数ホッピング方式の2.4GHz帯構内無線局が追加[11]された。

2006年(平成18年)- 950MHz帯構内無線局が追加[12]された。

2007年(平成19年)- 空中線電力10mW以下の中継機能を持つPHSの陸上移動局が追加[13]された。

5GHz帯無線アクセスシステムの開設区域が拡大[14]された。

2008年(平成20年)- 351MHz帯デジタル簡易無線局が追加[15]された。

351MHz帯デジタル簡易無線局の開設区域を規定する告示が制定[5]された。

2010年(平成22年)- 950MHz帯簡易無線局が追加[16]された。

2011年(平成23年)

920MHz帯構内無線局と920MHz帯簡易無線局が追加[17]された。

950MHz帯が電気通信業務(携帯電話通信)に割り当てられた[18]ことによるもので、構内無線局と簡易無線局の新規登録は「平成24年12月31日」まで、使用は「平成30年3月31日」まで[19]とされた。

2012年(平成24年)- 5GHz帯無線アクセスシステムの携帯基地局と携帯局が追加され、5,030?5,091MHzの使用も認められた[20]

5,030?5,091MHzの開設区域が規定[21]された。

5,030?5,091MHzの使用は2017年11月30日まで[22]とされた。

等価等方輻射電力の上限が0.2uWを超えるもの(高スプリアス設備と通称)は、沖縄総合通信事務所の管轄区域では使用できないとされた。


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