発電機(はつでんき、electrical generator)は、電磁誘導の法則を利用して、機械的エネルギー(仕事)から電気エネルギー(電力)を得る機械(電力機器)である。
自動車やオートバイなどのエンジンに付いているオルタネーターや、自転車の前照灯に直結されているダイナモは身近な発電機の例である。また、電気関係の一部ではジェネレーター/ジェレレータと呼ばれることがある。
構造は電動機と近い。原理は同一で、電動機から逆に電気を取り出す事が出来る。より具体的には、模型用電気モーターの電極に豆電球を繋ぎ、軸を高速で回転させると豆電球が点灯する。実用的にはそれぞれに特化した異なる構造をしている。そのため、電動機で走行する鉄道車両[注釈 1]やハイブリッドカー、電気自動車においては、電動機を発電機として利用して発生した電力を抵抗器で熱エネルギーとして消費したり(発電ブレーキ)、架線やバッテリーに戻したり(回生ブレーキ)して制動力を得ることも可能である。
発電機の動力源が電動機のものについては電動発電機を参照。
種類
また、発電機を動かす動力源は、下記のように分類される。 磁気と電気の関係が発見される以前に、静電気学の原理を使った静電発電機が発明されている。静電発電機は、高電圧で少電流の電気を発生する。ベルトや板や円盤に電荷を蓄えて輸送し、高電位差を生じさせる。電荷は次のどちらかの手段で発生させる。 効率が低く、高電圧を発生する機械を絶縁するのが難しいため、静電発電機が発生する電力量は小さく、電力を商業的に供給する手段としては使われなかった。その中でも後々まで残ったものとして、ウィムズハースト式誘導起電機やヴァンデグラフ起電機がある。 1827年、ハンガリーのイェドリク・アーニョシュが electromagnetic self-rotor と名付けた電磁回転装置の実験を開始した。単極電気始動機の試作機(1852年から1854年に完成)では、固定部品も回転部品も電磁式だった。彼はジーメンスやホイートストンの少なくとも6年前にダイナモの概念を確立していたが、自分がそれを世界で初めて考案したとは思わなかったため、特許を取得しなかった。 基本的にその概念は永久磁石を使わず、2つの電磁石を使って回転子の周囲の磁界を誘導する。それは自励作用の原理の発見でもあった[1]。イェドリクの発明は当時の水準の数十年先を行っていた。 マイケル・ファラデーは1821年に世界初の電動機の一つとも考えられる単極誘導モーター
人間、人力(歴史の節で説明されている初期の発電機、現代の自転車のダイナモ、手回し発電機(停電時や災害時に使うもの)など)。人力発電。
水車(水力発電)
風力原動機(風力発電)
内燃機関(内燃力発電 : 発動発電機(英語版)、ガスタービン発電機)
内燃機関と組み合わされたものには、特に発動発電機(発々-はつはつ)や、ジェネレーターセット(Genset、ジェネセット、発電セット)の通称がある。燃料はA重油、軽油、ガソリン、LPガス(プロパン、ブタン)、天然ガス(LNG、CNG)、水素。
なお、内燃機関で走行する自動車やオートバイに搭載されている発電機のオルタネーターも、その内燃機関から動力を得ている。
蒸気タービン(汽力発電:火力発電・原子力発電などはこの方式)
爆薬(爆薬発電機)
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手回し発電機。クランクハンドルを手で回して発電する。LEDランプも備え、非常時の懐中電灯として使え、スマホや携帯機器の充電などに使えるケーブルなどが付属しているものが多い。
直流発電機の一種、自転車のダイナモ。英語圏ではこのタイプはボトルダイナモ(en:Bottle dynamo)と呼ぶ。
近年の自転車のハブダイナモ。車輪のハブ(車輪の中央、スポークが集まる部品)の内部に発電機が組み込まれている。
内燃自動車に搭載されている交流発電機はオルタネーターと呼ばれる。車載の電装用バッテリーはこれで充電される。
オートバイのオルタネーター。
マイクロ水力発電の発電機(動力が伝統的な形の水車になっているタイプ)
風力タービン(洋上風力発電のもの)
原子力発電所の蒸気タービン発電機の例(米国NRCの画像)
航空機の地上補助電源やエンジン始動に用いられる移動式発電機(GPU)
北陸電力で使用される移動電源車
災害支援のためC-17輸送機に搭載されるFEMAのディーゼル発電セット
屋上に設置された非常用LPガス発電機
発電機の歴史
静電誘導
摩擦帯電 - この場合、2つの絶縁体を接触させても、どちらも帯電したままとなる。
イェドリクのダイナモ
ファラデーの円盤ファラデーの円盤