経済発展段階説(けいざいはってんだんかいせつ)は、一国の経済発展が共通の歴史的段階を経るとみなす学説。フリードリッヒ・リストおよび後続のドイツ歴史学派が形成したモデルが有名であるが、その他の立場からの段階説も提示されている。
議論そのものは比較的単純なものであり、実証的な歴史学などからは批判も寄せられている。しかし、かつては発展途上国などにおいて、近代化政策推進の理論的支柱としての役割も果たすことがしばしばあった。 リストは温帯地方の国は次のような発展をたどるとした(彼の言う「商」は、現代で言えば国際貿易のことである)。 彼の学説は、当時のドイツの貿易政策への提言という側面も持っていた。フリードリッヒ・リストの学説も参照のこと ドイツ歴史学派に属するカール・ビュッヒャー マルクス経済学では弁証法的唯物史観にしたがって次のように大別される。 ウォルト・ロストウは産業革命期を「離陸」と名付け、それ以降の社会を重視するモデルを提示した。発展によって国民所得を占める投資率が上昇する。 大分類
モデルの例
フリードリッヒ・リストの段階説
未開状態→牧畜状態→農業状態→農工状態→農工商状態
カール・ビュッヒャーの段階説
家内経済→都市経済→国民経済
マルクス経済学の段階説
原始共産制→古代奴隷制→封建社会→資本主義社会→共産主義社会
ウォルト・ロストウの段階説
伝統的社会(5%未満)→離陸の準備段階(5 - 10%)→離陸(テイク・オフ)(10%)→成熟への前進段階(20%)→大量消費社会
関連項目
表
話
編
歴
経済成長論
理論
経済開発理論
法則
オークンの法則
カルドアの定型化された事実
カルドアの成長法則
サールウォールの法則(英語版)
フェルドーンの法則
ペティ=クラークの法則
リカードの等価定理
仮説
経済発展段階説
恒常所得仮説(英語版)
購買力平価説
実証概念
オランダ病
資源の呪い
マルサスの罠
東アジアの奇跡
ヒューマン・キャピタル
中所得国の罠
ルイスの転換点
ツール
成長会計(英語版)
クズネッツ曲線
産業連関表
ジニ係数
ローレンツ曲線
人間開発指数
概念
成長概念
経済成長の黄金律
均斉成長均衡(英語版)
経済学における収束
チェナリー=シルクイン型成長 (Chenery?Syrquin patten of economic growth)
非経済的成長(英語版)
必須成長(英語版)