癌細胞
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上皮性の悪性腫瘍については「癌腫」をご覧ください。

その他の用法については「がん (曖昧さ回避)」をご覧ください。

悪性腫瘍

分類および外部参照情報
発音あくせいしゅよう
ICD-10C00?C97
ICD-9-CM140? ⇒239
DiseasesDB28843
MedlinePlus001289
MeSHD009369
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悪性腫瘍(あくせいしゅよう、: Malignant TumorまたはCancer) は、生体内の自律的な制御を受けずに勝手に増殖を行うようになった細胞集団、つまり腫瘍の中でも、特に周囲の組織に浸潤(英語版)し、または転移を起こす腫瘍のことである。目次

1 用語

2 概要

3 英語のCancerや漢字「癌」の語源

3.1 Cancer

3.2 癌


4 悪性腫瘍に関連する医学的分類

5 がんの代謝

6 疫学

7 分類

7.1 組織学的分類

7.2 成人のがん

7.3 幼児期のがん


8 発生機序

8.1 がん発生に関与する遺伝子群

8.2 分化度

8.3 接触阻害の機能喪失と無限増殖能

8.4 がんとアポトーシス


9 発生要因

9.1 生活習慣と癌

9.2 発がん性を有する化学物質や放射線への暴露

9.3 病因微生物(ウイルスや細菌)

9.4 遺伝的原因


10 予防

10.1 がん予防10か条(世界がん研究基金)

10.2 がん対策の目標(健康日本21-日本厚生労働省)

10.3 がんを防ぐための12か条(日本国立がんセンター)

10.4 日本人のためのがん予防法(国立がん研究センター)

10.5 がん検診

10.6 その他


11 診断

11.1 細胞診断・生検組織診断

11.2 進行度

11.2.1 TNM分類

11.2.2 ステージ分類



12 治療

12.1 プレシジョン・メディシン(Precision Medicine)


13 がん治療後の生活の質の向上

13.1 ストーマ

13.2 気管孔

13.3 再建術

13.4 エピテーゼ

13.4.1 人工乳房

13.4.2 顔面エピテーゼ

13.4.3 義肢(義手・義足)


13.5 補遺


14 がんと統合失調症

15 がんの原因の理解史

15.1 ウイルス説を巡る歴史


16 比喩

17 脚注

17.1 注

17.2 出典


18 参考文献

19 関連項目

20 外部リンク

用語

「悪性腫瘍」とは、腫瘍の中でも、特に浸潤性を有し、増殖・転移するなど悪性を示すもののことであり、「良性腫瘍」と対比される用語である。だが例えば、非浸潤性乳管がんという浸潤なしの悪性腫瘍もある。

「悪性腫瘍」はMalignant neoplasmの訳語として作られた言葉で、Malignantは「悪性の」、Neoは「新しく」、Plasmは「形成されたもの」を意味する。悪性新生物(あくせいしんせいぶつ、: Malignant Neoplasm)とも呼ばれる。

一般に癌(ガン、がん)とも。
概要

ヒトの身体は約六十兆個の細胞からなっている。これらの細胞は、正常な状態では、細胞数をほぼ一定に保つように分裂・増殖し過ぎないような制御機構が働いている。それに対して腫瘍は、生体の細胞の遺伝子に何らかの異常が起きて、正常なコントロールを受け付けなくなり自律的に増殖するようになったものである。この腫瘍が正常組織との間に明確な仕切りを作らず浸潤(英語版)的に増殖していく場合、あるいは(※)転移を起こす場合に悪性腫瘍と呼ばれている[1][2]。※「あるいは」と書いたが、多くは浸潤と転移の双方を起こす

悪性腫瘍のほとんどは無治療のままだと全身に転移して患者を死に至らしめる[1][2] とされる。

「がん」という語は「悪性腫瘍」と同義として用いられることが多く、本稿もそれに倣い「悪性腫瘍」と「がん」とを明確に区別する必要が無い箇所は、同一語として用いている。

ウィクショナリーに関連の辞書項目があります。癌

「悪性腫瘍(malignant tumor)」は、日本における一般人の表現としては「がん(: cancer、: Krebs)」として知られているが、専門用語では平仮名の「がん」と、漢字の「癌」は同意ではない。

病理学的には漢字で「癌」というと悪性腫瘍の中でも特に上皮由来の「癌腫(上皮腫、carcinoma)」のことを指す。平仮名の「がん」は、「癌」や「肉腫」(sarcoma)、白血病などの血液悪性腫瘍も含めた広義的な意味で悪性腫瘍を表す言葉として使われているからである。したがって癌ばかりでなく肉腫や血液悪性腫瘍も対象にする国立がん研究センターや各都道府県の「がんセンター」は平仮名で表記する[3]

悪性腫瘍は、

無制限に栄養を使って増殖するため、生体は急速に消耗する。

臓器の正常組織を置き換え、もしくは圧迫して機能不全に陥れる。

異常な内分泌により正常な生体機能を妨げる。
詳細は「播種性血管内凝固症候群(DIC)」、「傍腫瘍症候群」、および「高カルシウム血症」を参照

全身に転移することにより、多数の臓器を機能不全に陥れる。

悪性腫瘍とは何なのか、その原因は何なのか、古代から理解しようとする人々がいた。古代でも分かっていなかったが、19世紀半ばの西洋医学界でも、悪性腫瘍の原因についてはほぼ全く何も分かっていなかった。つまり、その後のおよそ150年ほどの医学的研究によって、ようやく悪性腫瘍の原因が分かってきた。詳細は「#がんの原因の理解史」を参照

遺伝子に起きる何らかの異常も要因の一つだが、それを引き起こす様々な要因もあり、最近では大規模な疫学調査なども用いることで、直接・間接含めて様々な要因が明らかになっている。


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