痛車
[Wikipedia|▼Menu]
痛車の例として「ウィキペたん」をあしらったもの(Photoshop による合成画像ブラウザゲーム「艦隊これくしょん」のキャラクターをあしらったマツダ・MAZDA3

痛車(いたしゃ)とは、車体に漫画アニメゲームなどに関連するキャラクターやメーカーのロゴをかたどったステッカーを貼り付けたり、塗装を行うなどして装飾した自動車[1][2][3][4]。いわゆるおたく文化から発祥し[5]、アニメやゲームに対する個人のファン活動の一環として行われているもので[3][6]、作中に登場するヒロインなどといった美少女キャラクターなどを[7][5]モチーフとしたものが代表的である。萌車(もえしゃ)とも呼ばれる[1][8]。イタリア製自動車の「イタ車」からの洒落であるとの説がある[2][7]
概要伊豆箱根鉄道3000系電車。「ラブライブ!サンシャイン!!」の主人公たちによるスクールアイドル「Aqours」の3rdシングル「HAPPY PARTY TRAIN」の発売(4月5日)に伴い、新しくデザインされたラッピング電車を運行。「HAPPY PARTY TRAIN」の衣装でポーズを決める「Aqours」のメンバーたちが、1車両の片側に3名ずつラッピングされた車両全体のフルラッピングとなっている。このような図柄の塗装を個人が趣味で行うと「痛車」と呼ばれやすい(ご当地キャラクター「桜織」を使った「バス」を自称する富士急山梨バスのラッピングバスの例、2012年)

痛車とは「見ていて痛々しい車」という意味からきた俗語であり[2][9]恥ずべき行いを「痛い」と表現する俗語に由来するものである[10]イタリア車を意味する「イタ車」の語感に掛けた洒落であるとも言われる[7][2]。こうした車両が「痛車」と呼ばれ始めた経緯については、揶揄の意味で用いられ始めたとも、オーナーのジョークのうえでの自虐として用いられたとも言われるが、諸説があり定かではない[5]

2000年代前半以前は愛好家同士のみで通じる隠語のようなものだったが、雑誌やインターネット上のWebサイトやテレビ番組などでの映像公開により広く認知されるようになった。模型などの商品化や専門誌の出版、痛車をテーマにしたイベントも行われている[2]。実際の痛車は、アニメの舞台のモデルとなった場所(ロケ地巡り、「聖地」などと俗称される)や[11][12]コミックマーケット開催日3日目の東京・有明国際展示場駅有明駅前)や駐車場[7][13]、週末の東京・秋葉原[14][15]などに停まっているのを実際に見ることができる。

痛車はおたく文化の一種として受け取られており[5]、その層における興味の対象としては認知されていないような一般企業のマスコットキャラクターや、『ドラえもん』『ポケットモンスター』などの一般・ファミリー向け作品や、ロボットアニメのロボットなどは痛車の題材になることは稀である[16]。これらのおたく要素とは、一般的には萌え絵・美少女系などの男性向けおたく作品の要素を指しているが、中には女性向け作品である『うたの☆プリンスさまっ♪』のキャラを貼った車など、例外もある。

またアイドルや人気声優など実在の人物の画像を用いた痛車もあるが[17][18]、これらは肖像権の侵害にあたるため本人や本人の所属事務所から自粛を求められている。

同様の改造を施した原付バイクは痛単車(いたんしゃ)と呼ばれ、自転車の場合は痛チャリ(いたチャリ)と呼ばれる[1][7][2][19](ただし自転車の場合はフレームでは目立たず、ディスクホイール化した車輪程度しか描く場所はない)。

痛車の多くは個人による趣味の一環として行われているものである[3][6]が、中にはこうした車両がアニメやゲームの宣伝車用に装飾されている場合もある[6]ほか、公式な広告活動のための車両に痛車風のデザインを取り入れたり、自ら痛車を銘打った宣伝活動が行われたりする例もある[20][21]が、単なる宣伝カーデコトララッピングバスは痛車とは異なる定義である。

また、似たような装飾を施したラッピング電車を俗に痛電車(いたでんしゃ)などと呼ぶこともある[22][23]が、その大半はやはり広告活動や地域振興目的のものであり、(前述の)趣味の装飾という意味合いも含む「痛車」本来の定義には該当しないケースがほとんどである。
評価

痛車に対する認知度が上がると、痛車を扱うビジネスも出現するなど盛り上がりも見せている[2]。一方で痛車に対する世間からの評価は、

一種のアートとしての評価する場合

ステッカーチューンとしての車両カスタムの一つとして評価する場合

不可思議なものと冷やかしの対象として見られたり、悪趣味と嫌悪する場合

一般車にまぎれると目立つ、自分はやらないが楽しい

などがあり一様ではない。

ときおり、ボディに無数の傷を付けられたり、ステッカーを剥がされるなどといった「痛車狩り」と称したいたずら被害の報告がある[24]。なお、屋外広告物条例等[25]に基づいて公務員や当局から委託を受けた者がステッカーの除却作業を行う場合を除き、実際にこのようなことを行うと器物損壊罪となる(「おたく狩り」も参照)。
手法.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:91 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef