異修羅
ジャンルバトルファンタジー[1]
小説
著者珪素
イラストクレタ
『異修羅』(いしゅら)は、珪素による日本のライトノベル作品。イラストはクレタが担当している。電撃の新文芸(KADOKAWA)より2019年9月から刊行されている。『カクヨム』にて2017年6月から[4]、『小説家になろう』で同年7月からそれぞれ連載されている[5]。
2020年3月にはYouTubeの「電撃文庫チャンネル」にて若本規夫のナレーションによるスペシャルPVが公開された[6]。
メディアミックスとして、メグリの作画によるコミカライズが『月刊少年マガジン』(講談社)にて2021年4月号より2024年6月号まで連載された[2][3][注 1]。作画は「カクヨム発『異修羅』作画コンペ」にて選出[2]。2024年からはテレビアニメが製作されている[8][9]。 本作は、過去に「本物の魔王」による大きな被害をうけたファンタジー世界を舞台に、「修羅」と呼ばれる強者達の殺し合いを描いている[10]。物語に登場する「修羅」たちは、単に戦闘で強いだけの存在ではなく、超人的な精神を持つ者もいれば、圧倒的な物量で勝負する者もいる[10]。本作は群像劇であり、話数ごとに異なるキャラクターにスポットがあてられる[11]。第1巻では大国家・黄都と都市国家との間戦争を描く[11]一方、第2巻では大災害の中で修羅が殺し合う様子が描かれている[10]。第3巻ではこれらを踏まえたうえで、黄都に修羅たちが集い、勇者を決めるためのトーナメント戦「六合上覧」が開かれる様子が描かれている[11]。 魔王が殺された後の世界。全生命の敵である本物の魔王を倒した何者か、すなわち本物の勇者の正体は分からなかった。恐怖が終わった時代、その勇者を決める為に世界最大の都市、黄都に修羅が集まる。勝ち進んだ一人こそが勇者の名誉を授けられる。こうして集いし十六名の修羅による死闘が幕を開けた。
内容
あらすじ
第1巻
遠い鉤爪のユノは、突如起動した迷宮機魔(ダンジョンゴーレム)により故郷を失い、友人のリュセルスも殺されてしまったところを、異世界から来た剣豪・柳の剣のソウジロウに命を救われる。逆恨みだと自覚しながらも、弱者を顧みず自儘にふるまうソウジロウのような強者への復讐を誓い、ユノはソウジロウと行動を共にする。世界最大の都市黄都に対し、黄都の将・警めのタレンがリチア新公国を率いて反乱を起こす。多くの強者が入り乱れる戦争の中、リチア側の戦力である海たるヒグアレ、夕暉の翼レグネジィ、鵲のダカイ、黄都側の戦力である濫回凌轢ニヒロが斃れ、最終的に反乱の首魁であるタレンが討たれたことで戦争は黄都側の勝利で終結する。
第2巻
正体不明の砂嵐「微塵嵐」が突如黄都に向けて動き出し、それに乗じて、女王セフィトの王位を不当だとする旧王国主義者らが黄都への反乱の準備を進める。不死のゴーレム・窮知の箱のメステルエクシルとその製作者である軸のキヤズナは、かつてキヤズナのゴーレムたちを殺した微塵嵐への復讐に向かう。彼らのもとへ、メステルエクシルが旧王国主義者らから強奪した魔剣を取り立てるため、ドワーフの魔剣士・おぞましきトロアが現れ戦闘となり、さらにそこへ微塵嵐が到達する。微塵嵐の正体は、詞術によって莫大な量の砂を周囲にまとったワーム・微塵嵐アトラゼクであった。黄都は、「天眼」と呼ばれる常識外の知覚能力を持つ小人・戒心のクウロの観測と巨人の弓使い・地平咆メレの狙撃により微塵嵐を討伐しようとする。クウロの天眼は全盛期から衰えており、うまく観測することができない。しかしそれは、観測を終えて用済みとなった自身が始末されることを予見したクウロが、無意識下で見ないようにしていたからであった。自身の天眼が失われていないことを知ったクウロは観測を成功させ、微塵嵐は討伐されるが、クウロは予見した通り狙撃される。クウロの相棒である彷いのキュネーの嘆願に応え、トロアはクウロを救命する。
第3巻
異世界から来た政治家・逆理のヒロトは、傭兵都市オカフ自由都市の長・哨のモリオと協力関係を結ぶ。