男組
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この項目では、漫画作品について説明しています。政治運動団体については「男組 (反差別団体)」をご覧ください。

ロックバンドの「男闘呼組」とは異なります。

男組
ジャンル少年漫画
漫画
原作・原案など雁屋哲
作画池上遼一
出版社小学館
掲載誌週刊少年サンデー
レーベル少年サンデーコミックス
発表期間1974年 - 1979年
巻数全25巻
テンプレート - ノート

『男組』(おとこぐみ)は原作・雁屋哲、作画・池上遼一による漫画作品。『週刊少年サンデー』(小学館)において1974年から1979年まで連載された(1977年に休載期間あり)。休載期間後は若干、画のタッチが変わっている。後に劇場映画化されている。
概要

戦後30年頃の日本を舞台に、己の信念を賭けて闘う男達を描いた少年漫画

高校生ながら、強大な権力を使い悪の限りを尽くす神竜剛次と、その勢力を倒すために立ち上がった父親殺しの罪を持つ男・流全次郎の対決を中心に、戦争とも言える大掛かりな抗争劇が繰り広げられる。また「男の生き様とは」をテーマに読者に強いメッセージを投げかけている場面も見られる。

1970年代の日本では漫画界においても空手カンフーなどの格闘技ブームがあり、本作はそのなかでも中国武術を本格的に取り上げた作品として評価されている。後のさまざまな学園漫画に影響を与えた。

アメフトと実在する中国武術をアクションに多く取り入れており、中国武術の一部は松田隆智に取材したものである。

漫画最終話では「ワルシャワ労働歌」が引用されている。

連載終了して30年近く経過した『週刊少年サンデー』(2008年16号〈4月2日号〉)では、「週刊少年サンデー創刊50周年記念」として、作者である池上遼一が『男組』のセルフパロディを『回想録 熱闘 男組』と題し、「これが男の生き様だ!! 今、明らかになる大人気劇画の舞台裏!!」のコピーを掲げ、劇中では主人公・流全次郎と好敵手である神竜剛次との死闘の形式で「手錠の鎖の数が毎回違う」「構えがブルース・リーそっくり」などのネタに対し、神竜がツッコミながら流とバトルを繰り広げる展開が描かれている。

ワル』と共に『ビー・バップ・ハイスクール』あたりの源流とも評される[1]
あらすじ

関東にある私立青雲学園は、神竜剛次という生徒によって無法地帯と化し惨憺たる状況下にあった。この現状に耐えかねた校長は、関東少年刑務所から一人の囚人を特待生として招き入れ、神竜を打ち倒すよう要求する。父親殺しの罪状を持つ男・流全次郎は、これに承諾するものの、神竜の圧倒的に強大な勢力に打ち勝つためには青雲学園の生徒一人一人が戦う気持ちを持たなければならないことを生徒たちに諭す。また、流も少年刑務所内の仲間「五家宝連」の力を借りて、様々な作戦を図り正義のために戦い続ける。物語はやがて、二人の対決に止まらず、「影の総理」と呼ばれる日本社会に潜む大きな闇に迫ることになっていく。
登場人物
流一派
流 全次郎(ながれ ぜんじろう)
主人公。父親殺しの罪状で関東少年刑務所に収監される。
陳家太極拳の使い手。権力に踏み潰された者たちへの誓いとして、己に掛けられた手錠を外さないまま強敵と戦う(手錠の鎖の長さはシーンによって一定していない)。軍艦島から脱出する際に失明したが、後に岩瀬の死に伴い視力を取り戻す。人間はいつか平等で平和な、支配・被支配の関係のない社会を作ることができるという理想を持つ。戦いの中で人間の弱さ、醜さ、悲しさを味わいつくしながらも理想を捨てずに戦い続け、宿敵である神竜剛次との戦いに勝利した後、心からの和解を遂げて、神竜の母親の遺品である懐剣を受け取り、その信頼に命がけで応えようと生還を望めない最後の戦いへ赴くことになる。
五家宝連

五家宝連(ごかぼうれん)とは流を兄貴と慕う五人の部下。元々、流が関東少年刑務所へ収監される前、それぞれが各舎のボスとして名を馳せていた。皆、血の繋がりは無いが、家族以上に絆は強い。
伊庭 彦造(いば ひこぞう)
五家宝連の一人。
IQ180の元天才詐欺師。流一派の軍師として活躍する。識見豊かで軍事戦略にも長けた英才。最後は神竜が託した信頼に殉じようする流の死と、これからも続けられる影の総理との激しい戦いを予感しつつ、残った仲間を率いていく。
岩瀬 大介(いわせ だいすけ)
五家宝連の一人。格闘の名人。超タフ。盲目の身で殺人機械の襲撃を受けた流と仲間達の盾となり、死んでいく。
大杉 五郎(おおすぎ ごろう)
五家宝連の一人。大泥棒を自称しているが、その本質は窃盗学、情報収集の大家で、標的の屋敷の警備能力を麻痺させるために毒をも使いこなすほどの忍者じみた技能の持ち主であり、一流の諜報員としての能力を持つ。神竜が流を動揺させるために用意した偽の流の母親を単独救出に向かい、救出には成功するものの致命傷を負い、流の元には帰り着くも、力を使い果たして眠るように息絶える。
高柳秀次郎(たかやなぎ ひでじろう)
五家宝連の一人。古今東西の様々な武技に長けた武術の達人。性格は冷静かつ勇猛。当初は凄惨な生い立ちゆえの顔の傷もあってか険しい風貌だったが、流れと行動を共にしていく内に笑顔が増え、イケメンに変わっていく。最終決戦前、流達を逃がすためにしんがりとなって奮戦し、致命傷を負いながらも仲間たちの勝利を信じて立ち姿のまま息を引き取る。
長浜 昇一(ながはま しょういち)
五家宝連の一人。虫や動物と意思の疎通を図ることができる動物使い。少刑最年少で、元は普通に恵まれた育ちだったことがうかがわれる。
その他
山際 涼子(やまぎわ りょうこ)
本作のヒロインで青雲学園の生徒。神竜剛次の
許婚だが、神竜のやり方を快く思っておらず、流たちに味方する。神竜に短刀で深手を負わせ、後に桜魔子に刺殺される。
流 統太郎(ながれ とうたろう)
全次郎の父親。弁護士。戦時中は無謀な戦争に踏み込んだ政府の方針に徹底抗議を行い、特高に虐待されながらも、終戦の日まで不屈の意志を貫いて生き延びたという凄絶な過去があり、誇り高い正義感の持ち主でもある。ある時期から神竜家とその背後にいる影の総理の横暴を正そうと告発のための活動を開始するが…。
陳 泰明(ちん たいめい)
全次郎の武術の師匠。統太郎とは無二の親友であり、その友誼の硬さは自ら舌を切り落とした過去によって証明されている。
南条 五郎(なんじょう ごろう)
統太郎の親友。軍艦島にて流と出会う。軍艦島内を自由に動き回り大御所と呼ばれている。陳家太極拳と八極拳の使い手で、朽木組の影の軍隊の隊長とは因縁浅からぬ関係にある。
神竜組


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