生物学(せいぶつがく、英: biology、羅: biologia[注釈 1])とは、生命現象を研究する、自然科学の一分野である[1]。
広義には医学や農学など応用科学・総合科学も含み[要出典]、狭義には基礎科学(理学)の部分を指す[要出典]。一般的には後者の意味で用いられることが多い。
類義語として生命科学や生物科学がある(後述の#「生物学」と「生命科学」参照)。 生物学とは、生命現象を研究する分野である。日本の『生化学辞典』によると、生物学は生物やその存在様式を研究対象としている[2]、となっており、Aquarena Wetlands Project glossary of termsの定義では、生物学の研究対象には構造・機能・成長・発生・進化・分布・分類を含む[3]としている。 扱う対象の大きさは、一分子生物学における「細胞内の一分子の挙動」から、生態学における「生物圏レベルの現象」までのレベルにおいても、具体的な生物種の数の多さにおいても、きわめて幅広い。 現代の生物学が成立したのは比較的最近だが、関連し含まれていた科学は古代から存在した。自然哲学はメソポタミア、古代エジプト、古代インド、古代中国で研究されていた。しかし、現在に繋がる生物学や自然研究の萌芽は古代ギリシアに見られる[4]。 一般に、諸研究に先駆しているという意味で、古代ギリシアのアリストテレスをもって生物学史の始めとする[5][1]。「アリストテレスは実証的観察を創始した[6]」「全時代を通じて最も観察力の鋭い博物学者の一人[7]」などとされ、生物の分類を提示するなどし、後世に至るまで多大なる影響を及ぼしたのである。アリストテレスの動物学上の著作として残っているものとしてはHistoria animalium『動物誌』、De generatione animalium『動物発生論』、De partibus animalium『動物部分論』、De anima『心について』(『霊魂論』とも)がある。[8]『動物誌』では、500を越える種の動物(約120種の魚類や約60種の昆虫を含む)を扱っており、随所で優れた観察眼を発揮している[9]。植物に関する研究も行い著作もあったとされるが、現在では残っていないとされる。アリストテレスの生物に関する研究の中でも動物に関する研究は秀でており、特に動物学の始原とされる。分類、生殖、発生、その他の分野において先駆的な研究を行い、その生命論や発生論は17世紀や18世紀の学者にまで影響を与えた。 ただし、アリストテレスの生物学は、今日の視点から見れば生気論・目的論的であり、その意味では哲学的、思弁的といえる[10]。 古代ギリシアの哲学者たちは有生物と無生物を区別する原理として「プシュケー」という用語を用いて説明していたが、アリストテレスはこのプシュケーを、デュミナス(可能態)において生命を持つ自然的物体の形相(エイドス)と定義し、プシュケーは「生命の本質をなしており、自己目的機能であり起動因だ」と記述した[11]。 中世には、イスラム世界でジャーヒズ(781年-869年)やAb? ?an?fa D?nawar?(828年-896年)らが植物学の著作を残した[12]。 現代生物学は、アントニ・ファン・レーウェンフックが発明した顕微鏡の普及とともに発展した。
概要
歴史詳細は「生物学史」を参照