瓢箪
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この項目では、植物について説明しています。俳諧集については「ひさご」を、事務用品メーカーについては「ヒサゴ」をご覧ください。

ヒョウタン
ヒョウタンの茎と果実(2001年7月)
分類

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 angiosperms
階級なし:真正双子葉類 eudicots
:ウリ目 Cucurbitales
:ウリ科 Cucurbitaceae
:ユウガオ属 Lagenaria
:L. siceraria
変種:ヒョウタン L. siceraria var. gourda

学名
標準: Lagenaria siceraria (Molina) Standl. var. siceraria (1930)[1]

狭義: Lagenaria siceraria (Molina) Standl. 'Gourda' (1948)[2]
シノニム


Lagenaria leucantha (Duchesne) Rusby var. gourda (Ser.) Makino (1940)[3]

和名
ヒョウタン
英名
Gourd
ヒョウタンの種

ヒョウタン(瓢箪、瓢?、学名: Lagenaria siceraria var. siceraria)は、ウリ科ユウガオ属の植物。ユウガオの変種。漢語では瓢(ひょう、瓠、匏とも表記)、瓢瓠(ひょうこ)、胡盧(ころ、葫盧、壺盧とも表記)ともいい、和語ではひさご、ふくべという[4]。この植物の果実を加工して作られる「ひょうたん」は、「瓢」の「箪(容器)」という意味である。主に果実を観賞用に栽培したり、容器に加工して利用される。
概説

最古の栽培植物の一つで、原産地のアフリカから食用や加工材料として世界各地に広まったと考えられている。乾燥した種子は耐久性が強く、海水にさらされた場合なども高い発芽率を示す。

ユウガオの変種で[5]、狭義には上下が丸く真ん中がくびれた形の品種を呼ぶが、球状から楕円形、棒状や下端の膨らんだ形など品種によって様々な実の形がある。

ヒョウタンは、苦味成分であり嘔吐下痢等の食中毒症状を起こすククルビタシン[6]を含有し、果肉の摂取は食中毒の原因となる[7][8][9][10]。「#毒性」でも後述。
種類

ヒョウタンには大小様々な品種があり、長さが5センチメートルくらいの極小千成から、2メートルを越える大長、また胴回りが1メートルを超えるジャンボひょうたんなどがある。センナリヒョウタン(学名: Lagenaria siceraria var. microcarpa)は、ヒョウタンの別変種[11]

ヒョウタンと同一種のユウガオは、ククルビタシンの少ない品種を選別した変種で、食用となる干瓢の原料として利用される。また、ヒョウタン型をした品種の中にも、ククルビタシンの少ない食用品種が存在する。

千成兵丹(せんなりひょうたん) - タキイ種苗が育成した品種で、1本のつるに小さな果実がたくさん実る。夏の日よけ用の栽培に向いている[5]

百成ひょうたん(ひゃくなりひょうたん) - 福井シードが育成した品種で、果実は長さ15 - 25 cm、胴回り25 - 30 cmになり、ひょうたんとしては標準的な大きさ[5]

鶴首ひょうたん(つるくびひょうたん) - 福井シードが育成した品種で、果実は長さは30 cm、膨らみの径は8 - 10 cmほどになる。果実の上部は細長くなり、曲げ加工して鶴の置物などをつくる[5]

長瓢(ながふくべ) - 長瓢箪の品種で、果実は大型で長さ2 mにもなる。棚栽培するときは、広さや高さ、風対策が必要[5]

歴史成形図説』より

原産地は、北アフリカや、インドタイなどの熱帯地方とされる[5]

日本では、縄文時代草創期から前期にかけての遺跡である鳥浜貝塚から種子が出土している。文献史学上では『日本書紀』(720年成立)の中で瓢(ひさご)として初めて公式文書に登場する。その記述によると仁徳天皇11年(323年)、茨田堤を築く際、水神へ人身御供として捧げられそうになった茨田連衫子という男が、ヒョウタンを使った頓智で難を逃れたという。

@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}古代のヒョウタンは現在のような括れた形態ではなく通常の植物の実のような筒のような形をしていたことが分かっており、突然変異で今日知られているような特徴的な形が発現し、それが人伝に栽培されて世界中に広まった、とされる[要出典]。
栽培ヒョウタン棚

春に種をまき、晩春に苗を植え付け、盛夏から晩夏にかけて果実を収穫する[5]。高温性でつるはよく伸びて、生育は旺盛であり、特に入念な管理などはなく放任栽培できる[5]。多湿には弱い性質のため、排水のよいところで栽培する[5]

を作る場合は、育苗ポットなどに3 - 4粒の種をまき、保温して発芽させ、本葉が開き始めたころに間引きして本葉3 - 4枚の苗に仕上げる[12]は植え付け2週間ぐらい前に植え穴を掘って元肥を入れ、埋め戻してからを立てる[12]。1株だけ育てるときは、株の真下に元肥を施す「鞍つき畝」にすると、肥料が集中的に効く[12]。苗を定植したら丈夫な柵と棚を作り、つるを誘引する[12]。小型品種をプランターで栽培するときは、あんどん仕立てにしてもよい[12]。収穫時期は、果実表面の産毛がとれて、指ではじくと高音が出るようになったら適期である[5]
利用

ユニークな形をした果実が、観賞用として楽しまれていて、真夏の日光を遮る日陰棚にも向いている[5]。また、完熟果は主に酒器、花器、薬物などの容器へ加工されて利用されるほか[5]、強壮な草勢からスイカカボチャ台木としても利用される。
容器

果肉部分を除去し、乾燥させたものが容器として水筒の貯蔵に利用されていた(多孔質であるために内容液が少しずつしみ出し、気化熱が奪われるため中身が気温より低く保たれる)。

軽くて丈夫なヒョウタンは、世界各国で様々な用途に用いられてきた。日本では上記のように水や酒を持ち運べる容器としてのほか、縦に二つに割って水などを汲んだり掬ったりする用途にも使われた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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