理想科学工業
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理想科学工業株式会社
RISO KAGAKU CORPORATION
本社が入居する田町センタービル
種類株式会社
市場情報東証プライム 6413
2006年12月28日上場
本社所在地 日本
108-8385
東京都港区五丁目34番7号
設立1955年昭和30年)1月25日
(株式会社理想科学研究所)
業種機械
法人番号9010401031452
事業内容印刷機器関連の製造・販売・市場調査
代表者羽山明(代表取締役社長)
資本金141億1,498万5,384円
(2023年3月31日現在)
発行済株式総数4,000万株
(2023年3月31日現在)
売上高連結:746億円55百万円
単独:597億76百万円
(2023年3月期)
営業利益連結:59億55百万円
単独:47億15百万円
(2023年3月期)
経常利益連結:62億01百万円
単独:62億89百万円
(2023年3月期)
純利益連結:46億24百万円
単独:48億94百万円
(2023年3月期)
純資産連結:642億96百万円
単独:575億円14百万円
(2023年3月期)
総資産連結:847億73百万円
単独:749億57百万円
(2023年3月期)
従業員数連結:2,865人 単独:1,600人
(2023年3月31日現在)
決算期3月31日
主要株主(有)理想社14.79%
公益財団法人理想教育財団 7.96%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)6.79%
(2023年3月31日現在)
外部リンクhttps://www.riso.co.jp/
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理想科学工業株式会社(りそうかがくこうぎょう、Riso Kagaku Corporation)は、東京都港区芝五丁目に本社を置く、日本の機械メーカーである。通称:RISO(リソー)。
概要

1946年に謄写版印刷業として創業し、印刷機器と消耗品の開発・製造・販売を行う。高速カラープリンター「オルフィス」を主としたインクジェット事業と、デジタル印刷機「リソグラフ」を主とした孔版事業がある。国内には16営業部41営業所(オフィス・CEステーション含む)、また23の海外子会社がある。

主力の高速カラープリンター「オルフィス」とデジタル印刷機「リソグラフ」は高速、低ランニングコストが特長で、世界中の学校、官公庁、オフィスで利用されている。

かつて長年ベストセラーを続けていた商品に家庭用製版用品「プリントゴッコ」があったが、2008年6月末をもって販売を終了した。なお、プリントゴッコの消耗品販売は2012年12月末まで続けられ、その後完全撤退となった。
社名・由来

創業者 羽山昇が陸軍少尉として終戦を迎え、復員後に進学した日本大学在学中に学費と生計費を捻出するために謄写版印刷業を始める際に、「日本がどうなってしまうか分からないときだから、人は理想を失ってはいけない。どんなときでも理想を貫いていこう」という思いから「理想社」と名付けた。1948年9月に「理想印刷社」と改めるが、1955年に解消して「株式会社理想科学研究所」を設立。1963年に現在の「理想科学工業株式会社」に改めた。
歴史
沿革

1946年9月2日、創業者 羽山昇が東京・世田谷若林の自宅に「理想社」の看板を掲げて謄写版印刷業を始めた。大学卒業後、孔版印刷一筋で仕事に専念し、1952年に業界で初めて英国製の電動タイプ印刷設備を輸入し、タイプ印刷の営業を始めた。当初、インクは輸入品を使っていたが供給不足になることもあり、インクの自社開発を開始。試行錯誤を経て、1954年に日本初のエマルジョンインク「RISO インク」が誕生し、これを機に印刷業からインクメーカーへの転換を図った。その後は、さらに改良を加えてインクが主力製品に成長する中、1961年にはタイプライターによる製版用「RISOタイプ原紙」を発売するなどそれ以外の商品も世に送り出していった。

1960年代後半にはハードウェア開発に力を注いだ。1966年に発表した赤外線による感熱式製版機「RISOファックス」は画期的な“5秒ファックス”として評判を集めた。1968年には、米国の大手企業と専用原紙「RISOマスター」のOEM契約を締結し、増産に向けて大規模な設備投資を行ったが急激に受注が減少。経営は破たん寸前の危機に陥った。苦境の中でも羽山昇は新技術開発の姿勢を貫き、閃光によるOHP(オーバーヘッドプロジェクター)フィルム作成機「RISO トラペンアップ」が完成。視聴覚資料作成機器として会社の危機を救う売れ行きを見せ、羽山昇は1973年に危機突破を宣言した。

1977年、家庭用簡易孔版印刷機「プリントゴッコ」を発売。「すべての家庭で親子一緒に印刷ゴッコを楽しんでほしい」という羽山昇の思いから開発されたこの商品は、大ヒット商品となった。

1980年、日本初のマイコン搭載自動孔版印刷機「リソグラフAP7200」とストロボ式感熱製版機「リソグラフ FX7200」を発売。続いて1984年に、製版・印刷一体型「リソグラフ007」を、1986年には孔版印刷の製版をデジタル化した「リソグラフ007デジタル」を発売。1990年代には、パーソナルコンピューターの普及と情報通信のネットワーク化というオフィス環境の変化に対応した「リソグラフFRシリーズ」などの新機種を開発。2000年には世界初の一体型・2色同時デジタル孔版印刷機「RISO V8000」を発売した。孔版印刷機の専業メーカーとして歩みを進めていたが、2003年にはオリンパス光学工業株式会社(現・オリンパス株式会社)と共同開発した、インクジェット方式による高速カラープリンター「オルフィス HC5000」を発売。インクジェット事業への進出を果たした。

インクジェット事業は順調に拡大していき、「オルフィスHC5000」の知見から得た技術を集約した「オルフィスXシリーズ」を2009年に発売すると、2011年にはオリンパス株式会社と協議のうえ合弁事業を終了。以後、インクジェット事業は理想科学工業株式会社の単独事業となり、2013年には「オルフィスEXシリーズ」を発売。多様化するユーザーの印刷ニーズに応えるための拡張性を強化し、またオプション機器としてフィニッシャーを充実させ、バリアブル印刷を活用した帳票・ダイレクトメールなどの作成・封入などさまざまな機能が付加できるようになった。2016年には「オルフィスFWシリーズ」と「オルフィスGDシリーズ」を発売。用途に合わせた2シリーズ化を果たしている。2020年には「オルフィスFWシリーズ」の後継機種「オルフィスFTシリーズ」、2021年には「オルフィスGDシリーズ」の後継機種「オルフィスGLシリーズ」を発売した。

2019年より、プロダクションプリンター市場向けの高速インクジェットプリンターの新ブランド「VALEZUS(バレザス)」を展開。「VALEZUS T2100」を北米と欧州で先行発売し、2021年からは、国内でも販売を開始した。2022年には「VALEZUS T2200」を発売した。

この間、「リソグラフ」も並行して新機種の開発が進められた。2004年に2色同時印刷機「リソグラフMZシリーズ」を発売すると、2010年にはその後継機として2色両面機「リソグラフMDシリーズ」を発売。2014年に発売した「リソグラフMEシリーズ」では、前シリーズを踏襲しつつユーザビリティーを向上させている。2016年には「リソグラフSFシリーズ」を、2017年には「リソグラフMFシリーズ」「リソグラフSF939/939G」を発売。基本性能を進化させ、画像品質と使いやすさを大幅に向上した。2021年には、写真分版機能やタブレットとのUSB接続機能を搭載した「リソグラフMHシリーズ」を発売した。

そして現在の主力事業は、このインクジェット事業と孔版事業からなる印刷機器事業である。

その他、スクリーン製版機の販売を主とするプリントクリエイト事業を行っており、2019年に、リソグラフと同じ孔版印刷の仕組みを生かした小型デジタルスクリーン製版機「MiScreen a4」を発売した。また、デジタルコミュニケーション事業部を立ち上げ、2021年には学校と保護者間の連絡手段をデジタル化する、スマートフォン用のアプリケーションを使った学校向けソリューションサービス「スクリレ」のサービスを開始した。
年表

1946年(昭和21年) 東京・世田谷区若林において謄写版印刷業を開始、理想社と称する

1948年(昭和23年) 理想印刷社と称する

1952年(昭和27年) 電動タイプ印刷設備を英国より輸入、タイプ印刷の営業を開始

1954年(昭和29年) 日本初のエマルジョンインク「RISOインク」を完成

1955年(昭和30年) 理想印刷社を解消し、株式会社理想科学研究所を設立

1958年(昭和33年) 謄写版印刷機「RISOグラフ」を発売

1967年(昭和42年) 「RISOファックスJF-7」を発売

1972年(昭和47年) 「RISOトラペンアップTU-230」、「RISOオーバーヘッドプロジェクター750」、「RISO TPロール」を発売


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