王 昌齢（おう しょうれい、698年 - 755年）は、中国唐代中期の詩人。字は少伯。就任した官職の地名から、王江寧、王竜標とも称せられる。
目次

1 経歴

2 詩

3 注釈

4 伝記資料

5 参考文献

経歴

京兆府長安に生まれた[1]。開元15年（727年）に進士となり、秘書省の校書郎から開元22年（734年）に博学宏詞科に及第して��水の県尉となったが、奔放な生活ぶりで江寧（現在の江蘇省南京市江寧区）の丞・竜標（現在の湖南省懐化市?江県）の県尉に落とされた。その後、天宝14年（755年）、安禄山の乱の時に官を辞して故郷に帰るが、刺史の閭丘暁に憎まれて殺された。

後に閭丘暁は、安禄山軍の侵攻に対し、唐側の張巡を救援しなかった罪で、唐の張鎬に杖殺された。この時、閭丘暁は「親がいるので、命を助けて欲しい」と言ったが、張鎬は、「王昌齢の親は誰に養ってもらえばいいのか？」と反論し、閭丘暁は押し黙ったと伝えられる。
詩 『西宮夜静百花香 欲捲珠簾春恨長 斜抱雲和深見月 朧々樹色隠照陽』（月岡芳年『月百姿』）王昌齢の詩をもとにした浮世絵

ウィキクォートに王昌齢に関する引用句集があります。

当時は「詩家の天子」とも呼ばれ、高適・王之渙と交遊があった。七言絶句に特に優れ、辺塞詩に佳作が多いとされる。閨怨詩・送別詩にも詩才を発揮した。「詩緒密にして思い清し」という評がある。詩集5巻。詩論家としても『詩格』『詩中密旨』、『?昂楽府古今題解』、『続楽府古解題』がある。

西宮春怨
西宮夜静百花香　西宮夜静かにして百花香り
欲捲珠簾春恨長　珠簾を捲かんと欲すれば春恨長し
斜抱雲和深見月　斜めに雲和（うんか、瑟）を抱いて深く月を見れば
朦朧樹色隠昭陽　朦朧たる樹色に昭陽宮を隠す

西宮秋怨
芙蓉不及美人粧　芙蓉は美人の装いに及ばず
水殿風来珠翠香　水殿に風来たりて珠翠香し
却恨含情掩秋扇　却って恨む　情を含んで秋扇を掩（おお）い
空懸明月待君王　空しく明月を懸けて君王を待つ

注釈^ 太原郡晋陽県の本貫とする説、琅邪郡臨沂県の本貫とする説がある。

伝記資料

『旧唐書』巻百九十 列伝第百四十下　文苑下「王昌齢伝」

『新唐書』巻二百二 列伝第百二十七　文芸中「孟浩然伝」

参考文献

前野直彬『唐詩選（下）』（岩波文庫、2000年、ISBN4003200934）

『東洋史辞典』（京都大学文学部東洋史研究室、東京創元社、1974年、ISBN 4488003109）「王昌齢」


更新日時:2019年6月25日(火)17:32
取得日時:2019/07/29 17:48