玄武_(ミサイル)
[Wikipedia|▼Menu]

玄武(ヒョンム、: ??)は、大韓民国(韓国)が開発した、一連の対地ミサイルのシリーズ名である。

韓国軍弾道ミサイルの「玄武-1」「玄武-2」シリーズと、巡航ミサイルの「玄武-3」シリーズを開発・配備している。

2016年韓国SBSの報道によると、韓国軍は既に玄武-2と玄武-3を合わせて800基保有しており、2017年までの第1次5ヶ年事業で2兆7千億ウォンを費やして900基追加生産して保有数を計1700基に倍増させ、さらに第2次5ヶ年事業で300基追加生産して、最終的に計2000基を配備する予定である。これにより、北朝鮮のミサイルと長距離砲戦力の70%を除去することができる時間が、従来の6日から1日に短縮できるという[1]

弾道ミサイルを含む韓国軍の全ての長距離ミサイルは、2006年に創設されたミサイル司令部の指揮下に置かれている。目次

1 玄武-1・玄武-2シリーズ

1.1 概要

1.2 玄武-2A

1.3 玄武-2B

1.4 玄武-2C

1.5 開発


2 玄武-3シリーズ

2.1 派生型


3 玄武-4シリーズ

4 脚注・参考文献

5 関連項目

6 外部リンク

玄武-1・玄武-2シリーズメディアを再生する 玄武-2発射
概要

NHK-2「玄武」(玄武-1)は、休戦状態にある北朝鮮への対抗を主目的にするとして開発された弾道ミサイルで、戦争再開時には北朝鮮の主要な拠点と飛行場への攻撃に使用される。このミサイルの運用部隊は平壌近郊までを射程に収められるように、北朝鮮との軍事境界線38度線)近くに配備されている。

このミサイルは設計上は核弾頭の搭載が可能になっているとされる。これは設計の基になったアメリカ製のナイキ ハーキュリーズから受け継がれた設計要件ではあるが、搭載が可能であっても韓国は核兵器を保有していないため、高性能火薬による通常弾頭を搭載している。老朽化した玄武-1はATACMS弾道ミサイルに代替されつつある。

玄武-2シリーズは、ロシアへのスパイ行為によって開発されたものと見られている(後述)。
玄武-2A

玄武-2Aは、射程は300km、サイロから発射される。

韓国軍合同参謀本部は、2004年の国会国防委員会国政監査において、「北朝鮮側の前方の某部隊などに、玄武-2Aが約100機以上実戦配備されている状態だ」と説明した[2]

長らく情報が公開されていなかったが、2017年9月5日の中国網は、「韓国軍、玄武-2Aミサイルの演習を実施」の記事で、TELから発射される玄武-2Aの写真を掲載した。その写真によると、玄武-2Aもロシアのイスカンデルに酷似した形状である。
玄武-2B

玄武-2Bは、ロシアの短距離弾道ミサイルであるイスカンデル(NATOコードネーム SS-26 ストーン)に形状が酷似している。

玄武-2Bは2009年末から実戦配備されている[3]

玄武-2Bは、射程は300kmもしくは500km、8輪の移動式装輪車(TEL)に一発搭載(ミサイルは直方体のキャニスターに格納)された垂直発射方式であるため、機動性と生存性が飛躍的に高まっており、慣性航法装置を搭載したことで誘導が容易で、固体燃料のため、即応性に優れる。音速の4倍で飛行し、弾頭の子?950個余りが目標の600mから1500m上空で爆発し、サッカー場3?4面の広さ(400 × 500m)に該当する地域を焦土化させることができるという。

そして2012年4月19日に、大韓民国国防部北朝鮮のミサイル発射実験への牽制として、玄武-3シリーズと玄武-2Bと見られるミサイルの発射と着弾シーンを収めた動画を公開した[4]。移動式装輪車から発射された後に30個ほどのテスト用子弾が標的の同心円状に着弾する様子が捉えられている。またこれ以前の報道とは違って射程は300kmとされ、軍関係者は「アメリカのATACMSより威力が強く、サッカー場数十面を焦土化できる」と主張している[5]
玄武-2C

2012年9月12日に金寛鎮国防部長官国会国防委員会に報告した国防中期計画(2013年-2017年)によると、期間中に2兆4000億ウォンを投じて900基の玄武-2を追加保有し、総計で1700基体制にする。これと精密誘導爆弾の増強計画を合わせると、24時間以内に北朝鮮ミサイルと長射程砲の70%を無力化することができるようになるという[6]

2017年4月6日、韓国軍関係者が、「国防科学研究所の安興試験場で、射程800qの弾道ミサイルの発射試験に成功した」と発表した。開発完了時点で正式名称が付与されるが、玄武-2Cの名称が有力であるとしている[7]。外観が玄武-2Bまでとは異なり、中央にボトルネックがあり、その上方に翼が追加されており、CEPを小さくし精密誘導することを目的としていると考えられる。

玄武-1・玄武-2モデル射程タイプ備考
玄武-1180 km弾道ミサイル-
玄武-2A300 kmサイロに格納
玄武-2B300 km(若しくは500km)移動式装輪車に搭載


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:33 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef