この記事は中立的な観点に基づく疑問が提出されているか、議論中です。そのため、中立的でない偏った観点から記事が構成されているおそれがあり、場合によっては記事の修正が必要です。議論はノートを参照してください。(2018年4月)
獣医学部(じゅういがくぶ、英: school of veterinary medicine)は、獣医学を専門とする大学の学部である。「獣医学部」は獣医師を養成するための「獣医学科」を表すことが一般的である。
獣医学に関する研究機関でもあり、動物の高度な専門診療を行う動物病院を併設する。 新制大学の獣医学教育(獣医学部・学科)の修業年限は、1947年(昭和22年)施行の学校教育法で4年(または4年以上)となった[1][2]。獣医師国家試験の受験資格は、1949年(昭和24年)制定の獣医師法で「正規の大学における獣医学の過程を4年以上修学」となった[1][2]。獣医師法が改正され、1978年(昭和53年)4月1日以降の入学者は「修士課程積上げ6年制」[3]とも俗称される「大学4年と大学院修士課程2年」計6年修学が獣医師国家試験の受験資格となった。1984年(昭和59年)3月卒業から6年修学者の受験が開始され、学校教育法の改正により同年4月1日入学者からは「修士課程積上げ6年制」から「獣医学部・学科6年制」に移行した。同年度入学者以降の受験資格も6年制獣医学部・学科卒に獣医師法が変更された[1][2]。新制大学発足当初から修業年限が実質的に6年だった医師・歯科医師[4]に続き、1978年(昭和53年)から獣医師も6年制となった。2006年より薬剤師も6年制となる。獣医師国家試験の受験資格が与えられない動物資源科学科、動物看護学科など4年制学科を設置する大学もある。 国内の獣医系大学は、国立大学法人10・公立大学法人1・私立6の17大学である。 大学獣医学部・学科の定員は国公立365名と私立700名の合計1065名で、入学試験倍率が高く[5]、合格者は概数で推薦入学を含む現役生34%、浪人生60%である[6]。 人間の医師は9割以上が臨床に進むが、獣医師で臨床に進む割合は約半数に留まる[7]。獣医師の約4割が就業する小動物診療(犬・猫・エキゾチック動物などの診療)のほか、家畜、競走馬など産業動物の診療、動物園や水族館での展示動物の診療などが進路に挙げられる。中でも、採用数が少ない日本中央競馬会(競走馬診療)、獣医師募集が不定期の動物園や水族館への就職は狭き門とされる。 人間の医師と異なり、獣医師の臨床研修制度は整備されていない。臨床に進む獣医師は就職先の動物病院や、大学附属の動物病院が個別に募集する研修医制度のもとで経験を積む。渡米して米国の専門医資格取得を目指す獣医師も、少数ながら存在する。 獣医師の約2 - 3割が進む。国家公務員と地方公務員の別がある。農林水産省所管の家畜衛生など農林水産分野、厚生労働省所管の食品・環境衛生、感染症対策など公衆衛生分野、の行政事務に従事し、狂犬病予防員、屠畜検査員など任用資格を必要とする業務を担当することもある。 獣医師の約1割は民間企業に就職する。食品会社や製薬会社からの求人が多く、研究・開発、品質管理、動物管理・実験などの業務に携わる。特に製薬会社では動物実験の業務の需要が高い。 公設や民間の大学、研究機関に進むものもいる。大学院博士課程(4年制)修了や、在職中に博士号を取得する社会人博士もいる。
概要
卒業後の進路詳細は「獣医師#臨床獣医師」を参照詳細は「獣医師#「診療をしない」獣医師」を参照
臨床獣医師
公務員獣医師(行政獣医師)
その他の獣医師
獣医学部(獣医学科)がある日本の大学
国立大学
北海道地方
帯広畜産大学(畜産学部共同獣医学課程。2012年度から北海道大学との共同教育課程に改組):単年度定員40名
北海道大学(獣医学部共同獣医学課程。2012年度から帯広畜産大学との共同教育課程に改組):同40名
東北地方
岩手大学(農学部共同獣医学科。獣医学科を2012年度から東京農工大学との共同学科に改組):同30名
関東地方
東京大学(農学部獣医学専修):同30名
東京農工大学(農学部共同獣医学科。獣医学科を2012年度から岩手大学との共同学科に改組):同35名
中部地方
岐阜大学(応用生物科学部獣医学課程。獣医学課程を2013年度から鳥取大学との共同学科に改組):同30名
中国地方
鳥取大学(農学部獣医学科。獣医学科を2013年度から岐阜大学との共同学科に改組):同35名
山口大学(共同獣医学部。農学部獣医学科を2012年度から鹿児島大学との共同学部に改組):同30名
九州地方
鹿児島大学(共同獣医学部。農学部獣医学科を2013年度から山口大学との共同学部に改組):同30名
宮崎大学(農学部獣医学科):同30名
公立大学
近畿地方
大阪公立大学(獣医学部獣医学科、2022年度より大阪府立大学生命環境科学域獣医学類から移行):同40名
私立大学
北海道地方
酪農学園大学(獣医学群獣医学類):同120名
東北地方
北里大学(獣医学部獣医学科、2007年度より獣医畜産学部獣医学科から名称変更、十和田キャンパス):同120名
関東地方
麻布大学(獣医学部獣医学科):同120名
日本大学(生物資源科学部獣医学科、1996年に農獣医学部獣医学科から名称変更):同120名
日本獣医生命科学大学(獣医学部獣医学科、2006年度より日本獣医畜産大学から名称変更):同80名
四国地方
岡山理科大学(獣医学部獣医学科、今治キャンパス):同140名
過去に獣医学部(獣医学科)があった日本の学校
陸軍獣医学校(前身の陸軍馬医学会が1877年に発足し、1893年に陸軍獣医学校が設立され、1945年に廃止された。)
宇都宮農林専門学校(1939年に宇都宮農林学校に獣医学科が設置された。
Size:40 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef