狼たちの午後
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狼たちの午後
Dog Day Afternoon
監督
シドニー・ルメット
脚本フランク・ピアソン
製作マーティン・ブレグマン
マーティン・エルファンド
出演者アル・パチーノ
ジョン・カザール
チャールズ・ダーニング
クリス・サランドン
撮影ヴィクター・J・ケンパー
編集デデ・アレン
配給ワーナー・ブラザース
公開 1975年9月21日
1976年3月6日
上映時間125分
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
興行収入 $50,000,000
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『狼たちの午後』(おおかみたちのごご、原題:Dog Day Afternoon)は、1975年製作のアメリカ映画シドニー・ルメット監督による犯罪映画。映画中で実在の銀行強盗犯を演じたアル・パチーノの演技が高く評価されている。原題の「Dog Day」は日本語で「盛夏」を意味する英語の熟語であり、邦題の「狼」とは関連性が無い。「Dog Day」の語源となった「おおいぬ座」のシリウスは、中国語で天狼と呼ばれることから「狼」の字をそこから借用し、インパクトのある邦題が生まれたのだと思われる。
概要銀行強盗事件の舞台となったチェース・マンハッタン銀行(1975年撮影)

1972年8月22日ニューヨークブルックリン区で発生した銀行強盗事件を題材にしている。事件を報道したライフ誌の記事を読んで感銘を受けたマーティン・ブレグマンが映画化を決意、フランク・ピアソンが脚本を執筆した。事件の犯人の容姿がアル・パチーノに似ていたため、パチーノが主演に選ばれたという[1]

監督には社会派ドラマの製作で名高いシドニー・ルメットが起用された。ルメットは通例役者に徹底したリハーサルを強いる監督であるが、本作品の殆どのシーンは役者たちのアドリブによって撮影されている。物語の設定では真夏だが、実際の映画撮影は秋頃に行われたのでスタッフは気候の問題に対処する必要に迫られた。役者たちは吐く息が白くならないように、口中に氷を含んで演技をした[1]

映画は1975年9月21日に公開され、全米で約5000万ドルの興行収入を挙げた[2]。本作品は批評家たちからも概ね好意的な評価を得た。映画の出演俳優たち、特に主演のアル・パチーノの迫真の演技は広く賞賛された。同年度のアカデミー賞作品賞を含む6部門にノミネートされ、そのうち脚本賞を受賞した。その他に英国アカデミー賞主演男優賞などを受賞。

映画中で銀行強盗犯がアッティカ刑務所暴動に言及して、群衆の前で官憲の横暴を批判するシーンがある。その時の台詞「アッティカ! アッティカ!」(原文:Attica! Attica!)は2005年アメリカン・フィルム・インスティチュートによって名台詞ベスト100中第86位に選出された。
ストーリー

うだるような暑さが続くニューヨーク市のブルックリン区、小さな銀行に三人の男が押し入った。その目的は金庫の金を強奪することにあったが、彼らはけっして冷徹な手練れとは言い難く、出だしからトラブルにも見舞われ、その杜撰な計画は早々に暗礁に乗り上げてしまう。まず仲間の一人が怖気づいて逃げ出し、残る二人でなんとか銀行の無血占拠には成功するものの、金庫を開くとあてにしていた大金は他に移された後で無く、しかも手間取っているうちに通報が行ったのか、あっという間に警官隊に現場を取り囲まれてしまった。そしてソニーとサルの2人は、人質を取って銀行に籠城するという最悪の選択肢を選ばざるを得なくなった。

ソニーは元銀行員で従業員の事情にも通じ、銃を手にしつつも手荒な手段を取ることを選ばない。もはや果たすべき目的も叶わず、唯一の望みは安全に脱出することしかない。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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