独島級揚陸艦
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独島級揚陸艦

基本情報
艦種強襲揚陸艦
運用者 大韓民国海軍
建造期間2002年 - 2018年
就役期間2007年 - 就役中
計画数3隻
建造数2隻
前級高峻峰級
次級最新
要目
基準排水量14,300トン
※2番艦は200トン増
満載排水量18,800トン
※2番艦は500トン増
全長185 m
最大幅32.0 m
吃水6.5 m
機関方式CODAD方式
主機斗山-ピルスティク 16PC2-5STC
ディーゼルエンジン×4基
推進器スクリュープロペラ×2軸
出力41,615 hp (30.6 MW)
速力22ノット
航続距離10,000海里(12kt巡航時)
乗員個艦要員448名+上陸部隊720名
兵装後述
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独島級揚陸艦(トクトきゅうようりくかん、: ??? ?????、: Dokdo-class amphibious assault ship)は、韓国海軍強襲揚陸艦の艦級。計画名はLPX。揚陸艦であると同時に、水陸両用作戦戦争以外の軍事作戦指揮艦としての活動も想定されている[1]

アメリカ海軍協会(USNI)ではヘリコプター揚陸艦(LPH)[1]ジェーン海軍年鑑ではドック型輸送揚陸艦(LPD)として種別されている[2]目次

1 来歴

2 設計

3 能力

3.1 航空運用機能

3.2 輸送揚陸機能

3.3 個艦防御機能


4 同型艦

4.1 一覧表

4.2 輸出

4.3 発展型


5 脚注

5.1 出典


6 参考文献

7 関連項目

8 外部リンク

来歴

韓国海軍は、1990年代を通じた兵力整備の結果、創設以来の北朝鮮海軍に対する抑止力を堅持しつつ、外洋作戦能力の基礎を確立した。また韓国の経済成長によって北朝鮮を大きく引き離した結果、核兵器や突発的事案を除けば、「本格的な北の南侵能力は極めて低い」あるいは「これを確実に阻止しうる」との戦略的見積もりがなされるに至った[3]

1995年4月1日、安炳泰大将が第24代海軍参謀総長に就任するにあたり、「外洋海軍建設準備」を要望事項とした。外洋海軍として活動するためには、機動部隊の指揮・統制や3次元的な水陸両用作戦、海上航空作戦の支援能力を備えた艦船が必要と考えられた[4]

海軍は、多目的揚陸艦(大型輸送艦)をこの任に充てることとして、1996年には合同参謀会議で建造計画が承認された。1997年には作戦要求性能(ROC)が確定し、1999年より韓進重工業で基本設計が行われ、2002年より建造が開始された[4]
設計

設計にあたっては、インヴィンシブル級航空母艦を手掛けたBAeSEMA社の協力を受けており、国内で初めてシミュレーションベースの設計技術を適用した。これは、コンピュータ・シミュレーションによって実際の建造前に問題点を分析・改善する科学的な方法であり、乗組員・上陸部隊の移動経路や各区画の配置、施設運用などのシミュレーションを適用して、最適の設計を導出した[4]

本級は上甲板(第1甲板)を全通させた、いわゆる全通甲板型の艦型を採用している。船体は3層の甲板から構成されており、第2甲板はギャラリデッキとして、おおむね司令部区画と居住区画で占められている。その下は第3・4甲板と甲板2層分の高さを確保し、前部から艦尾まで全通した車両甲板兼格納庫とされている。またその最後部は、さらに1甲板低いレベルのウェルドックとされている[5]

主機関としては、SEMT ピルスティク製の16PC2.5STC中速ディーゼルエンジン斗山重工業によるライセンス生産機)4基を2基ずつ2軸に配したCODAD方式が採用されている[2]。機械室は前後2区画にシフト配置とされていると考えられている[5]。また揚陸艦としては珍しくフィンスタビライザーを装備して、航行しながらの機動揚陸戦に対応している[6]

電源としては、主発電機4基を搭載している[7]2013年9月10日には、発電機室の火災により主発電機1基が故障、その消火用水をかぶったため残る1基も故障し、航行不能になるという事故が発生した。また後の調査で、本来4基あった主発電機のうち2基が4月の浸水事故で故障して陸揚げされており、残った2基のみで運用が継続されてきたことが判明した[7]

2015年、光復70周年の航海行事に向けて島根県竹島(朝鮮名:独島)周辺海上に派遣される予定であったが、プロペラ(スクリュー)故障が発生し修理を施すことになったため、この派遣が中止されていたことがわかった。韓国国会国防常任委員会委員の金寛鎮議員が同年9月20日に明らかにした。同議員は「艦艇管理が不十分だったために独島艦の投入が取り消しになったのは呆れることだ」と述べている[8]
能力
航空運用機能

上甲板(第1甲板)は全通飛行甲板とされており、CH-53級の大型ヘリコプターでも発着可能な強度が確保されている[9]。甲板上には5つの発着スポットが設けられている[5]

なお、甲板には垂直/短距離離着陸機の運用に必要な耐熱対策が施されていることから、将来的にはその運用が想定されているとの説もあり、可搬式のスキージャンプを設置すればF-35B戦闘機の運用にも対応可能とも称されるが、艦型が小さいために滑走距離を取りにくく、またスキージャンプを設置するとヘリコプターの運用能力が低下することもあって、その有効性には疑問が呈されており、実際的な検討には至っていない[9]

エレベーターは前後に2基が設けられている。いずれもインボード式で、上甲板(第1甲板)と第3甲板を連絡しており、前部エレベータ(力量19トン)は格納庫内に、後部エレベータはウェルドック内に降りる。格納庫としては、第3甲板前方に汎用ヘリコプターCH-60リンクスなど)2, 3機分のスペースが確保されている。


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