「The Dark Side of the Moon」はこの項目へ転送されています。「The Dark Side of the Moo」を原題とする「ザ・ダーク・サイド・オブ・ザ・ムー」とは異なります。
『狂気』
ピンク・フロイド の スタジオ・アルバム
リリース1973年3月1日
録音
1972年5月31日 - 1973年2月9日[1]
EMIレコーディング・スタジオ
ジャンルプログレッシヴ・ロック / サイケデリック・ロック
時間42:52
レーベルハーヴェスト
EMI(再発盤)
ハーヴェスト/キャピトル
キャピトル(再発盤)
プロデュースピンク・フロイド
専門評論家によるレビュー
Allmusic link
雲の影
(1972年)狂気
(1973年)炎?あなたがここにいてほしい
(1975年)
ミュージックビデオ
「Money」 - YouTube
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『狂気』(きょうき、The Dark Side of the Moon)は、1973年に発表されたピンク・フロイドの8作目のスタジオ・アルバム。このアルバムは売り上げ5000万枚以上を記録し、世界で最も売れたアルバムの一つとなった。 1973年に発表されるや全世界で大ヒットを記録し、日本においてもオリコンチャートで最高2位まで上昇した。ピンク・フロイドの作品の中でも、『ザ・ウォール』(1979年)や『炎?あなたがここにいてほしい』(1975年)と並ぶ代表作である。また、本作(とりわけ、シングルカットされた「マネー」のヒット)をきっかけにアメリカでの人気が決定的となった。 コンセプト・アルバムの代表作としても名高い作品である。このアルバム以降、ロジャー・ウォーターズが全作詞を手掛けるようになり、バンド内でのバランスに大きな変化が生まれたという点でも、重大な意味を持つ作品となった。人間の内面に潜む「狂気」(The Dark Side of the Moon)を描き出すというコンセプトを考案したのもウォーターズである。 2006年に発表された「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・ベストアルバム500」では第43位にランクインしている。 ウォーターズによる哲学的な歌詞に加え、それを際立たせる立体的な音作りで、完成度の高い作品に仕上がっている。特に、アラン・パーソンズが編集したSE(効果音)の巧みな使い方によって、うまくストーリーを演出している。笑い声、会話、爆発音、振り子時計の音、飛行機のSEやレジスター、心臓の鼓動(実際はニック・メイスンのドラムス)などが随所で使われている。当時はサンプラーが無かったため、録音した音をひとつひとつテープに貼り付けるという原始的な手法で組み立てられた。パーソンズによれば、「マネー」の冒頭で聴かれるレジスターの音は編集に30日を要したという[注釈 1]。なお、再発盤にはミックスが異なるものが存在するが「走り回って」の笑い声などは違いがわかりやすい一例である。 アルバムの最初から最後まで曲と曲がつながっており、複数の曲があたかもひとつの作品のようになっているという点が本作の特色のひとつである。レコード時代のA面・B面の区切りである「虚空のスキャット」と「マネー」の間だけは、いったん音が途切れている。その中で主人公の誕生から苦悩、葛藤などを描き出している。この主人公には、「狂気」の人となってしまったシド・バレットの姿も重ねられていると言われている。 エンディングでは、Gerry O'Driscollによる「There is no dark side of the moon really. Matter of fact it's all dark(本当は月の暗い側なんて存在しない。実のところ、すべてが闇そのものだから)」という台詞[注釈 2]が入っている[注釈 3]。 本作はアメリカ・ビルボードのBillboard 200において1973年4月28日付けで1位を獲得[5]、ピンク・フロイドにとっては初の全米チャートでの1位獲得となった。 また、Billboard 200に15年間(741週連続)にわたってランクインし続け、さらにカタログチャート[注釈 4]では30年以上(1,630週以上)に渡ってランクインするというロングセラーのギネス記録を打ち立てた歴史的なアルバムである。キャッシュボックスでは233週。全英オフィシャルチャートでも551週にわたってランクインしている[6]。 なお、2003年11月22日付より試験的に開始され、2004年1月3日付よりレギュラー化された「Billboard Comprehensive Albums Chart」(カタログに載った作品もチャートインさせる総合アルバムチャート)でもランクインしている。2009年12月5日付のビルボード・チャートより、「カタログに載った作品はBillboard 200にチャートインさせない」という制限が撤廃された(同時に「Billboard Comprehensive Albums Chart」は廃止された)。その翌週には早速189位で再ランクインしており、それまで741週とされていた記録が更新され、現在も記録を更新中である(2014年12月27日付では890週チャートインとなっている[7])。 本国イギリスでは、オフィシャル・チャート(OCC)で最高2位(1973年3月31日付)だったが、ニュー・ミュージカル・エクスプレス(NME)では最高1位(1973年4月7日付)となっている。OCCのデータでは、2011年までに410万枚以上を売り上げており、イギリスにおけるアルバム売上枚数では歴代8位の記録となっている[8]。 アメリカではRIAAが1973年度最大の売上があったアルバムに認定しており[9]、通算1,500万枚の出荷が認定されている。全世界での売上枚数は5,000万枚とされている。ただし、まだ売上枚数計測のシステムが整っていない時期に発売されたため、それを上回っている可能性がある。 メンバー4人以外にも、ゲスト・ミュージシャンが起用された。
概要
構成
セールスと記録
客演
「マネー」と「アス・アンド・ゼム」でサックスを演奏したのはディック・パリー。
「虚空のスキャット」他でスキャットを担当したのはクレア・トリー
「タイム」他で女性コーラスを担当したのはドリス・トロイ、レスリー・ダンカン、ライザ・ストライク、バリー・セント・ジョンの4人。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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