犯罪報道
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犯罪報道(はんざいほうどう)は、犯罪報道のこと。

犯罪は人命や財産が関わるだけに市民の一大関心事であり、報道では特に力が入れられている分野である[1]日本マスコミは、「サツ周り」といって、新人記者警察記者クラブに配属して取材の仕方を学ばせるところが多い[2][3]
目次

1 犯罪報道の目的

2 日本における犯罪報道

2.1 歴史

2.2 犯罪報道の弊害

2.3 現状

2.4 日本における犯罪のリアルタイム報道

2.5 裁判員制度と犯罪報道

2.6 諸外国との違い


3 欧米における犯罪報道

3.1 アメリカとイギリス

3.2 スウェーデン


4 韓国における犯罪報道

5 脚注

5.1 注釈

5.2 出典


6 参考文献

7 関連項目

犯罪報道の目的

犯罪報道は市民が犯罪を知る上で重要な役割を果たしている[4]。2004年9月に内閣府から発表された「治安に関する世論調査」では、治安に関心をもったきっかけとして、「テレビや新聞でよく取り上げられるから」と回答した者が83.9%と最も多く、2位の「家族や友人との会話で話題になったから」の30.0%を大きく引き離している[5][4]

犯罪報道には、捜査機関からの発表や裁判から犯罪の原因を分析し、犯罪が二度と起こらないよう提言する再発防止の目的がある。テレビが犯罪報道を行う目的は、犯罪を生んだ背景を考え、その原因を個人の「心の闇」に帰すのではなく、自分たちと地続きなものととらえ、社会を考える材料にするためだろうという指摘がある[6][7]

また、犯罪者の実名や生い立ち、犯行内容を報道することによって犯罪者に社会的制裁を加え、再犯予防を図る特別予防効果がある[8]。犯罪報道は司法に先立って社会的制裁を加えるためにあるのではないと指摘もある。司法は犯罪を個人の責任と考えるのに対して、ジャーナリズムは社会により責任を見出そうとするからである[6][7]
犯罪の一般予防効果
犯罪者の実名や生い立ち、量刑を報道することによって、市民に対して犯罪を起こすことが割りの合わないことだということを周知する[9]
公権力の監視
捜査機関が適正に捜査し、被疑者人権が守られているかどうか監視する[10][9]
犯人逮捕への協力
逃亡中の犯人について報道することによって、逮捕への市民の協力を求める。
犯罪被害者の救済
犯罪被害者の苦しみを取り上げることにより、犯罪被害者への救済措置や厳罰化を実現する。

なお、犯罪報道では報道が犯罪の背景を対象とする客観的分析には向かわず、犯罪事実とは直接関係のない周辺的事実の報道によって特殊ケースとして扱われる傾向があるという指摘がある[11]
日本における犯罪報道
歴史

昭和30年代後半から日本経済が成長期に入ると新聞の広告料も増大し、広告の消化と開発の急な首都圏読者の獲得のために新聞各社は増ページを行うようになった。増ページの中心は社会面だった[12]。社会面の拡充によって犯罪報道競争が激化するようになった。いわゆる「書き得」や「載せ得」の傾向が見られるようになり、悪は悪でなければならぬ、被害者はあくまで悲劇的でなければならないといったアクセルを踏んだままの制動の効かない鋭角筆法が主流を占め、残虐さ、悲惨さを競う風潮が広まるようになった[13]

1984年1月19日、『週刊文春』が「疑惑の銃弾」という1981年11月18日に発生したロス銃撃事件の疑惑を追及した記事を掲載。他のマスコミも追随して、事件の被疑者であった三浦和義に対して常軌を逸した過熱取材が繰り広げられることとなった[14]。三浦は名誉毀損でマスコミ各社を訴えてそのほとんどで訴えが認められた。

1984年9月には当時共同通信社記者だった浅野健一が『犯罪報道の犯罪』を発表し、実名報道、犯人視報道といった日本の犯罪報道のあり方を批判して一石を投じた。
犯罪報道の弊害

報道機関は営利企業のため、社会的に注目されやすい凶悪犯罪に集中して報道する傾向がある[15]


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