特攻
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1945年4月11日、アメリカ海軍戦艦ミズーリに突入直前の神風特別攻撃隊第5建武隊の零式艦上戦闘機(石野節雄二飛曹搭乗)。1945年4月12日、知覧陸軍飛行場より出撃する陸軍特別攻撃隊第20振武隊の一式戦闘機「隼」穴沢利夫少尉搭乗)と、それを見送る知覧町立高等女学校(現鹿児島県立薩南工業高等学校)「なでしこ隊」の女学生達アメリカ合衆国コーパスクリスティの空母レキシントン博物館。レキシントンが1944年11月5日に受けた特攻の説明(旭日旗の箇所に特攻機が命中。)

特別攻撃隊(とくべつこうげきたい、.mw-parser-output .lang-ja-serif{font-family:YuMincho,"Yu Mincho","ヒラギノ明朝","Noto Serif JP","Noto Sans CJK JP",serif}.mw-parser-output .lang-ja-sans{font-family:YuGothic,"Yu Gothic","ヒラギノ角ゴ","Noto Sans CJK JP",sans-serif}旧字体:特別攻?隊󠄁)は、決死の任務を行う部隊[1]。略称は「特攻隊」(とっこうたい、旧字体:特攻隊󠄁)[2]

当記事では攻撃自体を指す特別攻撃(とくべつこうげき)およびその略称の特攻(とっこう)についても述べる。
定義

特別攻撃隊は多様な形態があり、定義も様々である。

語源は太平洋戦争の緒戦に日本海軍によって編成された特殊潜航艇「甲標的」の部隊に命名された「特別攻撃隊」の造語からであり[3]、これは一応の生還方法を講じた決死的作戦であった[1]。また、組織的な戦死前提の特別攻撃を任務とした部隊を意味するものとし[4]大西滝治郎中将第一航空艦隊司令長官)の命令によって1944年10月20日に編成された神風特別攻撃隊が最初と見なすものもある[2]

特攻は「体当たり攻撃」とも呼称される[5]。航空機による特攻を「航空特攻」[6]回天震洋のような特攻兵器による特攻を「水中特攻」「水上特攻」と呼ぶこともある[7]。沖縄の敵中に突入作戦を行った水上部隊は「海上特攻隊」と命名されている[8]。敵軍基地に強行着陸して爆撃機の破壊や搭乗員の殺傷を行う空挺隊は空挺特攻隊と呼ばれる[9]。爆装体当り攻撃でなくとも、必死の攻撃と認められれば、未帰還後に特攻隊として認定されたケースもある[10]。日本海軍が定めた神風特別攻撃隊の場合は、戦死前提の爆装体当たり攻撃隊の他に掩護、戦果確認の部隊も含めた攻撃隊を意味する[11]第二次世界大戦末期の独空軍におけるゾンダーコマンド・エルベのような海外の体当たり攻撃部隊を特攻隊と呼称することもある。
歴史
戦死前提以前
日本海軍
決死の特攻

日露戦争旅順閉塞隊[12] や、第一次世界大戦青島の戦いで、会前岬(灰泉角)砲台に設置された24cmや15cmのドイツ軍要塞砲に対して、モーリス・ファルマン水上機により飛行将校の山本順平中尉が体当たりを志願するなど(実現せず)[13]、特攻的決死戦法思想は古くからあったが、最高指揮官は攻撃後の生還収容方策手段を講じられる時のみ計画、命令したものであり、1944年10月以降に行われた特攻作戦とは本質的に異なる[14]

1934年(昭和9年)、第二次ロンドン海軍軍縮会議の予備交渉において日本側代表の一人山本五十六少将(太平洋戦争時の連合艦隊司令長官)は新聞記者に対し「僕が海軍にいる間は、飛行機の体当たり戦術を断行する」「艦長が艦と運命を共にするなら、飛行機も同じだ」と語った[15]

1941年(昭和16年)12月の真珠湾攻撃で出撃した甲標的の部隊が「特別攻撃隊」と命名され、後日広く報道された[16]。1941年11月11日、第六艦隊において、首席参謀松村寛治中佐の発案で、長官の清水光美中将が命名した。清水によれば「日露戦争のときは決死隊とか閉塞隊という名も使われたが、特殊潜航艇の場合は連合艦隊司令長官も慎重検討の結果成功の算あり収容の方策もまた講じ得ると認めて志願者の熱意を受け入れたのだからということで、決死等という言葉は避け特別攻撃隊と称することに決まった。」とのことであった[17]。その後も甲標的による特別攻撃隊は、1942年4月に「第2次特別攻撃隊」が編成され、オーストラリアシドニー湾マダガスカル島ディエゴ・スアレス港への攻撃が行われ、タンカーと宿泊艦を撃沈し戦艦ラミリーズを損傷させた[18]


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