特定少年
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この項目では、日本の法律について説明しています。少年法に基づく非行少年の処遇決定手続については「少年保護手続」を、各国の法制度については「少年法制」をご覧ください。
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この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

少年法

日本の法令
法令番号昭和23年法律第168号
種類刑事訴訟法
効力現行法
成立1948年7月5日
公布1948年7月15日
施行1949年1月1日
所管(法務庁→)
(法務府→)
法務省
[検務局→刑事局/少年矯正局→矯正保護局→矯正局
主な内容少年の保護更生
関連法令刑事訴訟法刑法少年審判規則少年院法
条文リンク少年法 - e-Gov法令検索
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少年法(しょうねんほう、昭和23年7月15日法律第168号)は、少年保護手続に関する法律で、刑事訴訟法に対する特別法である。
主務官庁
主所管


法務省刑事局刑事課

法務省刑事局刑事法制管理官職

副所管


法務省矯正局少年矯正課 - 保護処分(少年院送致)のみ担当

連携


法務省保護局更生保護振興課

警察庁生活安全局人身安全少年課

警察庁刑事局組織犯罪対策部

こども家庭庁支援局虐待防止対策課

こども家庭庁成育局安全対策課

文部科学省初等中等教育局児童生徒課

構成

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 少年の保護事件

第1節 通則(第3条 - 第5条の3)

第2節 通告、警察官の調査等(第6条・第7条)

第3節 調査及び審判(第8条 - 第31条の2)

第4節 抗告(第32条 - 第39条)


第3章 少年の刑事事件

第1節 通則(第40条)

第2節 手続(第41条 - 第50条)

第3節 処分(第51条 - 第60条)


第4章 記事等の掲載の禁止(第61条)

第5章 特定少年の特例

第1節 保護事件の特例(第62条 - 第66条)

第2節 刑事事件の特例(第67条)

第3節 記事等の掲載の禁止の特例(第68条)


附則

概要

非行少年に対する行政機関による保護処分について定めた1922年(大正11年)に制定された旧少年法(大正11年法律42号)を、戦後GHQの指導のもとに全部改正し、米国イリノイ州シカゴ少年犯罪法に倣い成立した。

少年法では未成年者には大人同様の刑事処分を下すのではなく、原則として家庭裁判所により保護更生のための処置を下すことを規定する。ただし、家庭裁判所の判断により検察逆送し刑事裁判に付すこともできるが、その場合においても不定期刑量刑の緩和など様々な配慮を規定している(第51条、第52条、第58条、第59条、第60条等。少年保護手続の項目も参照)。なお、少年に対してこのような規定をおくのは、未成年者の人格の可塑性に着目しているためとされている。
年齢別の処遇および刑罰の適用関係

年齢少年法適用少年院送致刑事責任刑事裁判刑罰備考
0 - 10歳○×××刑事責任年齢に達していないため、刑罰は受けない。
11 - 13歳○○××@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}被害者が死亡した故意犯(殺人、強盗殺人、傷害致死)については
少年院送致となる。[要出典]
14 - 15歳○○△△第51条により、死刑を科すべきであるときは、代わりに無期刑を科さなければならない。

同条により、無期刑を科すべきであるときは、代わりに10年以上20年以下の有期の懲役又は禁固刑を科すことができるが、大人と同様に処罰することもできる。第52条により、判決時も少年であれば、有期刑は不定期刑が適用される。家庭裁判所は禁錮以上の罪につき「刑事処分が相当」と判断した少年を検察官に送致(逆送)することができる。
16 - 17歳○○○△家庭裁判所は禁錮以上の罪につき「刑事処分が相当」と判断した少年を検察官に送致(逆送)することができる。被害者が死亡した故意犯については原則として送致する。
18 - 19歳○○(虞犯は除く)○△死刑、無期刑相当の場合は、量刑の緩和措置は定められておらず、大人と同様に処罰される。

児童の権利に関する条約第37条により18歳未満の児童は死刑および絶対終身刑から保護されると規定されており、日本はこれを批准している。ただし、同第37条C項は留保している。また、同条約を引用している北京規則では、同条の規定等は全ての少年および若年の成人に対しても生かされなければならないと規定されている。

ただし、これらの条約は国内の刑事裁判手続を直接法的に規律するものではない。光市母子殺害事件の2006年の最高裁判決以降、北京規則の規定は遵守されていない。ただし、同事件の第2次上告審反対意見ではこれに対する批判がある。
対象年齢

2000年(平成12年)改正で、刑事処分の可能年齢が「16歳以上」から「14歳以上」となった[1]

2007年(平成19年)改正で、少年院送致の対象年齢は「おおむね12歳以上」となった。法務省は「おおむね」の幅を「1歳程度」とするため、11歳の者も少年院収容の可能性がある[1]

本法でいう「少年」とは20歳に満たない者を、「成人」とは満20歳以上の者をいい(第2条第1項)、性別は無関係である。国民投票の年齢を「18歳以上」とする国民投票法が2014年(平成26年)6月に、選挙権年齢を「18歳以上」へと引き下げる公職選挙法改正案が2015年(平成27年)6月に成立した。これを受け、法制審議会で少年法適用年齢を「20歳未満」から「18歳未満」への引き下げが検討されていたが裁判官や少年院関係者からの強い反対署名運動があり、据え置きとなった[2]
刑期上限

犯罪を犯した時に18歳未満であった少年の量刑に関して、第51条第1項は、死刑をもって処断すべき場合は無期刑にしなければ「ならない」とする。そして、同条第2項は、無期刑をもって処断すべき場合でも、20年以下の有期刑にすることが「できる」とする。2014年(平成26年)の改正で無期懲役に代わって言い渡せる有期懲役の上限が20年以下に、不定期刑も「10年 - 15年」に引き上げとなった[3][4]。(第186回国会、可決日:2014年〈平成26年〉4月11日、公布日:2014年〈平成26年〉4月18日、施行日:2014年〈平成26年〉5月7日)[3]
処分・科刑の状況

少年法で定められる少年への処分内容には次のようなものがある。少年審判を開かずに事件を終結させる審判不開始、審判を開いたうえで教育的指導により事件で終結させる不処分、審判での保護処分、刑事事件処分が相当として事件を検察官に送り返す検察官送致、児童福祉機関に送る児童相談所長等送致。以上のように、少年法では幅広い処分内容が定められている。また、審判による保護処分にも幅広い種類があり一端を示すと、少年院に収容する少年院送致、児童養護施設等に収容して指導を行う児童養護施設送致、在宅のまま保護観察官らによって監督指導を行う保護観察がある。令和元年司法統計年報によると、各処分の比率は以下のとおりである[5]

不処分-9,713件(23.4%)

審判不開始-14,801件(35.6%)

保護処分-13,643件(33.8%)

少年院送致-1,739件(4.2%)

児童自立支援施設等送致-137件(0.3%)

保護観察-11,767件(28.3%)


児童相談所長等送致-115件(0.3%)

検察官逆送-3,281件(7.9%)

年超検送[注釈 1]-1,288件(3.1%)

検察官逆送-1,994件(4.8%)


国民・市民の義務
非行少年発見者の通告義務

家庭裁判所の審判に付すべき少年を発見した者は、これを家庭裁判所に通告しなければならない。(第6条第1項)

ここで「家庭裁判所の審判に付すべき少年」とは第3条第1項に規定される以下の者である。
罪を犯した少年(※刑事責任が問われうる14歳以上で刑罰法令に触れる行為をした少年)(第3条第1項第1号)

14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年(第3条第1項第2号)(※罪を犯した少年が14歳未満の場合は、
児童福祉法第25条第1項より、児童相談所に対しても通告を行うことになる。)

18歳に満たないで次に掲げる事由があって、その性格または環境に照して、将来、罪を犯し、または刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年(第3条第1項第3号)
保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。(第3条第1項第1号イ)

正当の理由がなく家庭に寄り附かないこと。(第3条第1項第1号ロ)

犯罪性のある人もしくは不道徳な人と交際し、またはいかがわしい場所に出入すること。(第3条第1項第1号ハ)

自己または他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。(第3条第1項1第号ニ)

ただし、14歳に満たない少年(触法少年)の場合は、法第3条第2項の規程により、審判は都道府県知事または児童相談所長から送致を受けたときに限り行われる。
報道規制
規制の内容「実名報道」も参照

少年法は、「少年」に関する情報の取り扱いを以下のように規定している。

「家庭裁判所の審判に付された少年または少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。」

?少年法 第六十一条(記事等の掲載の禁止)[6]

少年法が実名報道を禁止するのは、あくまで、家庭裁判所の審判に付された少年または少年のとき犯した罪により公訴を提起された者についてであり、指名手配者や逮捕者は含まれない。また、「本人であることを推知することができる」というのは、不特定多数の一般人にとって推知可能なことをさし、事件関係者や近隣住民にとって推知可能なことをさすものではない[7]。規制対象は出版社等によるテレビ・ラジオ・新聞等における報道に限られず、個人によるインターネットへの実名掲載も規制の対象となる[8]

マスコミは原則的に、実名報道が禁止されていない場合でも、自主規制を行い匿名で報道する。ただし、永山則夫連続射殺事件など例外も存在する(事件の重大性に鑑みて、実名公表された)。

民法改正により、成人年齢が18歳になるのに伴い、2021年5月21日(第204回国会)に成立した改正少年法では、18歳、19歳を「特定少年」とし、公判廷において起訴された事案については、起訴後に実名報道が解禁されることとなった(2022年4月1日施行)[9][10][11][12]。詳細は「#少年法の歴史と主な改正」を参照
違法な推知報道に関する法的責任

少年事件に関する推知報道をした者は、個別具体的な事情により、少年の名誉・プライバシーを侵害するものとして民法上の不法行為責任を負う可能性がある(最高裁平成15年3月14日第二小法廷判決[注釈 2])。同最判および差戻審の分析からは、少年法第61条に違反する推知報道は、名誉毀損やプライバシー侵害の成否の判断にあたっても違法性阻却がされないことになると考えられる[13]
歴史と主な改正

旧少年法(大正11年法律42号)の下では少年の定義は18歳未満(第一条)、死刑適用限界年齢は16歳以上(第七条)
[注釈 3]といずれも2歳低かった[14]。また、戦時中は戦時刑事特別法があり、少年法上の少年であっても裁判上は少年扱いせずに裁くことも可能だった。


現行少年法は1947年(昭和23年)、GHQの指導の下、米国イリノイ州シカゴ少年犯罪法を模範として制定された。当時は第二次大戦後の混乱期であり、食料が不足する中、生きていくために窃盗や強盗などをする孤児などの少年が激増し、また成人の犯罪に巻き込まれる事案も多く、また性犯罪も激増している。これらの非行少年を保護し、再教育するために制定されたものであって、少年事件の解明や、犯人に刑罰を加えることを目的としたものではなかった[15]


1970年(昭和45年)、法務省は法制審議会に対し、18歳と19歳を「青年」と規定して犯罪を犯した際の処罰を強化することを盛り込んだ少年法改正要綱を諮問したが[16]、法改正には至らなかった。


2000年(平成12年):刑事処分の可能年齢が「16歳以上」から「14歳以上」に引き下げられた。また、16歳以上の少年が故意の犯罪行為で被害者を死亡させたときは、検察官への逆送が原則となった[4]


2007年(平成19年):少年犯罪の凶悪化や低年齢化に対応するため、少年院送致の年齢下限が現行の14歳以上から「おおむね12歳以上」に引き下げられた[17]。警察官が触法少年の疑いがある者を発見した場合の任意調査権を明文化し、少年や保護者を呼び出して質問できる権限を明記[17]


2008年(平成20年):2004年(平成16年)に成立した犯罪被害者等基本法と整合性をとるため、殺人事件等一定の重大事件において少年の心身に影響がないと判断された場合、被害者が少年審判の傍聴をできる制度が創設された[18]
あわせて、家庭裁判所が被害者等に対し審判の状況を説明する制度が創設された[18]


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