この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。
特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律
日本の法令
通称・略称外来生物法、外来種被害防止法
法令番号平成16年法律第78号
種類環境法
効力現行法
成立2004年5月27日
公布2004年6月2日
施行2005年6月1日
所管環境省[自然環境局]
主な内容外来生物の輸入規制など
関連法令動物愛護法、鳥獣保護法
条文リンクe-Gov法令検索
特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(とくていがいらいせいぶつによるせいたいけいとうにかかるひがいのぼうしにかんするほうりつ)は、外来生物の規制および防除に関する日本の法律である。法令番号は平成16年法律第78号、2004年(平成16年)6月2日に公布され、2005年(平成17年)6月1日に施行された。外来生物法、外来種被害防止法などと略される。 外来生物法(がいらいせいぶつほう)[1]、特定外来生物被害防止法(とくていがいらいせいぶつひがいぼうしほう)[2]と通称される。 日本在来の生物を捕食したり、これらと競合したりして、生態系を損ねたり、人の生命・身体、農林水産業に被害を与えたりする、あるいはそうするおそれのある外来生物による被害を防止するために、それらを「特定外来生物」等として指定し、その飼養、栽培、保管、運搬、輸入等について規制を行うとともに、必要に応じて国や自治体が野外等の外来生物の防除を行うことを定める。 この法律では、生態系、人の生命・身体、農林水産業に被害を及ぼしたり及ぼすおそれのある外来生物(侵略的外来種)の中から、規制・防除の対象とするものを、「特定外来生物」として指定する。その指定は、学者などの意見を聞いた上で、主務大臣である環境大臣によって行われ、政令(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令)に定められる。特定外来生物は、生存しているものに限られ、個体だけではなく、卵、種子、器官なども含まれる。 特定外来生物とは別に、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼす疑いがあるか、実態がよくわかっていない海外起源の外来生物は「未判定外来生物」に指定される。輸入する場合は、事前に主務大臣に対して届け出る必要がある。 外国から生物を輸入する場合、税関でその生物が特定外来生物または未判定外来生物かどうかをチェックすることになるが、特定外来生物等と外見がよく似ていて、すぐに判別することが困難な生物がある。これらは「種類名証明書の添付が必要な生物」といい、外国の政府機関等が発行したその生物の種類名が記載されている証明書を輸入の際に添付しなければ輸入できない。 ※詳細は環境省サイト(外部リンク)を参照。 2005年1月31日、環境省は特定外来生物に指定する第一次の候補リストを発表した。6分類群の32種と1科4属、合わせて37の動植物がリスト入りした。 このリストは発表日の特定外来生物等専門家会合で承認され、その後、一般から意見を聴くパブリックコメントを経て再度専門家会合を開き、2005年4月22日に閣議決定され、4月27日にリストが指定された政令(平成17年政令第169号)が公布された。本法とこの政令は6月1日に施行された。
主務官庁
環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室
連携
農林水産省農村振興局農村政策部鳥獣対策・農村環境課
農林水産省動物検疫所
国土交通省水管理・国土保全局河川環境課
財務省関税局監視課(税関)
概要
構成
第1章 総則(第1条 - 第3条)
第2章 特定外来生物の取扱いに関する規制(第4条 - 第10条)
第3章 特定外来生物の防除(第11条 - 第20条)
第4章 未判定外来生物(第21条 - 第24条)
第4章の2 輸入品等の検査等(第24条の2 - 第24条の4)
第5章 雑則(第25条 - 第31条)
第6章 罰則(第32条 - 第36条)
附則
経緯
2003年 - 12月、中央環境審議会より「移入種対策に関する措置の在り方について(答申)」提出
2004年 - 環境省が国会に法律案を提出(3月9日)/ 可決成立(5月27日)/ 公布(6月2日)
2005年 - 特定外来生物に指定する第一次の候補リストを発表(1月31日)/ 法及び第一次指定リスト政令施行(6月1日)/ 特定外来生物の第二次指定リストを発表(12月14日)
2006年 - 第二次分を施行(2月1日)、第三次指定に関する閣議(7月18日)、第三次指定リスト施行(9月1日)
2007年 - 第四次指定リスト施行(9月1日)
2008年 - 第五次指定リスト施行(1月1日)
2010年 - 第六次指定リスト施行(2月1日)
2011年 - 第七次指定リスト施行(7月1日)
2013年 - 第八次指定リスト施行(9月1日)
2014年 - 第九次指定リスト施行(6月11日)
2015年 - 第十次指定リスト施行(3月1日)
2015年 - 第十一次指定リスト施行(10月1日)
2016年 - 第十二次指定リスト施行(10月1日)
2018年 - 第十三次指定リスト施行(1月15日)
2020年 - 第十四次指定リスト施行(11月2日)
特定外来生物
第一次指定種
哺乳類(11種) - タイワンザル、カニクイザル、アカゲザル、アライグマ、カニクイアライグマ、ジャワマングース、クリハラリス(タイワンリスを含む)、トウブハイイロリス、ヌートリア、フクロギツネ、キョン
鳥類(4種) - ガビチョウ、カオグロガビチョウ、カオジロガビチョウ、ソウシチョウ
爬虫類(6種) - カミツキガメ、グリーンアノール、ブラウンアノール
両生類(1種) - オオヒキガエル
魚類(4種) - オオクチバス、コクチバス、ブルーギル、チャネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ)
昆虫類(3種) - ヒアリ、アカカミアリ、アルゼンチンアリ