特別業務の局
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この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

特別業務の局(とくべつぎょうむのきょく)は、無線局の種別の一つである。
目次

1 概要

2 定義

3 実際

3.1 用途

3.2 免許

3.3 運用

3.4 操作

3.5 表示

3.6 検査


4 沿革

5 旧技術基準の機器の免許

6 その他

7 脚注

8 関連項目

9 外部リンク

概要

総務省令電波法施行規則には種々の無線局について種別を定義しているが、いずれにもあてはまらないときに指定される種別である。
定義

電波法施行規則第4条第1項第29号に「特別業務を行う無線局」と定義している。 特別業務とは、第3条第1項第20号に「前各号に規定する業務及び電気通信業務(不特定多数の者に同時に送信するものを除く。)のいずれにも該当しない無線通信業務であつて、一定の公共の利益のために行われるもの」 と定義している。

引用の促音の表記は原文ママ
実際

実務上は、何らかの目的の為の特定または不特定の者に向けての一方的な送信、放送に類似した同報通信[1]がほとんどである。
用途

用途は公共業務用が主で一部に一般事業用がある。 これは、定義に「公共の利益のため」とあるからで免許人は官公庁や公益性を持つ民間団体に限られる。

局数の推移に見るとおり水防水利道路用が多数を占めるが、これはVICSと呼ばれる道路交通情報通信用無線ビーコン(免許人は国土交通省地方道路公社)及び路側放送(同NEXCOなど)の道路管理者が保有するもので、中でもVICS用ビーコンが多数である。その他、

路側放送(警察庁

警察が実施するものの用途は「その他国家行政用」に分類される。


マーチス海上保安庁

潮流放送(同上)

VOLMET放送気象庁

気象無線模写通報(同上)

特定不法開設局である不法市民無線、不法アマチュア無線、不法パーソナル無線通称、不法三悪)に対する規正通信(総務省日本アマチュア無線連盟

北朝鮮による拉致被害者に対する広報のしおかぜ (放送)特定失踪者問題調査会

などがある。( )内は免許人

海上保安庁が実施していた船舶気象通報も特別業務の局によるものであった。
免許

種別コードはSP。免許の有効期間は5年。但し、当初に限り有効期限は5年以内の一定の11月30日となる。(沿革を参照)VICS用ビーコンは技術基準適合証明の対象であり、適合表示無線設備になれば簡易な免許手続の規定が適用され、予備免許落成検査が省略されて免許される。
運用

電波法第16条第1項ただし書および電波法施行規則第10条の2により、VICS用ビーコンと空中線電力10W以下の路側放送以外の局は運用開始の届出を要する。

無線局運用規則第140条により、VICS用ビーコンと空中線電力10W以下の路側放送以外の局は次の事項が告示される。
電波の発射又は通報の送信を行う時刻

電波の発射又は通報の送信の方法

その他当該業務について必要と認める事項

操作

特別業務の局は、陸上の無線局であり、最低でも第三級陸上特殊無線技士以上の無線従事者による管理(常駐するという意味ではない。)を要するのが原則である。

通信事項が海事又は航空に係わるものでにあっても海上系又は航空系の無線従事者では操作できない。

例外を規定する電波法施行規則第33条の無線従事者を要しない「簡易な操作」から特別業務の局に係わるものを抜粋する。

第4号(1) 特定無線局以外の陸上に開設した無線局でかつ海岸局、航空局船上通信局無線航行局海岸地球局又は航空地球局以外のものの通信操作

陸上に開設した特別業務の局も該当する。


第8号 その他に別に告示するものに基づく告示[2]に定めるプレストーク方式による無線電話の送受切替装置の技術操作

表示

適合表示無線設備には、技適マークの表示が義務付けられている。また、技術基準適合証明番号又は工事設計認証番号の表示も必須とされ、VICS用ビーコンを表す記号は番号の英字の1-2字目のPZである。(特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則 様式7)但し、2013年(平成25年)4月以降の工事設計認証番号(4字目がハイフン(-))に記号表示は無い。
検査

落成検査は、適合表示無線設備を用いたものであれば簡易な免許手続が適用され省略される。これ以外でも一部を除き
登録検査等事業者等による点検が可能でこの結果に基づき一部省略される。

定期検査は、電波法施行規則第41条の2の6第26号によりVICS用ビーコンとアマチュア局に対する規正通信用以外に行われる。
周期は別表第5号第32号により次の通り。(1) 航空機又は船舶のための気象通報及び航行警報等の業務用 1年(2) (1)に該当しないもの 5年一部を除き登録検査等事業者等による検査が可能で、この結果に基づき検査が省略される。

変更検査は、落成検査と同様である。

沿革

1950年(昭和25年)- 電波法施行規則制定[3]時に定義された。ここで特別業務とは、「前各号に規定する業務及び公衆通信業務を除いた業務であつて、一定の公共の利益のために行われるもの」 と定義された。 免許の有効期間は5年。但し、当初の有効期限は電波法施行の日から2年6ヶ月後(昭和27年11月30日)までとされた。

1952年(昭和27年)- 12月1日に最初の再免許がなされた。

以後、5年毎の11月30日に満了するように免許される。

1985年(昭和60年)- 定義が「前各号に規定する業務及び電気通信業務を除いた業務であつて、一定の公共の利益のために行われるもの」 と改正された。 [4]

引用の促音の表記は原文ママ

1994年(平成6年) 

VICS用ビーコンが特定無線設備の技術基準適合証明に関する規則(現・特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則)の対象(証明機器(現・適合表示無線設備))となった。[5]

VICS用ビーコンは告示が不要とされた。[6]

1996年(平成8年)- 同一免許人所属の路側放送の無線業務日誌は地方電気通信監理局(現・総合通信局)(沖縄郵政管理事務所(現・沖縄総合通信事務所)を含む。)管内で共用できるものとされた。 [7]

1998年(平成10年)- 路側放送用及びアマチュア局に対する規正通信用は定期検査を実施しないものとされた。[8]

2002年(平成14年)- 定義が現行のものとなった。 [9]

2004年(平成16年)- 空中線電力10W以下の路側放送は告示が不要とされた。 [10]

2009年(平成21年)- 特別業務の局は全て無線業務日誌の備付けが不要とされた。[11]


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