特別救助隊
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この項目では、日本の消防のレスキュー隊について説明しています。日本の警察のレスキュー隊については「特別救助班」を、海上保安庁のレスキュー隊については「特殊救難隊」をご覧ください。

特別救助隊(とくべつきゅうじょたい、通称レスキュー隊)とは、人命救助活動を主要な任務とする消防の専門部隊のこと。「消防特別救助隊」とも呼ばれる。全国の消防に救助隊(ポンプ隊との兼任含む)が設置されており、さらに人口が10万人以上の地域を管轄する消防組織には救助専任の特別救助隊の設置が義務付けられている。出初式から帰隊する東京消防庁江戸川特別救助隊(車両は2008年当時)
概要東北地方太平洋沖地震に伴う東日本大震災被災地で活動する川口市消防局の特別救助隊

レスキュー隊とも呼ばれ、全国の消防本部消防署等に配置されており、主に火災交通事故労災事故など日常生活の中で起こる災害から洪水土砂災害等の自然災害、河川や山間部で起こる水難救助及び山岳救助震災など大規模災害まであらゆる人命救助事案に対応している。

さらにNBC災害核兵器生物兵器化学兵器)やテロなどの特殊災害の際も救助活動を行う。緊急消防援助隊国際消防救助隊(IRT)の登録隊員は国内外の災害にも出場する。

消防吏員の中でも優れた気力や体力、判断力を持ち、消防学校の救助科での研修または同等の訓練を受け、高度で専門的な知識と救助技術を備えた者により構成されている。

特別救助隊の特徴としては活動服はポンプ隊や救急隊と異なり、摩擦などに強い素材を使用し刺し子が取り入れられた暗い中でも目立つオレンジ色の“救助服”であり[1][注釈 1]救助資機材を積んだ救助工作車(東京消防庁での正しい呼称は「救助車」)に乗車するのが特徴である。

火災現場で着用する防火服は、本部によって仕様が分かれており、オレンジ色の防火服(東京消防庁など)の本部もあるが、一般の消防隊員と同じ防火服の本部もある。また、最近では感染防止衣も救助隊用のオレンジ色のものを取り入れたり[2]、救急隊と同じ水色でも背中にオレンジの文字で本部名や部隊名が入っている本部もある。

なお、部隊名については仙台市消防局のように救助の専任であるが消火の能力を持つために「特別消防隊」と呼んでいたり[3]神戸市消防局のように「専任救助隊」と呼んでいたり、「消防署や出張所等の頭文字等+救助隊」(例:南消防署なら南救助隊)と呼んでいる本部もあるなど各自治体の消防により部隊の呼び方や表記の仕方に違いがある。一般的にはレスキュー隊と通称されるが、消防関係者の間では特救のほか、活動服のオレンジ色からオレンジやオレンジ部隊と呼ばれる事が多い[4]

なお、管轄地域の特性や消防本部により特別救助隊の隊員が水難救助隊山岳救助隊などを兼任している場合も多い。通常のレスキュー業務を行う傍ら、潜水に関する講習などに参加し潜水士免許を取得したり、山岳会の講習などに自費で参加する隊員も多い。

また毎年、全国各地域で選抜された救助隊員によって「全国消防救助技術大会」が開催されている。この大会は、日頃の訓練の成果を披露するとともに、救助技術を競い合い、また消防救助技術を学び、国民へ救助活動をアピールすることを目的としている。当初は救助隊の全国普及・技術の均一化を目指して開催が始まった。

自衛隊から技術を学び独自にレスキュー技術を完成させた消防救助隊であるが、現在は自衛隊[5][6]警察[7][8]海上保安庁[9]、海外の消防隊[10]の救助指導に携わっている[注釈 2]
東京消防庁の特別救助隊東京消防庁永田町特別救助隊の救助車青ワッペンが特別救助隊、白いワッペンが山岳救助隊先頭が消防救助機動部隊、真中が国際消防救助隊、最後尾が特別救助隊

従来の火災による死者はその殆どが焼死者だったが、1932年に発生した白木屋火災では焼死者が0窒息死が1人に対して、墜落死が13人、負傷者が67人という大惨事となった。警視庁消防部(現在の東京消防庁[注釈 3])の神田消防署は、この火災を契機として1933年、救助車とドレーゲル式[注釈 4]呼吸器や防煙マスクなどの救助資機材の寄贈を受け専任救助隊を新設し、本格的な人命救助活動(当時は主に火災現場での救助)を開始した[11]。芝・麹町・本郷・下谷(現上野)・深川消防署にも試験的に配置された。しかし、太平洋戦争の影響で防空消防に全力をいれることになり廃止された。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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