物語論
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物語論(ものがたりろん、ナラトロジー、: narratology)は、物語語りの技術と構造について研究する学問分野である。

物語論には、大きく分けて二つの潮流がある。物語の内容の類型に関心を向けるものと、物語的言語表現(しばしば「言説」と呼ばれる)の形式に関心を向けるものである[1]。前者はロシア・フォルマリズムに始まり、構造主義と関連を持つ。後者は、古くは古代ギリシアのアリストテレスの『詩学』、プラトンの『国家』にまで遡るが、現代では通常、20世紀初頭以降の英米やドイツ、フランスの物語論研究のことを指し、ロシア・フォルマリズムの理論の西欧への紹介を経て、1970年代前後にジェラール・ジュネットロラン・バルトツヴェタン・トドロフポール・リクールウンベルト・エーコらが重要な仕事を提示した。
歴史
内容の構造類型

ロシア・フォルマリズムでは、ウラジーミル・プロップの『昔話の形態学』(1928年)がレヴィ=ストロースの「神話の構造」(1955年)に先立って物語の潜在的構造を研究したものとして位置づけられる。プロップの著書は1958年に英訳された。その後各国で研究が進められ、フランスではクロード・ブレモンの『物語のメッセージ』、ロラン・バルトの『S/Z』、ツヴェタン・トドロフの『デカメロンの文法』、グレマスの『構造意味論』、ポール・リクールの『時間と物語』、イタリアではウンベルト・エーコ、アメリカではジェラルド・プリンスの『物語論の位相』などの成果が生まれた[2]
表現形式

ロシア・フォルマリズムではシクロフスキーの『散文の理論』、ボリス・エイヘンバウムなどの研究(『ロシア・フォルマリズム文学論集』所収)がある。またミハイル・バフチンの『マルクス主義と言語哲学』[注 1]などの一連の著作も関わる。英米の作家・理論家にはヘンリー・ジェイムズの『小説の技法』、パーシー・ラボックの『小説の技術』、E・M・フォースターの『小説の諸相』、ウェレックとウォーレンの『文学の理論』、ウェイン・ブースの『フィクションの修辞学』などの著作がある。ドイツではレーメルト(Lammert)の『物語の構成形式』Bauformen des Erzahlens、ケーテ・ハンブルガーの『文学の論理』、シュタンツェルの『物語の構造』などの研究がある。フランスではジャン・プイヨンの『現象学的文学論』、ジャン・リカルドゥーの『言葉と小説』などの研究があり、ジュネットの『物語のディスクール』(原著は1972、Figures IIIの一部として出版)に連なる。

ジュネット以降では、アメリカのシーモア・チャトマンの『ストーリーと言説』Story and Discourse、『小説と映画の修辞学』、日本の藤井貞和の『平安物語叙述論』『物語理論講義』、三谷邦明の『源氏物語の言説』、山岡實の『「語り」の記号論』、カナダのパトリック・オニールの『言説のフィクション』などに発展が見られる。ジェラルド・プリンスの『物語論辞典』も錯綜した用語を対照するのに便利な著作である。
注意すべき用語
物語

ここでいう物語(narrative)とは、古典文学や口承文芸における物語のことではなく、ある「筋」によってまとめられるような、統一性のある表現一般を指す(トドロフ)[3]。典型的には虚構の文学作品に見られるものを指すが、広義には映画などの映像作品や、日常会話なども視野に入れることができる。
語り手と聞き手

物語には少なくとも一人の語り手(narrator)が想定される。語り手は人格等が明瞭な場合もあれば、そうでない場合もある。語り手がいれば、語りを聞く相手としての聞き手(narratee)が想定される[4]

語り手は、物語られる状況・事象から距離を置いて物語る[4]が、自ら登場人物の一員として振る舞っている場合もある。
語り手と作者、聞き手と読者

語り手は、作者とは区別される。現実世界に肉体を持って存在する作者(作家)とも異なるし、表現から再構成される作者(内包された作者 implied author・暗黙の作者)とも区別される[4]。語り手は言葉によって状況・事象を物語るが、内包された作者はそうではなく、語り手によって物語られた言葉の選択や配列の責任を持つのみである[4][5]。人格を顕さずに淡々と物語る語り手の場合、語り手と内包された作者の区別は曖昧になるとされる[6]が、概念上は上記のように明確に区別される[5]。また一人称私小説の場合も両者は混同して受け取られることが少なくない。

聞き手もまた現実世界に肉体を持って存在する読者: reader)とは区別される。語り手はある程度特定された聞き手に向かって語ると想定されるが、それは無数に存在しうる読者のことではない。また内包された読者(: implied reader)・暗黙の読者とも異なる。内包された読者とは表現から推定される読者像のことである。これらは「素養のある読者」[7]とも異なる概念である。
物語内容と物語言説

ジュネットの用語によると、: histoireと: recitとは区別される。前者は「物語内容」と訳され、語られる話の内容のことである。後者は「物語言説」と訳され、テクストそれ自体、つまり言語で表現された結果物のことである。これらは、フェルディナン・ド・ソシュールの言語理論にある「シニフィエ」「シニフィアン」からの類推による。そして物語を語るという行為のことを"narration"「物語行為」という。
ジュネットの理論

ジュネットは"temps"「時制」・"mode"「」・"voix"「」という文法用語を参考に理論を整理した。
時間
順序

物語内容の出来事が生起する時間的順序と物語言説の提示される順序との関係を扱う領域である。しばしばこの順序は食い違うことがあり、「錯時法」と呼ばれる。錯時法には大きく分けて二つある。

後説法 - 昔の事柄を後から語る場合。

先説法 - これから起こる事柄を先取りして語る場合。

持続

物語内容の時間的長さと物語言説の長さ(つまり行数・ページ数など)との関係を扱う領域である。言い換えれば物語言説の「速度」のことである。これには4つの種類がある。

休止法 - 物語内容=0、即ち物語内容 <∞ 物語言説。つまり静止した情景を描写する場合。

情景法 - 物語内容 = 物語言説。例えば会話の場面など、両者のスピードが一致している場合。

要約法 - 物語内容 > 物語言説。物語言説を圧縮して語る、基本的な叙述。

省略法 - 物語言説=0、即ち物語内容 ∞> 物語言説。つまりあったはずの出来事を記さず、話が飛んでいる部分。

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