版画
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楽曲については「版画 (ドビュッシー)」をご覧ください。
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出典検索?: "版画" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2012年1月)

版画(はんが)とは、印刷を行う以外に、彫刻や細工を施した版を作り、インクの転写・透写等によって複数枚の絵画を製作する技法、またはそれにより製作された絵画のこと。版画はその版の仕組みから大きく4つに分類される。凸版画、凹版画、平版画、孔版画である。また、印刷する版面の種類によって木版画銅版画石版画シルクスクリーンに分類される。
凸版画「レリーフ印刷」も参照


版画用プレス機インクとローラー

凸版(とっぱん)は、インクをローラーなどで版の出っ張った部分だけに付着させて、版に紙をバレンまたはプレス(版画プレス機)[1]で押しつけて、紙に写し取るという方法である。凸版の製版では、版の出っ張った部分を作る作業を行なう。それを簡単にできるように、版の材料として、加工がしやすい材質の物が好まれる。例えば、木材ゴムリノリウムなどが凸版の版の材質としてよく使われる。[2]。凸版画とは、凸版という方法で印刷された結果の物を指す場合もあれば、凸版の意味で使われることもある。凸版の製版は、版の出っ張った部分が、原画を左右反転させた鏡像になるようにして、製作する。凸版画には、木版画、リノリウム板を版材とするリノカット、ごむ版画、版画、紙版画などが含まれる。凸版の製版に必要な道具は、比較的安価に入手でき、また販売されている場所も比較的多い。製版の作業も比較的簡単である。
木版画「木版画」も参照浮世絵に描かれた木版画製作

木版画は、木の板(版木)を版の材料に使う凸版画である。原画のうち、インクを付着させたくない部分に相当する木の板の領域を、彫刻刀で彫って製版する。輪郭線を彫り残す(輪郭線にインクがつく)陽刻法と、輪郭線を彫る(輪郭線はインクがつかない)陰刻法があるが、この二つの方法のどちらも使って作品が作られることは多い。

木材から版木を取る時の向きによって、板目(いため)木版と木口(こぐち)木版に分けられ、前者は主に日本で、後者は西洋で発達した。

江戸時代の日本で盛んに広がり、鈴木春信東洲斎写楽葛飾北斎喜多川歌麿など世界的に知られる浮世絵版画も木版画の一種で、色ごとに版を使う多版多色版画である。浮世絵は板目木版である。

棟方志功は、木版画を「板画」と呼んでいた。
コラグラフ「コラグラフィー」も参照

コラグラフは、紙を版の材料に使う凸版画である。紙版画とも呼ばれる。台紙に表したいものの形に切った紙などを貼り重ねて製版する。台紙は丈夫な板紙や厚めの画用紙が使われる。画用紙を使う場合は、輪郭を手でちぎって丸い台紙にして用いることもある(『人間の顔』など)。版には、画用紙の他、片ダンボール紙やレースペーパー、凹凸のあるシート類、さらには毛糸・ひも・布・落ち葉など、様々な素材が用いられる。凸版画として扱われることが多いが、版の凹部にインクを盛り凹版画として刷る手法もある。

学校教育では主に小学校低学年で行われる技法である。
凹版画版画彫刻ツール一覧-(a)エッチング針(ニードル)、(b)スクレーパー、(c)および(d)バーニッシャー(英語版)、(e)グレーバー(ビュラン)、(f)スクーパー、(g)メゾチント用スクレーパー、(h)点描グレーバー、(i)ルーレットメゾチント用、(j)メゾチント用シェーディングツール、(k)メゾチント用ルーレット、(l)ドライポイントグレーバー、(m)ハンマー、(n)「グランド」を塗るためのダバー、(o)ワニスを塗るためのブラシ( p)キャリパーコンパス(1841年)

凹版画とは、版の凹部で図柄を構成する版画技法である。

西洋美術の世界では、もっとも広く用いられた版画技法であり、とりわけルネサンス期以降、を版材とする銅版画において多くの製版技法が開発・蓄積されてきた。平版画や孔版画が未発達であった19世紀以前においては、単に版画といえば、多くの場合に「銅による凹版画」を指していた。銅が高価なため、今日では工業用や教材用としてポリ塩化ビニル板なども用いられるが、美術作品としては依然として銅材によるものが多い。

凹版画の印刷手順はまず、版全体にインクを乗せたのちに、これを布などで拭き、凹部にのみインクを残す。あとは、この版と紙を重ねて圧力をかければ、凹部のインクが転写されて完成である。

しかし製版の手順は、それほど単純ではない。版の凹部をどう作るかで、いくつかの技法があり、大きく直接法と間接法に分かれている。版に直接に凹部を刻む場合が直接法、などの浸食作用を利用して版面に凹部を作るのが間接法である。単一技法による作品もあれば、併用される場合もある。ここでは直接法としてエングレービング、ドライポイント、メゾチントを、間接法としてエッチング、アクアチントについて詳説する。
エングレービングとドライポイント(直接法)『騎士と死と悪魔』(1513)
デューラーによるエングレービング作品。精緻な彫りなので、この画像の解像度では版画に見えない。

直接法としてまず、エングレービングドライポイントについて詳説する。

エングレービングでは、ビュランと呼ばれる道具で溝を彫って図柄を作ってゆく。ビュランとは、V字型の刃をもった彫刻刀(三角刀)のような道具で、その削りくずは彫りだされ、版上には残らない。これに対してドライポイントでは、先の尖った、きわめて硬度の高いニードルなどで版に線描する。ドライポイントは基本的に版にキズをつけるだけなので、削りくずは線の周辺に突きでたまま残る (ささくれ、まくれ)。

この違いは版の耐久性の違いとなって現れる。凹版画とは版上の紙に強い圧力をかけてインクを転写する技法である。エングレービングは凹部以外の版面はフラットなので、多量の印刷を経ても版が劣化しにくい。紙幣の印刷にエングレービングが用いられるのはそのためである。ドライポイントの場合は、刷れば刷るほど、線の周辺の突起部が押さえつけられ、次第に線がつぶれてくる。印刷の少ない版であれば、線の周辺の突起部にわずかにインクが残るため、線に微妙な陰影がつくが、印刷が進むほどに線はより単調に、より弱々しくなっていく。早い段階での印刷かそうでないかで、作品の印象も、価値も違ってくるのはすべての版画の宿命であるが、ドライポイントはとくにそれが顕著である。

エングレービングとドライポイントの長短は、版の作りやすさという点では逆転する。エングレービングはかなりの熟練と労力を要する。エングレービングの大家を挙げる場合、しばしばルネサンス期のデューラーまでさかのぼられるが、そもそも美術史上でエングレービングに長じた作家は限られている。ドライポイントはそれに比べれば、デッサンの技量が確かなら、習熟しやすく、製版時間も短い。それでも、溝の深さのコントロールや、「ささくれ」「まくれ」による線の陰影まで計算した製版ができるまでには修練が必要である。
メゾチント(直接法)「メゾチント」も参照

エングレービングとドライポイントが線の表現のための技法であるのに対して、メゾチントは面の表現力を深める技法である。「中間の色合い」を出せるというのが、その名の由来である。ヨーロッパでまだ写真技術のない頃、肖像版画や細密版画で用いれられ人気があったが、写真の発達とともに省みられなくなり、「忘れられた技法」といわれることもある。浜口陽三がこの技法を復興したことで知られる。

その製版工程は、これまでの技法と逆である。エングレービングとドライポイントでは、平面の版に溝を刻むことで図柄を作ってゆくが、メゾチントでは、まず版全体にひじょうに細かな点や線を無数に刻んで、ざらつかせ (これを「目立て」という)、その後にこの「目」を削って平面をつくってゆく。インクが残るのは当然、削られなかった部分である。

目立てだけを施した段階で印刷にかけると、全面が真っ黒の版画ができる。ただし、真っ黒とはいえ、それは細かな点や線の集積なので、均一な黒ではなく微妙な陰影が出る。目立ての粗密を調整すれば面のニュアンスも変わってくるし、また目をならす段階でも、どの程度もとの目を残すかで刷り色の濃淡を調整できる。エングレービングやドライポイント作品に部分的にこの技法を用いれば、スムーズな階調の影をつけることもできる。

きわめて労力がかかるので (大作だと目立てだけで数ヶ月かかる)、普及に限界のある技法ではあるが、日本には浜口陽三や長谷川潔など、メゾチントを得意とする作家が多い。


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