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爆風(ばくふう、Blast Wave)とは、爆発に伴い空気中を伝播する圧縮波と、圧縮波の背後に出来る波形構造を含む負圧のこと。
爆風には三つの特徴がある。
伝播速度が音速以上である
波面が不連続で、波面の前後で密度と圧力の急激な変化がある。
爆風の後には負圧を伴う。
伝播速度が音速以下にまで減衰したものは爆音になる。一般に、爆風による過圧 (Over pressure) は爆薬量の3乗根に比例して大きくなり、爆源からの距離に反比例して小さくなる。
爆風による圧力はブラストメーターという測定装置で測定することが出来る。
空中爆発爆風の伝播
爆薬が空中で爆発した場合には爆風の入射波が地面に当たって地上反射波となって進む。入射波と地上反射波が合わさる融合波面(マッハステム)[1]では圧力が2倍近くにまで高まる(実際には地面が100%全てを反射しないので2倍にはならない、反射しない圧力は地面に穴を穿つのに消費されたりする)。
原爆が高度580mで爆発するように設定されていた理由は融合波面を形成することによって、爆風の効果を高めるためである。地表の構造物を吹き飛ばすデイジーカッターと呼ばれる大型爆弾が地上1mで起爆するように作られているのも同じ理由である。
逆に爆薬が地面に接触した状態で爆発すると地面に触れている方向の力は爆風にならずに地面への振動としてエネルギーが消費され地面に穴を穿ってしまうだけになる。 この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
爆風による構造物の損傷
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圧力被害状況 この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
0.06?0.08kgf/cm2窓ガラスが割れる。
0.1?0.35kgf/cm2窓枠が破損する。
0.4?0.5kgf/cm2瓦が落ちたり、トタン屋根がはがれたりする。
0.6?0.7kgf/cm2柱が歪んだり、折れたりする。
1.4?6.0kgf/cm2家屋倒壊
10kgf/cm2強固な家屋や鉄筋コンクリートなどの構造物が損壊する。
20kgf/cm2鉄筋コンクリートや岩などが割れる。
30kgf/cm2重構造物が倒壊する、特殊な対爆構造物以外では耐えられない。
爆風による致死率
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なお、この致死率は負傷後に適切な治療を受けられると言う前提での値である。
致死率は即死または48時間以内に死亡する確率である。
動物実験と事故事例からの統計に基づいて推測された値であり、状況次第で結果は異なる。
致死率圧力 この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
1%以下(死亡することは稀)1kgf/cm2
数%2?3kgf/cm2
10%(生存者も重傷か軽傷を負う)4kgf/cm2
50%(生存者も重傷を負う)6kgf/cm2
80%(生存者も重傷を負う)12kgf/cm2
ほぼ100%(まず助からない)32kgf/cm2
爆風による人体の損傷
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人体が爆風に暴露した場合、最初に負傷するのが耳と眼である。次に損傷を受けるのは表皮と肺である。表皮は厚手の服などで守られていれば軽症で済むが、呼吸器から出血すると大事に到る場合がある。それ以上になると、臓器破裂などの深刻な怪我を負う。さらに大きな12.0kgf/cm2以上の爆風に晒されると、肉が剥がれ、人間としての原形を留めなくなってくる。
この所見は純粋に爆風に晒された場合のみであり、破片などが飛んできて当たった場合の怪我については考慮していない。
これらのデータはウサギとブタを使用した動物実験と爆発事故の事例を元にした統計的なものであり、状況によって結果は大きく異なる場合がある。
入射爆風の過圧
kgf/cm2所 見肺腹腔内臓皮膚眼耳
32.0即死開放、機能消失修復不能な重大な損傷を受ける
又はほぼ完全に破壊される原形を留めないほど破壊眼球破裂鼓膜破裂
12.0重症開放、重度の機能障害内臓破裂、重度の出血重度の裂傷
6.0中程度の出血皮下出血、裂傷中程度の裂傷
4.0肝臓挫滅、腸漿膜より出血
複数の臓器破裂
3.0軽症軽度の出血肝臓挫滅、腸漿膜より出血
臓器により出血する場合あり中程度の皮下出血
軽度の裂傷眼球破裂
眼底出血
2.5肋骨に添い軽度の出血軽度の皮下出血複数の臓器より中程度の出血中程度の皮下出血眼底出血
2.0肺充血、軽度の出血大腸漿膜より出血軽度の皮下出血
1.0無気肺、肺充血鼓膜損傷
0.5所見なし軽度の打撲所見なし
関連項目
爆傷
脚注[脚注の使い方]^ NHKスペシャル 知られざる衝撃波?長崎原爆・マッハステムの脅威? - NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス