爆買い
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爆買い
各種表記
繁体字:爆買
簡体字:爆?
?音:bao m?i
発音:バオマイ
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爆買い(ばくがい)とは、一度に大量に買うことを表す俗語である[1][2][3]。主に来日した中国人観光客が大量に商品を購買する行為を指し、2014年頃までに定着した[1][4][5]2015年2月の春節休暇に中国人観光客が日本を訪れ高額商品から日用品まで様々な商品を大量に買い込む様子を「爆買い」と表現して、多くの日本メディアが取り上げた[6]。中国側のメディアによれば春節期間中、日本を訪れた中国人観光客は45万人にのぼり、消費額は66億(1140億)を記録し、日本企業にとってビジネスチャンスとなっていた[6][7][8][9]。この用語は2015年ユーキャン新語・流行語大賞の年間大賞に選出された[10]。中国語表記は、繁体字: 爆買; 簡体字: 爆?; ?音: bao m?i; ウェード式: pao maiである[11]

しかし、2016年には観光庁の2016年4-6月期訪日外国人消費動向調査によれば1人当たりの支出で中国人は22.9減の22万円と大幅に減少し、オーストラリア人ベトナム人などに抜かれて2015年の1位から5位に転落し、沈静化を印象付けた[12]。中国では日本分野が中国版ネットショッピングサイトで一位を維持し続けているなど、爆買いから電子決済の普及で『爆輸入』と『コト消費』が主流のトレンドになったため、日本メーカーは利益を増やし続けている一方で百貨店や免税店は対応に追われている[13]
言葉の歴史

「爆買い」という言葉は、新聞記事などでは2015年の春節のころより桁違いに使われるようになったが[14]、テレビではそれ以前より使われていた。そもそも中国人が大量に商品を購入する行動は2008年ごろより目立ってきており、2009年には『FNNスーパーニュース』(フジテレビ)9月9日放送「スーパー特報/旋風拡大ニッポン“爆買い”現場中国人団体ツアーを追え」で「爆買い」という言葉が登場した[15]。なお、個人ブログには「爆買い」という言葉がそれ以前からあったことが確認されている[15]。その後、2010年に『NNN Newsリアルタイム』(日本テレビ)1月12日放送で「密着! 中国人観光客現金飛び交う“爆買いツアー”」が、『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日)7月5日放送で「中国人が大挙来日! 美術品“爆買い”ツアーで現金飛び交う」が放映された[15]
爆買いの要因

中国人の爆買いを支えている要因は「日本製品の品質・性能への信頼」も大きいが、「中華人民共和国税制に起因する内外価格差」や「元高」といった中国側の事情もある。中国の税制では、ある特定の日本製品を中国で買うよりも、日本で買って持ち帰ったほうが大幅に安くなること(例えば化粧品などは半値くらいになる場合がある。)と日本が免税品の対象を拡大したことである。さらには中国人特有の気質として、転売目的や家族親戚以外の他人へ渡す目的も多いと推測されている[16][17][18]。これらの代理購入・代理購買を中国語では、繁体字: 代購; 簡体字: 代?; ?音: dai gou; ウェード式: tai kouと表記する[11]。また、中国人の購買力の向上も爆買いの要因とされ[19]リーマン・ショック後から中国は人民元切り上げを再開して人民元の購買力は上昇し続け、世界最大の自動車市場にもなり[20]2014年には購買力平価GDPで中国はアメリカ合衆国を超えて世界一となっていた[21]。世界の高級品の3分の1を中国人が購入し[22][23]、中国は世界最大の高級品市場でもあり[24]、世界最多の1億人を超えた中国の富裕層中産階級も爆買いの原動力となった[25][26][27]

日本では2013年12月に観光庁により「外国人旅行者向け消費税免税制度の改正」が発表され、地域への外国人観光客の誘客に向けた取り組みがはじまった[28]。平成26年度税制改正において訪日外国人旅行者向け消費税免税制度の改正が行われた[29]。従来、免税対象品目は家電機器装飾品衣類等に限られていたが、免税販売の対象ではなかった消耗品(食品類、飲料類、薬品類、化粧品類その他の消耗品)について、一定の不正防止措置を講ずることを前提に免税対象とした[29]。2014年(平成26年)10月より施行された[29]。また、同年度の税制改正では、様式の弾力化及び手続の簡素化も行われ、「購入記録票」及び「購入者誓約書」は、特定の様式を定めず、記載すべき事項を記載していればよいこととなった[29]。訪日外国人旅行者の急増や上述のような消費税免税制度の改正により、2014年(平成26 年)に入り免税店の店舗数が急増し、4月1日時点では5777店であったが、2015年(平成27年)4月1日時点では約3倍の1万8779店(対前年比225.1パーセント増)となった[29]

購入に際して、中国人が人民元を両替した日本円の現金決済に加え、最近中国で発行が増加している銀聯カードでの決済も普及している[30]。日本円の調達には、たとえばセブン銀行が積極的であり、訪日外国人にも引き出し金融機関として認知度が高いようである[31]
爆買いの対象となる人気商品

爆買いの定番商品であり、中国人観光客の間で「四宝」と呼ばれているのは「炊飯器」「魔法瓶」「温水洗浄便座」「セラミック包丁」である[32]。中国の通信機器ソフトウェアメーカー小米科技(シャオミ)の最高経営責任者である雷軍は、「日本の電気釜は確かによくできている」と述べ、中国の製造業の品質向上を促した[33]。その他では、医薬品化粧品も人気となった[32]「爆買い」の定番商品である化粧品

日本人の顔立ちをもとに開発されてきた国内向けの化粧品は、繊細な色づかいや目元を大きく見せる点などで優れており、顔立ちの似ている他のアジアの国でも「カワイイ」と人気が高まっている。化粧品が免税の対象に加わったことは外国人観光客による大量買いにつながった[34]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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