熱帯植物(ねったいしょくぶつ、英:Tropical vegetation)とは、熱帯のあらゆる植物のことである。
熱帯の生態系に見られる、熱帯原産の植物種をおもに呼んでいる。
なお、熱帯の生態系の例としては、西アフリカのギニア森林、マダガスカルの乾燥落葉樹林、タイ高地の広葉樹林やプエルトリコのエルユンケ国立森林等がある。 一年中温暖な気候に生息する植物は、一般に他の緯度のものよりも生物学的に多様である。熱帯地域には一年中豊富な雨が降るところもあるが、数ヶ月続く長い乾季があるところもあり、長さや強さは場所によって異なる場合がある。こうした季節的な干ばつは、マダガスカル棘林
概要
英語のTropical vegetationという言葉は、青々とした、豊かな、という意味でもよく使われるが、地球上の熱帯気候の地域の植生がすべてそう定義できるわけではない。植生が豊かであるにもかかわらず、熱帯林の土壌は栄養分が少なく、焼畑に非常に弱くなっていることがよくある[3]。
熱帯林の植生には、次のようなものがあり、熱帯植生には、以下のような生息地が含まれる場合がある。 熱帯雨林の生態系は、しばしば高い種の固有性 季節性熱帯林は一般に総雨量が多く、年間平均1000 mm以上であるが、明確な乾季を持つ[7]。コンゴの森は、コンゴ川の流域に広がる高地の熱帯湿潤広葉樹林 熱帯乾燥広葉樹林は、特に乾季に、森林被覆があまり密ではなく、しばしば手入れされていない不規則な外観を持つ領域である[8]。このタイプの森林にはしばしば、中央インドシナ乾燥林の一部であるフィ・パン・ナム山脈
熱帯雨林
季節的な熱帯林
熱帯乾燥広葉樹林
熱帯の草原、サバンナ、潅木地帯種も含まれる[10]。代表的なものとして、ザンビアやアンゴラの西ザンベジ草原(英語版)、オーストラリアのアイナスリー高地サバナ(英語版)、アメリカ合衆国のエバーグレード等がある。これらの生態系には、地域によってアカシアやバオバブなどの樹種が存在することがある。
トロピカルガーデンポルトガルのマデイラ島にあるトロピカルガーデン
トロピカルガーデン[11](Tropical Garden)は、熱帯植物を特徴とし、激しい雨や水やりに適切な灌漑やスプリンクラーを必要とするタイプの庭園の一種である。これらの庭園は一般的に肥料と重いマルチングを必要とする。
トロピカルガーデンは、もはや熱帯地域だけのものではない。冷涼な気候でも多くの園芸家は、適した植物や花を慎重に選ぶことで、熱帯のガーデンデザインを採用している。主な特徴としては、非常に大きな葉を持つ植物、庭の奥に向かって高さを増していく植生、密集した庭を作ることなどが挙げられる。大きな植物に小さな木がぶら下がっており、太陽の光が地面に直接当たるようになっている。 熱帯植物で、トロピカルガーデンや室内用植物として利用できるものを紹介する。 ホヤ(サクララン属)は、その質感と現実離れした外観から「ワックスフラワー」として知られている。比較的暖かく湿度の高い環境を必要とするが、品種によっては雨季の数ヶ月間、激しい降雨に耐えることができ、また長い乾燥期間にさらされることもある。一般に室内植物で使われている。間接照明を必要とするが、その必要光量は品種によって異なっている。少量の水は必要とし、土壌はやや乾燥気味に保つ。大きすぎない植木鉢やハンギングバスケットで栽培することが可能。最低温度が15℃(華氏59度)で、温度管理が保たれればよりよく成長する。 通説に反して、成長するバナナ木の栽培は困難でもないので、自分のバナナを楽しむことが可能[12]。またこれらの植物は風防としても使用できるメリットがある。肥沃な土壌、大量のマルチングと有機物、大量の窒素とカリウム、暖かい温度、高い湿度、大量の水、そして他のバナナ植物からのシェルターを必要とする。バナナは強い風や極端な天候(暑すぎたり寒すぎたり)にさらされてはならず、理想的な温度は摂氏26から30℃(華氏78から86度)であるとされており、摂氏14℃以下では成長が止まる。バナナ根茎は直立して植えられ、その根は土でよく覆われていなければならない[13]。 一般にゴクラクチョウカ属と呼ばれる多くの種の中に、南アフリカと南アメリカの固有植物であるストレリチア・レギナエ (Strelitzia reginae シダは、庭の葉を美しくするためによく使われる。ほとんどのシダ植物は手入れが簡単。基本的に直射日光に長時間当てないようにし、さらに土は常に湿っている必要がある。シダを湿らせておく 1 つの方法は、シダに霧吹きをすること[15]。 パパイヤの木は、風や冬の凍結がなく、暖かく保てる場所に植える必要がある。葉を支えるのに十分な水が必要であるが、根腐れを起こす可能性があるので、過湿は禁物。また、水はけの良い土壌も必要である[16]。 夜間温度は12?18℃、昼間温度は23?26℃が、ランの栽培に適した温度。ランは十分な光量と湿度を必要とする。しかし、ランにも多くの品種があり、それぞれに特定のケアが必要[17]。 トロピカルガーデンは、植物の生息地と気候が異なれば異なるほど、作るのも維持するのも難しい庭のひとつである。健康的なトロピカルガーデンの鍵は、十分な光と水である。
適した植物
ホヤ植物
バナナ植物
ゴクラクチョウカ(Bird of Paradise)
シダ植物
パパイヤの木
ラン科植物
メンテナンス
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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