煮物(にもの)または煮物料理(にものりょうり)とは、煮て調理された料理。
水(調味料を入れたり出汁を使用する場合も)に食材を入れて加熱する。加熱した食材だけでなく、加熱に利用した液体(つゆ、汁)も利用する場合がある。目次 水などの液体を加熱して沸騰させる事を煮るといい、この調理法で作った料理を煮物(他、鍋料理など)と呼ぶ。食材への更なる食味浸透を目的に、時間をかけて煮ることを煮込み(にこみ)と呼ぶ。蒸発を目的として煮る調理法を煮切り(にきり)と呼ぶ。 中国江西省の洞窟遺跡で世界最古と思われる2万年前の土器が見つかっており、北海道の大正遺跡群の調査によって土器が最初に料理に使われたのは1万4000年前であるとされている。オランダ・フローニンゲン大学のピーター・ジョーダン
1 調理法
2 煮かた一覧
3 用語
4 代表的な煮物
5 慣用句
6 格言・ことわざ
7 食物以外での煮沸
8 脚注
9 参考文献
10 関連項目
調理法
煮物には様々な種類がある。一般的な日本料理の煮物は、だしに加え、醤油、日本酒、みりん、砂糖や味噌、塩、しょうが汁、油などを味付けとして使う。技法は素材の色や風味を生かすよう、だしや薄口醤油を使用した薄い煮汁で煮る方法(おでんや風呂吹き、煮びたし等)、砂糖や濃口醤油を使い、素材に濃い味が染み込むように加熱調理する方法(煮つけ、煮しめ、肉じゃが等)、その他の素材に応じて幅広い方法がある。多くの素材では、ずっと火にかけ通しても煮崩れるだけで、味はそれほど急に染み込むことは無く、いったん火からおろして冷める間に味がしみ込むので改めて火にかける、もつ煮の場合は煮崩れは少ないものの、味がしみにくいので弱火で長時間煮るなど、素材に合わせた火加減が重要で、あるいは野菜の煮物にみりんを使うと身が絞まり固くなりやすいので使用を避けるなど、調理の手法はさまざまで、単に作るだけならば簡単ではあるが、美味しくかつ見栄え良く作るのは難しい料理である[2]。
「煮炊き」は、おかずを煮たり飯を炊いたりすること[3]。煮て煮物と炊飯をして飯作る、炊事・料理を指す方言がある。焚く(火で加熱する)・炊く(炊飯など米類を食べられるように煮る)という言葉を、特に西日本で使用することがあり[4]、煮ることを「焚く(たく)」、煮物のことを「たいたん(=焚いた物)」ということがある。 煮物は最も一般的な料理であるため、煮る方法によって様々な呼び名がつけられている。
煮かた一覧
煮込み(にこみ)
比較的大きく切った食材をたっぷりの煮汁で長時間煮た料理。
煮付け(につけ)
最初から少量の汁で甘辛く、煮汁が少し残るまで濃く煮た料理。煮魚に多く用いる。煮染めより短時間。
含め煮(ふくめに)
素材の色や味を生かし、中までしみこませるよう、ゆっくりと弱火で薄目の汁で煮る料理。
煮しめ(にしめ)
野菜や乾物を、日持ちをよくするため、濃い味で汁がなくなるまで煮つめる料理。
煮浸し(にびたし)
薄味の汁でさっと煮て、そのまま煮汁の中で食材を冷まして、また器に盛り煮汁をかけて味をしみ込ませる料理。あくで煮汁の色が悪くなるのを防ぐ。
炊き合せ
複数の食品を、それぞれ別の鍋で煮て、1つにした料理。日本料理の調理法。[5]それぞれの食材の持ち味を活かした方法で煮あげる。
煮きる
和え物、酢の物など加熱しない料理の場合、みりん、酒などは、アルコール分をとばしてから加える。そのために鍋に入れて煮立てたり、急ぐときやかるく焦して香りを高くするときは鍋をかたむけ、火をいれたりする。
煮詰める
煮汁の水分をとばしつつ味を凝縮させる。
煮転がす
煮くずれしにくい食材を少量の煮汁で焦げ付かないように鍋をゆすりつつ煮詰める。
用語
煮えばな
煮汁が沸騰する直前をいう。味噌汁はこのときがいちばん味噌の香りがして美味であるといい、煮えばなをすくう。
ひと煮立ち
煮汁をいちど沸騰させてからほんのちょっとの間、煮る。
代表的な煮物 ぜいたく煮
昆布巻き
おでん
シチュー
カレー
ポトフ
ボルシチ
ロールキャベツ