この項目では、植物について説明しています。
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タバコ
タバコ
分類
界:植物界 Plantae
門:被子植物門 Magnoliophyta
タバコ(煙草、スペイン語: tabaco、ポルトガル語: tabaco、学名:Nicotiana tabacum)は、ナス科タバコ属の熱帯地方原産の植物[1]。栽培種としては一年草として扱われているが、原産地では多年草の植物である[1][2]。葉の成分として、強い依存性があるニコチンを含む[3]。
Nicotiana tabacum はリンネの『植物の種』(1753年) で記載された植物の一つである[4]。
日本の法令上の平仮名表記は、たばこ事業法2条1号によりタバコ属の植物を指し、その葉は「葉たばこ」(同法2条2号)である。カタカナ表記は農作物として耕作し、葉たばこを得、それを原材料として製造たばこを得る基盤となるタバコ属の植物を指す。そして、その加工製品は製造たばこで、同法2条3号によって「葉たばこを原料の全部又は一部とし、喫煙用、噛み用又は嗅ぎ用に供し得る状態に製造されたもの」と規定される。 日本語のタバコの直接の語源はスペイン語やポルトガル語の「tabaco」である。「NOVO DICIONARIO DA LINGUA PORTUGUESA」によるとタイノ族のtabacoに由来する語で、インディオのY字型の喫煙具のことを意味した[5]。 スペイン語の「tabaco」自体の由来についてははっきりしない[6]。伝統的に行われている説としては、カリブ海で話されていたアラワク語族の言語の一種(おそらくタイノ語)でタバコの葉またはパイプを意味する語を借用したというものがあるが、「tabaco」の語は大航海時代以前の1410年ころからすでにスペインやイタリアで使われており、アラビア語で一種の薬草を意味した「?abb?q」または「?ubb?q」に由来するともいう[7]。 この単語がフランス語では「tabac」、ドイツ語では「Tabak」、英語では「tobacco」となった。 日本ではスペイン語やポルトガル語の音に近い「タバコ」として広まった。漢字の当て字としては「多巴古」、「佗波古」、「多葉粉」、「莨」、「淡婆姑」などが用いられる事があるが、「煙草」と書かれる事が最も多い。中国語では「香煙」と呼ぶ。なお、山口県の一部地域には「煙草谷」(たばこたに)という姓がある。 タバコはナス科タバコ属(Nicotiana
名称・語源
生物的特徴タバコの果実タバコの種子
タバコ属には約50の種が含まれるが、大規模に栽培される種は、タバコの他とNicotiana rustica(ルスティカタバコ、マルバタバコ)の2種に限られる。Nicotiana tabacumはシルベストリス(N-sylvestris)という野生種と、トメントシフォルミス (N-tomentosiformis) など、トメントーサ節の野生種とを祖先とする複二倍体である[8]。
タバコの種子の形状は回転楕円体である。質量は約50 μg。タバコの種子は光を感知するため発芽には太陽光が必要である。発芽温度は25℃である。
成長すると茎は直立して草丈はおよそ 2 mになる[1]。茎は繊維質で、薪などの代わりとして炊事などに利用されてきたが、電気やガスの普及に伴い利用価値は無くなっており、そのまま次期の肥料として畑に廃棄される。
葉は約30 cmの大きさの楕円形[1]。葉は30枚から40枚が着生し、このうち、葉たばことして採取するのは約6割である。これは位置によってニコチンの含有量が異なるためである。日本国内では葉を5種類に区別し、上から上葉・本葉・合葉・中葉・下葉と呼ぶ。上葉は6%程度、下葉は1%程度のニコチンを含む。葉の長さは20 cmから60 cm、幅は10 cmから30 cm程度である。葉の表面には液を分泌する細胞があり、特有の臭気を帯びる。また、葉には腺毛が多数あり、空気中のポロニウム210を吸着することが知られている[9]。
花は夏期に総状花序で茎の先端部分に付く[1]。花冠の形状は漏斗に似ており先端が五裂する[1]。色は種類によって異なるが、栽培種では基部が白く、先端は淡紅色のものが多い[1]。果実1つ当り3000粒程度の種子を含む。 全草にニコチンを含んでおり、誤食すると嘔吐や下痢などの症状を起こす[1]。また、誤食により筋肉の痙攣や麻痺といった症状が現れることがある[1]。 この毒性によって、虫害が防がれる[10]。喫煙による影響については「喫煙」を参照 葉がタバコに似ているところから名付けられたものに以下のようなものがある。 先述のように喫煙用の葉タバコの主な栽培種には Nicotiana tabacum(ニコチアナ・タバカム)と Nicotiana rustica(ニコチアナ・ルスチカ) の2種がある[11][12]。 葉タバコの主な品種にはNicotiana tabacum 種(ニコチアナ・タバカム)に属する黄色種とバーレー種、さらにオリエント種などがあり、世界の生産量は黄色種が約6割、バーレー種が1割強、オリエント種が1割弱、残り2割が在来種とその他品種となっている[11][12]。
毒性
関連する名前
イワタバコ(イワタバコ科)
ヤブタバコ(キク科)
栽培たばこ畑(関東地方 6月)伊江島のタバコ畑
品種
黄色種 - 葉は肉厚で鮮明な黄色を呈しており還元糖の糖含量が高い品種[11][12]。温帯地域を中心に世界でも最も多く栽培されている品種[11][12]。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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