無聲 The Silent Forest
タイトル表記
繁体字無聲
?音Wush?ng
注音符号Bo?sia?
英題The Silent Forest
各種情報
監督コー・チェンニエン
『無聲 The Silent Forest』(むせい ザ・サイレント・フォレスト、原題:無聲、英題:The Silent Forest)は、2020年の台湾映画。
台湾のろう学校である国立台南特別学校において、実際に起きた性的虐待事件を基にしている[2]。
監督は、世新大学で映画を学び、2014年に制作した『溺境』で第37回金穂奨優等賞を受賞した[3]コー・チェンニエン(中国語版)。
2020年、第57回金馬奨で、最優秀新人俳優賞、最優秀音響賞を受賞した[4]。
2021年、台北映画祭で最優秀新人俳優賞を受賞[5]、第15回アジア・フィルム・アワードで最優秀助演男優賞を受賞した[6]。 聴覚障害者(ろう者)の少年チャンは、電車から降りて逃げる老人を追い、捕まえると殴り始めた。駆けつけた警察に老人とともに連行されたチャンは、手話で何とか事情を説明しようとするも伝わらない。そこへチャンの転校先の教師ワンが呼ばれ、チャンに代わって老人がスリだったことを説明する。警察から放免され、ワン先生とろう学校にやって来たチャンは、ろう者の生徒たちが楽しそうに学校生活を送っている光景を目にし、普通学校での辛い体験から解放された新しい生活に期待を抱く。その夜、学校のパーティーに招待されたチャンは、まだ友人がいないため溶け込めなかったが、同級生の少女ベイベイに心惹かれる。 翌日、チャンはスクールバスの中でベイベイが友人たちと楽しそうにしているのを見る。彼女は途中、バスから台湾の伝統芸能、歌仔戯を見ていた。授業中、ベイベイが鼻をつまんで息を止めているのを発見したチャンは訝しむ。その夜、眠れなくなって起きたチャンは、携帯電話がつながらないためWi-Fiスポットを探し学校の廊下を歩いていると、トイレから光が漏れているのに気付く。不審に思ったチャンだったが、校舎の下から懐中電灯を点滅させて呼ぶベイベイに気付き、何が起こっているのか尋ねると、彼女はただ遊んでいるだけだと答える。ベイベイはプールに入り、泳ぐ練習をしたいと話題を変え、二人は打ち解ける。 翌日、バスに乗っていたチャンは、後方で制服のジャージが吊り下げられ奥が見えないように仕切られているのに気付く。チャンは中を覗くと、ベイベイが男子生徒にレイプされているのを発見する。主犯格の生徒ユングアンは、黙っているように無言で諭す。チャンは恐怖のあまりその場を去る。同乗している教師も気付いているようだが、何もしない。しかし、その後もベイベイと男子生徒たちが何事もなかったかのように学校生活を送っているのを見たチャンは、不信感をあらわにしてユングアンを睨む。その態度が気に食わないユングアンは、夜中チャンをベッドから引きずり出し虐待行為に巻き込もうとするが、警報装置が鳴り辛うじて助かる。このような悲惨な状況をなぜ教師に訴えないのかチャンに尋ねられたベイベイは、レイプされることを除けば良い友人たちなので黙っているのが得策だと答える。 次の日、チャンは事件を暴露しようとベイベイを連れてワン先生のもとへ行くが、彼女は黙秘する。しかし、チャンの説得により、レイプに至った経緯とそれを他の教師に訴えたが聞き入れられなかったことを明かした。ワン先生は校長に報告し、数日後、生徒全員に聞き取り調査をすると、多くがレイプや性的虐待の被害に遭っており、その数は127件にも及んでいた。主犯がユングアンだと判明したものの、事情を聞かれた彼は不遜な態度ではぐらかす。ユングアンの両親が呼び出され注意を受けたが、そのことでチャンは報復を受ける。ベイベイの祖父は、彼女を休学させる。 チャンはベイベイを映画に誘うが、鑑賞中にやって来た別の客に自分たちが予約した席だと言われる。耳の聞こえないチャンは、何とかコミュニケーションを取ろうとするが失敗し、周囲の観客から迷惑がられる。居た堪れなくなったベイベイはその場を去る。外に出たチャンはベイベイから、普通の社会には居場所がなく学校に戻りたいと告げられる。チャンはワン先生を通じて、ベイベイの祖父に学校への復帰を頼む。しかし祖父に断られ、チャンは直談判するが、言葉が通じない状況に苛立った祖父はチャンを払い除けてしまう。その反動で人にぶつかり補聴器を落としてしまったチャンは、拾う際に周囲の状況を把握できず台車と衝突してトラブルになる。
ストーリー