無断リンク
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ウィキペディアにおけるいわゆる無断リンクに関する方針については、「Wikipedia:外部リンク」をご覧ください。

無断リンク(むだんリンク)とは、リンク先のウェブサイトの運営者等の許可を得ることなくリンク(クリッカブル・リンク)を張る行為[1]。ここでいうリンクはHTMLによるハイパーリンクである。

リンクフリーという和製英語が無断リンクの許可を意味する言葉として用いられる[2][3]
法的問題点の有無
WEB空間の性質

Webの設計者ティム・バーナーズ=リーの発言[4]があるように、元々Webには無断リンクという考え方はない。"There is no reason to have to ask before making a link to another site"(和訳:他のサイトへのリンクを貼る際にお伺いをたてる必要はない。)

東北大学のページにティム・バーナーズ=リーの発言が一部翻訳されている[5]

Webに公開している時点ですでに誰でもそのサイトやファイルにアクセスできるインターネットの特性上、特に断りを入れずリンクすることに法的問題はない。何らかの理由で被リンク側がそれを嫌う場合は、前述のように技術的な方法など用いてそれをできなくさせるか、リンクされても著作権をある程度証拠として示せるように署名を入れるなどの対応をする必要がある。無断リンク拒否の意思をサイトに明記しておくことも対応の一つであるかもしれないが、それには拘束力・強制力のたぐいはほぼ無い。詳しくは著作権情報センターのリンクに対する文面を参照。ホームページに情報を載せるということは、その情報がネットワークによって世界中に伝達されることを意味しており、そのことはホームページの作成者自身覚悟しているとみるべきだからです。リンクを張られて困るような情報ははじめからホームページには載せるべきではなく、また載せる場合であっても、ある特定の人に対してのみ知らせようと考えているときは、ロック装置を施してパスワードを入力しなければ見られないようにしておけばよいだけのことではないでしょうか。 ?  ⇒http://www.cric.or.jp/qa/multimedia/index.html
リンキングと法的な扱い

リンキングの扱いはヨーロッパや日本など地域により違いがあり、議論の構造も全く異なると指摘されている[1]
日本法

リンクを張る行為は、閲覧を希望するものが、発表済みの情報にたどり着けるように、情報のウェブ上の位置を示すことであり、World Wide Webの性質からこれを制限したり禁じたりするような法律は無い[6][リンク切れ]。

法的には「リンクお断り」等の表示の有無を問わず、原則としてリンク先の承諾は不要で通常は著作権侵害には当たらないとする見解が一般的である[7]。ただし、後述のフレーム内リンクのように著作権侵害が問題となるケースもある[8]
著作権との関係

著作権との関係については次のように考えられている。
複製権(複製禁止権)との関係
リンク元はリンク先のコンテンツをコピーして自らのコンテンツ内に掲載しているわけではなく、コピーしたものを閲覧者に送信しているわけではないので通常は複製権(複製禁止権)を侵害しない
[7]。また、URLやドメイン名には創作性がないとされているので複製権(複製禁止権)の侵害とはならない[7]
公衆送信権(公衆送信禁止権)との関係
閲覧者はリンク元のリンクをクリックすることでリンク先へと飛び情報を受信できるが、その情報を閲覧できるのはリンク先が閲覧者に対して表示を許可している結果であり公衆送信権(公衆送信禁止権)を侵害しない[9]。仮にリンク先が特定の閲覧者に限定して公開したいのであれば、IDとパスワードを要求すべきで、そのような措置を講じないままリンクを違法視することはできないとされる[9]。ただし、2018年(平成30年)1月30日の東京地方裁判所判決では無許諾でアップロードされているソフトウエアのURLを教示する行為について公衆送信権侵害を認定しており、リンキングについても公衆送信権の侵害となる可能性があると指摘されている[1]

なお、フレーム内リンクのようにリンク先の情報がリンク元の著作物の一部であるかのような誤解を招くものであるときは翻案権(翻案禁止権)、同一性保持権、氏名表示権を侵害するおそれがある[8]
その他の権利等との関係

2006年2月、経済産業省は「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」を改定し、「他人のホームページにリンクを張る場合の法律上の問題点」を追加。[10]リンクは原則的に自由だが、不正に利益を得たりリンク先に損害を与えるといった目的がある場合、またはそのように解される方法でリンクしている場合には、不正競争防止法・商標法・著作権法などにより法的な問題が発生する可能性があるとして注意喚起している。[11]この例として消費者金融事業者が経緯なく地方金融機関のリンクを表示する行為、風俗事業者のサイトが現実の女学校HPのリンク集を表示する行為などが挙げられている。
EU法
公衆への伝達権との関係

情報社会指令 (Directive 2001/29/EC of the European Parliament and of the Council of. 22 May 2001 on the harmonisation of certain aspects of copyright and related rights in the information society)3条1項に定められた「公衆への伝達権」の範囲をめぐって判断が行われる[1]。「公衆への伝達権」は「有線又は無線の方法による著作物の公衆への伝達 (公衆のそれぞれが選択する場所及び時期において著作物へのアクセスが可能となるような状態に当該著作物を置くことを含む。)を許諾し又は禁止する権利」と規定されている[1]
判例

2014年、無断リンクが公衆への伝達権の侵害になるかが争われた事件について欧州司法裁判所の判決が出された(Svensson判決)[1]。.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この節の加筆が望まれています。

無断リンクの是非についての論争
リンクに関する主張

ネチケットの観点から、自分のウェブサイトへのリンクが作られることに対するウェブサイトオーナーの希望を尊重するよう財団法人インターネット協会は2001年に呼びかけた[12]

2003年前後に、無断リンクを控えるべきだという無断リンク否定派の立場と、そのような主張は無効であるという無断リンク許容派の立場がブログなどを舞台として論争を巻き起こした。否定派はインターネット上での儀礼的無関心の一環として無断でリンクをはられることを拒んでいるならそっとしておくべきだと主張し、肯定派はそもそもインターネットの設計思想からしてリンクするにも許可を要するのはナンセンスであると主張した(特に技術的な設計思想を過剰に強調する立場は俗にモヒカン族などといわれる)。[13]

騒動の発端となったのは、松谷創一郎が「人目につくことを好まないAさんがひっそりとネット上で執筆している日記に、アクセス数の多いBさんの日記から無断でリンクが設置され、その影響でAさんの日記のアクセス数が激増し嫌気がさしたAさんは日記を削除し執筆をやめてしまった」という状況を想定し、通常は物理的な公共空間で要求される儀礼的無関心がインターネット上でも求められてもいいのではないかという問題提起を行ったことによる[14][15]

セキュリティ研究者の高木浩光によれば、無断リンク肯定派が挙げる根拠は以下のようなものである[16]
公表された著作物の適法な引用・参照は自由であり、リンクを設置する行為は単なる参照の一種に過ぎないので問題は無い

著作権の関係から無断リンクは適切ではない」とする誤った解釈によるリンクポリシーの説明がしばしば見られ、それが不適切であるということを示す必要がある

インターネットが公共のものであるという意識を共有するためには無断リンク禁止の環境は不適当である


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