無効電力
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電力
electric power
量記号P
次元L2 M T−3
種類スカラー
SI単位ワット(W)
CGS単位エルグ(erg/s)
FPS単位フィート・パウンダル毎秒(ft pdl/s)
MKS重力単位重量キログラムメートル毎秒(kgf m/s)
FPS重力単位フィート重量ポンド毎秒(ft lbf/s)
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電力(でんりょく、: electric power)とは、単位時間電流がする仕事(量)のことである[1]。なお、「電力系統における電力」とは、単位時間に電気器具によって消費される電気エネルギーを言う[2]国際単位系(SI)においてはワット[W] が単位として用いられる。

なお、電力を時間ごとに積算したものは電力量(electric energy)と呼び、電力とは区別される。つまり、電力を時間積分したものが電力量である。目次

1 概要

1.1 電力消費量

1.1.1 国別

1.1.2 家庭での電力の消費量

1.1.3 節電


1.2 電力化率


2 定義

2.1 定常電流の電力

2.2 正弦波交流電流の電力

2.2.1 有効電力 (effective power)

2.2.2 無効電力 (reactive power)

2.2.3 皮相電力 (apparent power)


2.3 非直線性回路の電力

2.4 固有電力 (intrinsic power)


3 電力利用の歴史

4 電気エネルギーシステム

5 脚注

6 参考文献

7 関連項目

概要 屋根にソーラーパネルを設置して自家発電している家 家庭で用いられることのある小さな風力発電機

専門用語では、「電力」とは単位時間電流がする仕事(量)のことである。単位はWワット)であり[1]、電圧Vの電源から電流Iが流れているとき、電力はV・Iというで表せる[1]。つまり電力は、電圧電流である[3](物理学概念の分類体系で言うと、仕事率 (power) に分類されるわけである)。なお、一般用語(非専門用語)では、「電力」が、電気の形で伝えられるエネルギーを指していることも多い。なお専門用語ではこのエネルギーに関しては「電力量」と呼び分けて区別している。

一般的に言うと、電力は電池発電機で作られている。電力は個人が小規模に作ることも可能である。たとえばソーラーパネルや小さな風力発電機小さな水力発電機などを用いて、家庭で消費する電力をまかなったり、家庭で消費する以上につくり余剰分を販売することもできる。

電力を商品として(供給販売することで収益売上)や利益を得ている会社を電力会社と言う(世界的に見ると電力会社には様々な規模のものがあり、大手もあれば小規模のものもある。日本では小規模のものとしてPPS特定規模電気事業者)という位置づけのものが登場した。)。
電力消費量

2012年時点での全世界の電力消費量は20兆9千億kWhである[4]
国別

電力の消費量が多い順に国を挙げると中国、アメリカ合衆国、日本、ロシア、インドとなる[4]

ただし、国民一人当たりの電力消費量の多い順に挙げると、カナダ、アメリカ、韓国、日本の順になる[4]。カナダは、湖や河川など豊富な水資源に恵まれていて電気料金が安いので一人あたりの消費量が特に多いのである[4]。一方、中国は一人当たりの電力消費量は世界平均ほどだが、国民の人数が大きいので国全体の電力消費量が大きくなっている(なお中国は急速に経済成長しているので電力不足が深刻化している)[4]
家庭での電力の消費量

家庭での電力の消費の量やその内訳というのは、国、地域、季節、日々の気温ごとにかなり異なっている。

参考までに、日本の家庭の一世帯あたりの電気消費量は、平成21年度(2009年4月?2010年3月、冷夏暖冬であった期間)の通年では4,618 kWh/世帯であった。内訳としては、大きいものから電気冷蔵庫14.2%、照明器具13.4%、テレビ8.9%、エアコン7.4%と試算された[5][6]。なお、同じ日本の家庭の消費電力の内訳でも、夏で最大需要が発生する日の日中(14時ころ)の消費電力の内訳は、資源エネルギー庁推計によると、エアコン53%、冷蔵庫23%、テレビ5%、照明5%だとのことである[7]

国ごとの大まかな統計資料は「消費電力」の記事に掲載している。「消費電力」も参照
節電

電力を節約すること、電力消費量を減らすことを節電という。
電力化率

全エネルギー供給に占める電気エネルギーの割合を電力化率という[8]
定義

電気回路において電力を供給する装置を電源 (electric source)、電力を消費する装置を負荷 (electrical load)と呼ぶ。
定常電流の電力

直流回路の中でも特に電圧や電流が時間的に変化しない定常電流の回路[9]においては、電力は時間に関わらず P = V I = I 2 R = V 2 R {\displaystyle P=VI=I^{2}R={\frac {V^{2}}{R}}} ただし、P : 電力[W]、V : 電圧[V]、I : 電流[A]、R : 抵抗[Ω]

となる。
正弦波交流電流の電力

交流とは、時間ともに大きさと向きが周期的に変化する電圧または電流を言う[10]。そのため、三角波やのこぎり波も交流となるが、大きさが時間と共に正弦波 (sine wave)状に変化する交流を特に正弦波交流と呼ぶ[11]交流回路に代表される電圧や電流が時間的に変化する回路においては、電力も時間に依存して変動をすることから[12]、定常な場合と違って様々な量が定義される。

ここで、電圧の波高値 (peak value)を Vm、電流の波高値を Im そして周期(period)を Tとする。さらに、瞬時電力 (instantaneous electric power)を p(t) で表す。なお、瞬時電流 (instantaneous current)を i(t)、瞬時電圧(instantaneous voltage)を v(t) とすれば、 p ( t ) = v ( t ) ⋅ i ( t ) {\displaystyle p(t)=v(t)\cdot i(t)}

が成り立つ。
有効電力 (effective power)


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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