無作為
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ランダム(英語: Random)とは、事象の発生に法則性(規則性)がなく、予測が不可能(英語版)な状態である[注釈 1]。ランダムネス(英語: randomness)、無作為性(むさくいせい)ともいう。

事象・記号などのランダムな列には秩序がなく、理解可能なパターンや組み合わせに従わない。個々のランダムな事象は定義上予測不可能であるが、多くの場合、何度も試行した場合の結果の頻度は予測可能である。例えば、2つのサイコロを投げるとき、1回ごとの出目は予測できないが、合計が7になる頻度は4になる頻度の2倍になる。この見方では、ランダム性とは結果の不確実性の尺度であり、確率情報エントロピーの概念に適用される。

数学、確率、統計の分野では、ランダム性の正式な定義が使用される。統計では、事象空間の起こり得る結果に数値を割り当てたものを確率変数(random variable[注釈 2])という。この関連付けは、事象の確率の識別および計算を容易にする。確率変数の列をランダム系列(英語版)(random sequence)という。ランダム過程(不規則過程、確率過程)は、結果が決定論的パターンに従わず、確率分布によって記述される進化に従う確率変数の列である。これらの構造と他の構造は、確率論や様々なランダム性の応用に非常に有用である。

ランダム性は、よく定義された統計的特性を示すために統計で最も頻繁に使用される。ランダムな入力(乱数発生器(英語版)や擬似乱数発生器など)に依存するモンテカルロ法は、計算科学などの科学において重要な技術である[1]。これに対し、準モンテカルロ法(英語版)では乱数列ではなく一様分布列を使用している。

無作為抽出(random selection)は、ある項目を選択する確率が母集団内におけるその項目の割合と一致している集団から項目を選択する方法である。例えば、赤い石10個と青い石90個を入れた袋に入れた場合、この袋から何らかのランダム選択メカニズムによって石を1個選択した時にそれが赤い石である確率は1/10である。しかし、ランダム選択メカニズムによって実際に10個の石を選択したときに、それが赤1個・青9個であるとは限らない。母集団が識別可能な項目で構成されている状況では、ランダム選択メカニズムは、選択される項目に等しい確率を必要とする。つまり、選択プロセスが、母集団の各メンバー(例えば、研究対象)が選択される確率が同じである場合、選択プロセスはランダムであると言うことができる。
歴史詳細は「ランダム性の歴史(英語版)」を参照ポンペイでサイコロ遊びをする人を描いた古代のフレスコ画

古代の歴史において、偶然性とランダム性の概念は運命の概念と絡み合っていた。古代、多くの人々は運命を決定するためにサイコロを投げたが、これは後に偶然性を利用したゲームに発展した。古代のほとんどの文化では、ランダム性と運命を回避するために様々な方法の占いを行っていた[2][3]

3000年前の中国人は、おそらく、確率や偶然性を形式化した最も初期の人々だった。ギリシャの哲学者は、長さのランダム性について議論したが、非定量的な形でしかできなかった。16世紀になってイタリアの数学者たちは、様々な偶然性を利用したゲームに関連する確率を公式化し始めた。微積分の発明は、ランダム性の形式化の研究に良い影響を与えた。ジョン・ベンは著書 "The Logic of Chance" の1888年版で、乱数の概念についての章を書いた。その章には、2次元のランダムウォークを構築するのに円周率の数字のランダム性を使うことも含まれていた[4]

20世紀初頭、確率の数学的基盤への様々なアプローチが導入されたことにより、ランダム性の形式的分析が急速に拡大した。20世紀半ばから後半にかけて、アルゴリズム情報理論のアイデアは、アルゴリズム的ランダム性という概念を介して、この分野に新しい次元をもたらした。

何世紀にもわたって、ランダム性は邪魔なもの・有害なものと見なされてきたが、20世紀にコンピュータ科学者は、ランダム性を意図的に計算に導入することが、より良いアルゴリズムを設計するための効果的なツールになることを認識し始めた。このようなランダム化されたアルゴリズムは、最良の決定論的手法よりも優れている場合もある。
科学

多くの科学の分野がランダム性に関係している。

アルゴリズム的確率

カオス理論

暗号理論

ゲーム理論

情報理論

パターン認識

確率論


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