無人宇宙補給機
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無人宇宙補給機(むじんうちゅうほきゅうき、英語: Unmanned resupply spacecraft)とは、宇宙ステーションに機材や物資などを補給するために設計された無人宇宙機。「無人」とある通り有人飛行は想定されていないが、宇宙ステーションとドッキングしている間は与圧部に人が出入りできるようになっている。

1978年1月20日に打ち上げられたプログレス1から始まり、過去にはサリュート6号サリュート7号ミール天宮2号の補給に、そして現在は国際宇宙ステーション (ISS) と中国宇宙ステーション (CSS) の補給に使用されている。打ち上げられた機体のほとんどは、旧ソ連ロシア連邦プログレス補給船である。
運用中

ロシアプログレス補給船[1] : 1978年1月20日運用開始。

有人宇宙船のソユーズを新機能のテストなどで無人で打ち上げる必要が生じた際、併せて宇宙ステーションへの補給を行うミッションが過去に数回実施されている(ソユーズ20号ソユーズT-1ソユーズTM-1ソユーズMS-14)。


アメリカスペースXドラゴン2 : NASAの商業乗員輸送開発 (CCDev) に基づいてスペースX社が開発した有人宇宙船であり、商業補給サービス (CRS) を行う。COTS計画によって開発されたドラゴンの後継機でもある。

2019年3月2日 (UTC) に有人仕様のドラゴン2(クルードラゴン)の試験機が無人で打ち上げられ、ISSへ180 kg ほどの物資や機器を輸送した[2]。2020年5月30日 (UTC) には有人打ち上げに成功し、有人機としての運用を開始した。さらに、この有人型ドラゴンから脱出機構を省略した無人仕様の同型機による新型ドラゴン補給船(カーゴドラゴン)が2020年12月6日に打ち上げられ、CRSでの運用を開始した[3]

アメリカ航空宇宙局2011年スペースシャトル退役以降、宇宙ステーションへの補給手段を自身で保有しておらず、民間のスペースXオービタル・サイエンシズに委託している。


アメリカのオービタル・サイエンシズ(当時[注 1])のシグナス : 2013年9月18日に打ち上げられ初補給。ドラゴンと同じく商業軌道輸送サービス (COTS) 計画により開発され、商業補給サービス (CRS) を行う。

中国の天舟 : 天宮計画の無人補給船。日本のHTVを上回る輸送重量を持つとされる[4]

2017年4月20日に試験機である天舟1号長征7号で打ち上げられた。これはすでに無人化している天宮2号に対するミッションだったが、ドッキング試験のみならず、実際に燃料の「補給」も任務に含まれた[5]。22日にドッキング成功[6]

2021年5月29日に打ち上げられた天舟2号が翌30日に中国宇宙ステーションへドッキングし[7]、補給船として実用的な運用が始まった。


アメリカのCST-100スターライナー : NASAの商業乗員輸送開発 (CCDev) に基づきボーイング社が開発する有人宇宙船。2019年に試験機が無人でISSへの補給ミッションを試みており、打ち上げには成功したが、このときの輸送は失敗した。その後、2022年5月のミッションで無人での物資輸送に成功した[8]

運用終了


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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