点火装置
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点火装置(てんかそうち、: Ignition system)は燃料点火するための装置の総称である。火花点火内燃機関では混合気が充填された燃焼室内に放電することで点火し、石油ストーブでは灯油電熱線で熱して点火するなど、燃料を用いる多くの装置に用いられる。目次

1 火花点火内燃機関

1.1 種類

1.1.1 マグネトー式点火装置

1.1.2 切り替え式点火装置

1.1.3 バッテリー式点火装置

1.1.4 機械制御式点火装置

1.1.5 電子制御式点火装置

1.1.6 CDI式点火装置

1.1.7 ダイレクトイグニッション


1.2 ECUによる点火時期制御


2 ガスタービンやジェットエンジンの点火装置

3 関連項目

4 脚注

5 外部リンク

火花点火内燃機関

内燃機関の点火装置は、最初期はグローエンジンの焼玉などに代表される加熱管を直火で熱する方法がとられていたが、19世紀末に電気火花を用いた方式が開発されるとほぼすべてのガソリンエンジンで用いられるようになり、火花点火内燃機関と分類されるようになった。
種類
マグネトー式点火装置

マグネトー式点火装置は磁石コイルによる電磁誘導によって電気を発生する方式である。詳細は「マグネトー」を参照
切り替え式点火装置

マグネトーにより発生する点火電圧はエンジンの回転数に依存するため、初期のマグネトーにおいては始動時などの極低回転時には点火電圧が不足しがちになる問題点があった。その為、1908年登場のフォード・モデルTなどの黎明期の自動車や航空機においては、マグネトーと同時にクランキング時の点火電圧供給専用の非充電式乾電池を搭載する切り換え式点火装置を採用するものが存在した。

このような点火装置を持つエンジンは、クランク棒による手動クランキングの際には乾電池からの電力を使用して始動を行い、始動及び暖機が完了した後は手動スイッチで点火電圧供給をマグネトーに切り換えて運転を開始することになる。マグネトーの信頼性向上や後述のバッテリー式点火装置の出現により、現在ではほぼ廃れた点火装置である。

この節の加筆が望まれています。



バッテリー式点火装置詳細は「ディストリビューター」および「点火コイル」を参照

スターターモーター(セルフスターター)などの消費電力の大きな電気機器を搭載する近代的な自動車においては、大容量のカーバッテリーが搭載されるため、マグネトーに代わってバッテリー式点火装置が用いられるようになった。これは発電力の大きなダイナモオルタネータから発電される電気を一旦バッテリーに蓄え、バッテリーからの電力を、各気筒に配電する装置であるディストリビューターに内蔵されたコンタクトブレーカーに入力し、点火コイルを用いて電圧増幅を行い点火を行うもので、ディストリビューターを始めとする基本的なシステムはアメリカ人技術者チャールズ・ケタリングによって発明され、彼が興した会社であるデルコ・エレクトロニクスの生産で1910年キャデラックに初めて搭載された。

ケタリングの発明したバッテリー式点火装置はスターターモーターの搭載を前提として開発されたもので、原理的にはマグネトー式点火装置を踏襲している面があったのだが、当時のクランク棒による手作業の始動は、場合によってはクランク棒の逆回転で死に至る重症を負う事故が発生する重作業であったため、この危険な作業から解放されるという意味で極めて画期的な発明であった。バッテリー式点火装置と実用的なセルフスターターの登場により自動車は中高年などの腕力が弱い方々でも容易に運用出来る乗り物となり、その後も鉛蓄電池や発電機の進歩によって普及が進んでいき、現在でも人力では始動が困難な大型エンジンの点火装置の主流であり続けている。[1]

なお、小排気量オートバイにおいては、同じ系列のエンジンでも前述のマグネトー式とバッテリー式点火装置が使い分けられることがある。これはスターターモーターを搭載する(セルフスターター)か否かで車種内格差をつけたり車種を越えてエンジンを共有する結果で、セルフスターターは大容量バッテリーを必要とし、余力ある大容量バッテリーはバッテリー式点火装置の採用を容易にした。また、セルフスターター仕様の車体は大容量バッテリー搭載に伴い、キックスターターのみを始動機構とするマグネトー点火式の車体よりも高い電圧の電装[2]を持っており、このことはコンタクトブレーカーに高い電圧を加えることができることを意味する。キックスターター/セルフスターター併用搭載の車体では、(スターターモーターに比べ低速な)キックによるクランキングでも充分な点火火花が得られるため安定したエンジン始動が行え、これはマグネトー点火式キックスターターよりも軽いキックで始動できることに繋がる。また、セルフスターターではエンジン始動できないほどバッテリーが上がっても(放電して電圧が下がっても)バッテリー式点火装置は充分作動する[3]ため、この点からもキック始動性能が高いといえる反面、バッテリーが完全に上がっていると始動が全く行えなくなる欠点がある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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