炭素繊維強化プラスチック
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この記事には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2022年7月)
CFRPで作られたレースカーCFRP成形用炭素繊維カーボン素材を加圧・加熱するためのオートクレーブ装置

炭素繊維強化プラスチック(たんそせんいきょうかプラスチック、: Carbon Fiber Reinforced Plastics, CFRP)は、炭素繊維樹脂を強化した複合材料である。よりなじみのある複合材料の鉄筋コンクリートで例えると、樹脂がコンクリートに相当し、炭素繊維が鉄筋に相当するものである。東レ製のCFRPを使用しているB787

繊維強化プラスチックの一種であり、マトリックス(母材)にはエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂が多く用いられるが、熱可塑性樹脂を用いるものもあり、それらを特にCFRTP(Carbon Fiber Reinforced Thermo plastics)、FRTPと呼ぶこともある。

CFRPの代表的な特性は高い強度と軽さである。CFRPによる製品は金属や樹脂のような一般的な材料よりも高価であるものの、高い比強度や剛性が求められる分野で用いられる。ゴルフクラブのシャフトや釣り竿などのスポーツ用途から実用化が始まり、1990年代から航空機自動車などの産業用に用途が拡大しており[1][2]、建築、橋梁の耐震補強などの建設分野、その他の民生品でも用途が拡大を続けている。

一部の分野ではCFRP製品のことを単に、カーボン樹脂やカーボンとも呼ぶことがある。
ドライカーボンとウェットカーボン

製造法の違いからドライカーボンとウェットカーボンの2種類に大別される。ドライカーボンは炭素繊維と母材(マトリクス)を、あらかじめ馴染ませた部材(プレプリグ(英語版)など)を型に貼り込んでいったものを真空バッグを使用して加熱しながら圧力差を利用し、エポキシを吸い出しながら圧着し硬化させる。積層プリプレグやプリプレグとハニカム材との密着性を確保するため高い性能を求める場合にはオートクレーブを使用する場合が多い。ハニカム材の圧着の必要がない場合などは、加熱と真空引きによる1気圧の圧力で施工してオートクレープによる加圧を使用しない場合も多い。

従来、車両や航空機の構造部品など大型で極限の性能が求められる用途の場合、生産工程の多くが手作業であり準備・施工にも時間がかかり、大型で高圧のオートクレーブや類する設備が必要なことからコストが非常に高くなることに加え、CFRPが炭素繊維の方向にしか強度を発生しないために設計が難しいことから、利用用途は限られていた。近年ではプリプレグ貼り込みがハンドレイアップよりも容易で精度を高くでき少量生産に向いていることや、小型の製品であれば大型の設備でなくても対応できることから低コストで生産できるため、スマートフォンケースやモバイルPCの外装など小サイズな製品が増加している。

脱オートクレーブ成形法マイクロ波による加熱[3]など、新たな製造法により成形コストは低減しつつある。

ウェットカーボンは、通常のFRPと同じくハンドレイアップ(英語版)・インフュージョン・RTMなどの工法で作られる。RTMやインフュージョン工法でのウェットカーボン製品は機械自動化による大量生産が可能で、自動車などに使われている.
特性

CFRPの特に重要な性質は、軽量であることと優れた力学的特性(強度・弾性率)であるが、それ以外にも優れた性質を多く持つ。構成するマトリックスと炭素繊維の種類、添加物(シリカゴムカーボンナノチューブ)の種類、炭素繊維の密度や繊維の向きなどによって各種物性は大きく異なる。
力学的特性の一例

各種特性を表す代表的な数値を示すことは難しく、ここでは一例を示すにとどまる。PAN系炭素繊維(標準弾性率)を例とする。

密度:1.8 g/cm3[
要出典]

強度:4.9 MPa

弾性率:230 MPa

比強度:27.8×104 m

主な力学的・機械的特性

高い強度:引張は主に強化材の炭素繊維の、圧縮は主にマトリックスのポリマーの影響を受ける。

軽量:重量は概ねマトリックスのポリマーに近い値となる。

高い弾性率:産業用ロールや
風力発電用の風車の羽根に適する。

振動減衰性:ロボットハンド、自動車プロペラシャフト、スポーツ用具に適する。

高い寸法安定性:材料選定によっては熱膨張係数をゼロに近くできることから、天体望遠鏡に適する。

化学的特性

腐食性:建築向け耐震補強材、水素タンク(水素脆化を起こさないことから)

温度や湿度:湿気は構成するポリマーに悪影響を与える(特にマトリックスと炭素繊維の界面)。材料内に拡散した水分は炭素繊維には影響を与えないが、ポリマーのマトリックスを可塑化させ、マトリックスが性質に占める割合の大きな諸性質(圧縮特性、層間せん断、耐衝撃)は変化してしまう。使用する場合の一例として、ジェットエンジンのファンブレード(エポキシをマトリックスとする)は、ジェット燃料潤滑油雨水を通さない、紫外線のダメージを最小限にするために、複合材部品の外部塗装が行われている。炭素繊維はアルミに接触するとアルミにガルバニック腐食を引き起こす。

破壊や疲労の性質

破壊靭性のモード:CFRPの破壊靭性は以下の法則に従う。

炭素繊維とマトリックス樹脂は剥離(debonding)する。

繊維脱落

炭素繊維とマトリックス樹脂で層間?離(delamination)する。


破壊のモード

  エポキシ樹脂をマトリックスとしたCFRPはほとんど可塑性はない(破壊までのひずみが0.5%以下)。エポキシ系CFRPは高い強度と弾性率を示すが、破壊が急激に進展するため、破壊の予防診断や欠陥検出は非常に難しい。

疲労

  CFRPは明確な疲労限度を予測できない(鉄やアルミなど一般的な材料に対しては疲労限度が予測可能である)。

  繰り返し応力負荷による破壊については未知の部分が多く、CFRPを使用する場合は繰り返し荷重のかかる場所に対してはかなり余裕をもった使用期間を設定する必要がある。
適用先

最初はスポーツ用途、続いて航空宇宙、1990年代に医療用X線診断機器、自動車用圧縮天然ガスタンク、土木建築の耐震補強、工業用ロールなどと応用先を拡大してきた。
航空宇宙

航空機:機体胴体、各種ジェットエンジン低温部

ヘリコプタードローンロケット戦闘攻撃機航空自衛隊F-2戦闘機

土木建築

耐震補強橋脚床版煙突


軽量建材(立体トラス屋根


筋材(ケーブル、ロッド)

一般産業機械


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