『炎?あなたがここにいてほしい』
ピンク・フロイド の スタジオ・アルバム
リリース1975年9月15日
ジャンルプログレッシブ・ロック
時間44分24秒
レーベルハーヴェスト
EMI(再発盤)
コロムビア
キャピトル(再発盤)
プロデュースピンク・フロイド
専門評論家によるレビュー
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狂気
(1973年)炎?あなたがここにいてほしい
(1975年)アニマルズ
(1977年)
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『炎?あなたがここにいてほしい』(原題:Wish You Were Here)は、1975年に発表されたピンク・フロイドのアルバム。全英[2]・全米第1位という大ヒットを記録した。
黒色の不透過シュリンクラップを破くと火だるまの男がサングラスをかけた男と握手をしている写真が現れるというジャケットはヒプノシスによるデザインであり、カリフォルニア州バーバンクにあるワーナー・ブラザース・スタジオ内の通路で撮影されたものである。『あなたがここにいてほしい』という日本語題はメンバーが日本側に指定してきたもの。
『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』に於いて、211位にランクイン[3]。 1973年に発表した『狂気』が大ヒットし、バンドは一躍スターダムにのし上がり億万長者となった。1973年にコンサートをこなした後バンドは長期休暇に入り、メンバーは各々好きなことをして時間をすごしていた。したがって、バンドとしての活動が長期にわたって中断したため、実質的に解散状態となっていた。 バンドは1974年にコンサート・ツアーがあるため活動を再開し、数曲の新曲も出来上がったが、1975年に入ってレコーディングをしようとした際、バンドのメンバーがレコーディングに集中できず、遅々として進まない状態が続いた。ロジャー・ウォーターズは、この状況下であくまでアルバムのレコーディングを続けるなら、現在のバンドの状態を具現化したもの、またそれに関連した曲を作り上げて収録しようと決定したのだった。 こうして完成したアルバムについて、ウォーターズは「とうとうアルバムをつくったら、そのアルバムの内容は“何も作り出せない”ということだった」と説明している。 当初、楽器を一切使わずにコップやナイフ、マッチ棒などの日用品のみで演奏をする『Household Objects』というアルバムを作ろうとしていた。これは1973年11月のディスク誌でスクープとして報道され、その後12月には2曲(「The Hard Way」、「Wine Glasses」)が完成して、1974年2月にリリースと発表されている。しかし、次第にメンバーの興味が薄れていき、これは完成には至らなかった[4]。なお、この2曲は2011年に発売された『狂気』『炎』のボックスセットに、1曲ずつ収録されて初公開され、「Wine Glasses」が「クレイジー・ダイアモンド」のイントロに使われていたことが明らかになった。 1974年6月にフランス・ツアーを行い、ここで「Shine On You Crazy Diamond」「Raving And Drooling」の2曲が披露された。また同年の秋から冬にかけてイギリスでコンサート・ツアーを行い、上記2曲に加えて「You've Gotta Be Crazy」も演奏された。新作はこの3曲を収録することが決まりかけていたが、このイギリスでのツアーの模様を収録した海賊盤がリリースされ、空前のヒットを記録するという事態になってしまった(1975年5月頃に発売された海賊盤は15万枚というセールスとなっている[4])。そのため新たにアルバムの内容を再考せざるを得なくなり、「Shine On」以外の2曲の収録は見送られた。また、新曲をアルバム発売前にコンサートで披露することもなくなった。 そうして再開されたアルバムのレコーディングは困難を極めた。新作の収録に際して新たなレコーディング・スタジオを使用していたが、不慣れなエンジニアが収録したテイクに間違えてエコーをかけてしまったため、再レコーディングをせざるを得なくなった。 1974年11月には、メロディーメーカー誌で「1975年1月から2月にかけてレコーディングされ、3月にリリースされる」という報道がなされたが、制作は遅れ、既に決定済みだった4月のシアトルから7月初旬のネブワースまでのコンサート・ツアーによってレコーディングは中断。その後再開された[4]。 こうした紆余曲折を経て1975年9月にようやくリリースされた本作は、発売されるや全英1位(10月4日付け[5])、及び米ビルボード・アルバム・チャート1位(10月4日及び11日の2週連続[6])を記録するヒットとなった。
概要
完成までの経緯