灰汁(あく)とは、原義では草木灰(藁灰や木灰)を水に浸して上澄みをすくった液のこと[1](#灰汁)。この灰汁を使って食品自体がもつ強くてクセのある味を処理したことから、そのような嫌な味やクセそのものも「あく」と呼ぶようになった[1](#食品のアク)。本項目でともに解説する。
灰汁「灰」も参照
灰汁(英語:Lye)は藁灰や木灰を水に浸した上で上澄みをすくった液である[1]。炭酸カリウムが主成分であるためアルカリ性で、石鹸の原料、洗剤、漂白剤、また食品のアク抜き(後述)などとして用いる。英語のLyeは、水酸化ナトリウムを指すこともある。
用途
食品
鹿児島県ではこの灰汁を用いて「あくまき」や「つのまき
食品のアク(英語:scum、ドイツ語:Abschaum)は食物に含まれるえぐ味、渋味、苦味など不快で不要とされる成分の総称である[1][2]。アクの成分には無機質のものと有機物のものとがあり[2]、このうち無機質のものとしてはカリウム、マグネシウム、カルシウムなどがある[2]。また有機物のものとしてはシュウ酸、ポリフェノール、配糖体、サポニンなどがある[2]。
同じ「アク」という言葉を使っても後述するように、植物性食品と食肉や魚介類といった動物性食品のアクは別物で、アクとみなされる成分も食品により様々である。野菜や山菜のアクは、人間の味覚にとって不快だったり、健康に有害だったりする成分である。鍋料理などで問題にされる動物性食品のアクは、血液などに含まれる蛋白質が加熱により固まり、煮汁
の表面に茶色や灰色の泡となって浮き出たものである。澄んだ味にするため極力取り除く場合と、コクや複雑な味わいを楽しむため残す場合があり、個人の好みや料理の種類、文化により異なる[3]。アクを全部取り去ってしまうと風味が損なってしまう場合もある[1]。