この項目では、化学現象としての火について説明しています。その他の用法については「火 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
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出典検索?: "火"
火(ひ、英: fire)とは、化学的には物質の燃焼(物質の急激な酸化)に伴って起きる現象、あるいは燃焼の一部、と考えられている現象である。
火は、熱や光を発生させると共に、様々な化学物質も生成する[1]。気体が燃焼することによって発生する激しいものは炎と呼ばれる。煙が熱と光を持った形態で、気体の示す一つの姿であり、気体がイオン化してプラズマを生じている状態である[2]。燃焼している物質の種類や含有している物質により、炎の色や強さが変化する。
人類の火についての理解は大きく変遷してきている。象徴的な理解は古代から現代まで力を持っている。また理知的には古代ギリシアにおいては4大元素のひとつと考えられた。西欧では18世紀頃までこうした考え方がされた。18世紀に影響力をもったフロギストン説も科学史的に重要である。
人類は古来、火を照明、調理、暖房、合図のために用いており、また近代以降は動力源としても火を利用してきた。「火の使用により初めて人類は文明を持つ余裕を持てた。」と考える人もおり、火を文明の象徴と考える人もいる。これはギリシャ神話における「プロメーテウスの火」の話を思い起こさせる。その後も火は人間の生活の中で非常に大きな地位を占め、火を起こすための燃料の確保は全ての時代において政治の基本となっている。とくに20世紀中盤以降はもっとも広く使用される燃料は石油であり、石油を産出する産油国はその生産によって莫大な利益を上げ、また石油価格の上下は世界経済に大きな影響を及ぼす。
火は火災を引き起こし、燃焼によって人間が物的損害を被ることがある。また、世界的な生態系にも影響する重要なプロセスである。火はある面では生態系を維持し、生物の成長を促す効果を持つ。また、火は水質・土壌・大気などを汚染する原因という側面もある[3]。 人類は火を様々に理解してきた。いかにして火を手に入れたのかという、火の起源神話も世界各地から知られている[4][5]。このタイプの火の起源神話として最も知られているものの一つに、ギリシア神話におけるプロメテウスの神話がある[6]。 火を信仰の対象とする宗教もある。古代世界において火は神格化され、畏敬の対象とされた[7]。例えばインド神話におけるアグニがある。また拝火教という異名を持つゾロアスター教もある。仏教もインドの拝火信仰と習合し、火葬などの文化を各地に伝えた。日本でもお盆の送り火(京都市の五山送り火が有名)をはじめ、国内各地で特徴的な火祭りが数多く存在する。なかでも小正月に行われる左義長(どんど焼き)は、日本各地にほぼまんべんなく存在する[8]。信仰の場以外でも、例えばキャンプファイヤーなど多くの行事、象徴的な場などで火は用いられている。現代でも火は象徴としての力を持ち続けている。
火の理解史