この項目では、地形について説明しています。その他の火山については「火山 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
セントヘレンズの大噴火18世紀の噴火の溶岩流跡。
火山(かざん、英: volcano)は、地殻の深部にあったマグマが地表または水中に噴出することによってできる、特徴的な地形をいう。文字通りの山だけでなく、カルデラのような凹地形も火山と呼ぶ。火山の地下にはマグマがあり、そこからマグマが上昇して地表に出る現象が噴火である。噴火には、様々な様式(タイプ)があり、火山噴出物の成分や火山噴出物の量によってもその様式は異なっている。
火山の噴火はしばしば人間社会に壊滅的な打撃を与えてきたため、記録や伝承に残されることが多い。
Volcano は、ローマ神話で火と冶金と鍛冶の神ウルカヌス(ギリシア神話ではヘーパイストス)に由来し、16世紀のイタリア語で volcano または vulcano と使われていたものが、ヨーロッパ諸国語に入った。このウルカヌス(英語読みではヴァルカン)は、イタリアのエトナ火山の下に冶金場をもつと信じられていた。シチリア島近くのヴルカーノ島の名も、これに由来する。日本で volcano の訳として「火山」の語が広く用いられるようになったのは、明治以降である。
火山の構造
成層火山の構造(断面図)
1. マグマ溜り
2. 基盤
3. 火道
4. 地表
5. 岩床
6. 岩脈
7. 火山灰層
8. 側火山 9. 溶岩層
10. 咽喉
11. 寄生火山
12. 溶岩流
13. 噴火口
14. 主火口
15. 噴煙
火山の地下には、必ずマグマ溜りが存在する。マグマ溜りの深さは、地下数kmから数十kmとされる。このマグマ溜りから岩盤を突き抜け、何らかの理由でマグマが地上に放出される、その地点が火山である。マグマが地上に到達するまでに通るルートを火道と呼び、火道が地上に抜ける地点を噴火口と呼ぶ。火道はしばしば主火道から逸れて形成され、その副火道が地上に噴出すると側火山と呼ばれる小火山を形成する。また、副火道が地上に噴出せず地下にとどまったままのものを岩脈、岩脈が地層に沿って平行に地中で広がったものを岩床と呼ぶ。 現在の地形に加えて、形成過程や内部構造も考慮して分類されている。 同じ火口から何度も噴火を繰りかえして、大きな火山体を成長させる火山[1]。成層火山(マヨン山)楯状火山(マウナ・ケア山)カルデラ(マザマ火山
火山の分類
地形による分類
複成火山
成層火山
主に、同一箇所の火口から噴火を繰り返して、その周囲に溶岩と火山砕屑岩が積み重なった、円錐形に近い形の火山体。日本の火山の多くは成層火山である。マグマの粘り気は中くらいである。火山の噴火タイプとしては、ストロンボリ式噴火やブルカノ式噴火をする火山がこうした火山になりやすい。例 - 富士山、岩手山、開聞岳、伊豆大島、羊蹄山、スーフリエール・ヒルズ(モントセラト)
楯状火山
流動性の高い玄武岩質の溶岩が積み重なった、傾斜のゆるい火山体。そのため、通常は面積が広い。日本でこれまで「アスピーテ」とされてきた火山は、成層火山が侵食によって平坦になったり、もともと平坦であった場所に小規模な溶岩流が重なったりしたものであり、楯状火山ではない。また、伊豆大島や三宅島は、玄武岩を主に噴出する火山だが、火砕物