火の鳥_(漫画)
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火の鳥
ジャンル
SF
漫画
作者手塚治虫
出版社学童社
大日本雄辨會講談社
虫プロ商事
朝日ソノラマ
KADOKAWA
掲載誌漫画少年(黎明編)
少女クラブ(エジプト編・ギリシャ編・ローマ編)
COM(黎明編、他複数[注釈 1]
マンガ少年(望郷編・乱世編・生命編・異形編)
野性時代(太陽編)
発表期間1954年7月 - 1988年2月
巻数全11巻[1]
ラジオドラマ
原作火の鳥 黎明編・未来編・鳳凰編・乱世編
放送局NHKラジオ第1放送
番組連続ラジオ小説
発表期間1977年3月21日 - 1980年3月21日
ラジオドラマ
原作火の鳥 生命編
放送局ニッポン放送
番組手塚治虫のオールナイトニッポンスペシャル
発表期間1987年1月1日 -
映画
原作火の鳥 黎明編
監督市川崑
製作火の鳥プロダクション
配給東宝
封切日1978年8月12日
上映時間137分
映画:火の鳥2772 愛のコスモゾーン
総監督手塚治虫
監督杉山卓
配給東宝
封切日1980年3月15日
上映時間122分
映画:火の鳥 鳳凰編
原作火の鳥 鳳凰編
監督りんたろう
制作プロジェクトチームアルゴス
マッドハウス
配給東宝
封切日1986年12月20日
上映時間60分
ゲーム:火の鳥 鳳凰編 我王の冒険
ゲームジャンル横スクロールアクション
対応機種ファミリーコンピュータ
開発・発売元コナミ
発売日1987年1月4日
ゲーム:火の鳥 鳳凰編
ゲームジャンルシューティングゲーム
対応機種MSX2
開発・発売元コナミ
発売日1987年4月5日
オーディオドラマ:火の鳥 永遠の生命
放送局文化放送
発表期間1999年10月 - 2000年3月
アニメ
原作手塚治虫
監督高橋良輔
脚本五武冬史(黎明編)
長谷川圭一(復活編)
杉井ギサブロー(異形編)
野崎透(太陽編)
小林弘利(未來編)
キャラクターデザイン杉野昭夫、内田裕、西田正義、大下久馬
音楽内池秀和野見祐二
アニメーション制作手塚プロダクション
製作NHK
放送局NHK
放送期間2004年4月4日 - 2004年6月27日
話数13話
アニメ:火の鳥 エデンの宙
原作手塚治虫「火の鳥 望郷編」
監督西見祥示郎
脚本真野勝成、木ノ花咲
キャラクターデザイン西田達三
音楽村松崇継
アニメーション制作STUDIO 4℃
製作「火の鳥 エデンの花」製作委員会
放送局Disney+
放送期間2023年9月13日 -
その他2023年11月3日より別エンディング版
「エデンの花」を劇場公開予定
テンプレート - ノート

『火の鳥』(ひのとり)は、手塚治虫の作品。20世紀を代表する漫画家である手塚のライフワークと位置付けられているシリーズ漫画である。時代的あるいは地質時代的に、または宇宙的に大きく隔てられた様々なキャラクターが登場し、死ぬことのない「火の鳥(フェニックス / 不死鳥)」を追い求めるという一点で互いに繋がりを持ちながら、ちっぽけな一つの生命としてあるいは煩悩にまみれた人間として生きる機会を得た“舞台”で、それぞれの生涯をかけたドラマを展開してゆくというもの。

本作は、漫画を原作としたメディアミックス作品(映画アニメラジオドラマビデオゲーム)が製作されているほか、アニメーション映画演劇ではスピンオフ作品となっている。
概要

手塚治虫が漫画家として活動を始めた初期のころから晩年まで手がけられており、手塚治虫がライフワークと位置付けた漫画作品[注釈 2]古代からはるか未来まで、地球宇宙を舞台に、生命の本質・人間の業が、手塚治虫自身の独特な思想を根底に壮大なスケールで描かれる。物語は「火の鳥」と呼ばれる鳥が登場し火の鳥の血を飲めば永遠の命を得られるという設定の元、主人公たちはその火の鳥と関わりながら悩み、苦しみ、闘い、残酷な運命に翻弄され続ける。

作品は時系列順には執筆されず、雑誌「COM」以降の連載作品では過去・未来・過去・未来と交互に描き、手塚本人が死亡した瞬間に作品が完結するという構想で描かれていた[2]

この作品に多くの漫画家が影響を受け、数多くの映像化・アニメ化・ラジオドラマ化が行われた。
作品の構成

火の鳥は「○○編」と名の付く複数の編から成り立っている。

最初に連載されたのは1954年(昭和29年)、学童社の『漫画少年』の「黎明編」だったが、学童社はその後約1年ほどで倒産し未完に終わる。1956年に雑誌『少女クラブ』に「エジプト編」「ギリシャ編」「ローマ編」が連載された。そこから期間を空け、1967年に雑誌『COM』に、構想も新たに「黎明編」が連載された。さらに「未来編」「ヤマト編」「宇宙編」「鳳凰編」「復活編」「羽衣編」「望郷編」「乱世編」と書き継がれたが、同誌は休刊になる。1976年には、雑誌『マンガ少年』で改めて「望郷編」「乱世編」が連載され、さらに「生命編」「異形編」も連載されたが、同誌も休刊する。1986年に小説誌『野性時代』で「太陽編」が連載された。

各エピソードは、1つの物語として完結しているため、朝日ソノラマ出版版や角川版などの一部では、「第○巻」とせずに「○○編」とだけ付けていた。手塚の生前は、このような巻数表記の無い単行本が主流であった。

手塚が生前執筆した『火の鳥』は「太陽編」までであるが、その後も複数のエピソードの構想が練られていた。『火の鳥』は過去、未来、過去、未来、と交互に「現代」に近付いて描かれるが、手塚は「自分の死亡時刻」を現代としており、「現代編」を死ぬ瞬間に1コマ程度描くと公言していたが[2]、それは叶わなかった。

『火の鳥』の物語は、円環構造をなしている。作中の時代においてはもっとも先の時代を描いた「未来編」のラストは「黎明編」に回帰する構成になっており、作品自体が輪廻を無限に繰り返すような作りにもなっている。

1980年に公開されたアニメーション映画『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』は、漫画の映像化ではない手塚オリジナルの物語であり、火の鳥全体を総括するような内容になっている。本作品は火の鳥の世界の結末の一つが描かれている。

手塚死去のために描かれなかった内容は、セガから発売された2003年のゲーム『ASTRO BOY・鉄腕アトム -アトムハートの秘密-』や2006年の『ブラック・ジャック 火の鳥編』などに一部着想が生かされている。また、作家の桜庭一樹が「小説 火の鳥 大地編」を執筆している[3]

ブッダ』は、雑誌『COM』の休刊時に「火の鳥 東洋編」として出版社から企画されたものであった[4]。そのため、作風やテーマ性が共通し、鼻が大きな人物(猿田と同じ顔)など共通の登場人物が数人出てくる。

1989年に手塚がストーリーを手がけた舞台劇『火の鳥』が上演された[5]。2月8日にスペース・ゼロにて初演を迎えたが、翌2月9日に手塚が亡くなったため、急遽追悼公演として上演されるようになった[6]。手塚の訃報を知ったスタッフが午後7時の公演時間に合わせてお悔やみの場内アナウンスを流すと、観客席からは嗚咽が漏れ、舞台の最中にも止まらなかったという。その後、この舞台劇版は講談社から発売されている『手塚治虫漫画全集 386巻 別巻手塚治虫シナリオ集』や朝日新聞社から発売されている『ぜんぶ手塚治虫!』、樹立社の『手塚治虫SF・小説の玉手箱』などでシナリオ原稿を読むことができる。


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