漸近線
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グラフ y = x + .mw-parser-output .sfrac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .sfrac.tion,.mw-parser-output .sfrac .tion{display:inline-block;vertical-align:-0.5em;font-size:85%;text-align:center}.mw-parser-output .sfrac .num,.mw-parser-output .sfrac .den{display:block;line-height:1em;margin:0 0.1em}.mw-parser-output .sfrac .den{border-top:1px solid}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}1/x の漸近線は y軸と直線 y = x である。

解析幾何学において、平面曲線の漸近線(ぜんきんせん、: asymptote)とは、十分遠くで曲線との距離が 0 に近づき、かつ曲線と接しない直線のことである。通常の定義では、漸近線は曲線と無限回交わってもよい[1]

漸近線は存在するとは限らず、また複数存在する場合もある。漸近線は、曲線上の点が十分進んだ所での概形である。

特に、座標平面における関数に対しては、そのグラフの漸近線の方程式は(存在の可否も含めて)求め方が確立されている。関数のグラフの接線極限が存在するならばそれは漸近線に等しい[2]

代数幾何学などでは、漸近線は無限遠点のみで曲線と接する直線と定義される[3][4]

漸近線として直線だけでなく曲線を考えることもある。
グラフ y = 1/x の漸近線は、x軸および y軸である。曲線が漸近線と無限回交わる例

定数関数多項式関数のグラフには、漸近線は存在しない。漸近線が存在する最も簡単な例は、関数 f(x) = 1/x のグラフである。このグラフの漸近線は、直線 x = 0 と直線 y = 0 である。グラフを描くと、曲線 y = 1/x は x → 0±, x → ±∞ のときにそれぞれ y軸、x軸に近づくことが見てとれる。この場合はグラフと漸近線は共有点を全く持たないが、一般にはそうとは限らない。漸近線が存在する関数は他にもいくつかある。

なかでも代表的なものは以下の通りである。

座標平面上の関数とその漸近線関数名関数式漸近線の方程式
正接関数y = tan xx = π/2 + nπ
(n は整数)
指数関数y = ax (a > 0, a ≠ 1)y = 0
対数関数y = loga x (a > 0, a ≠ 1)x = 0
双曲線 x 2 a 2 − y 2 b 2 = ± 1 {\displaystyle {\frac {x^{2}}{a^{2}}}-{\frac {y^{2}}{b^{2}}}=\pm 1} (a > 0, b > 0)y = ±b/ax
双曲線正接関数 y = tanh ⁡ x = e x − e − x e x + e − x {\displaystyle y=\tanh x={\frac {e^{x}-e^{-x}}{e^{x}+e^{-x}}}} y = ±1
逆正接関数y = arctan xy = ±π/2
逆双曲線正接関数y = tanh−1 x = 1/2 log 1 + x/1 − xx = ±1

分数関数においては、分母が 0 になるところで漸近線になり、x → ±∞ で漸近線が存在する場合があるが、それぞれ存在しないこともある。どちらも存在しない例: y = x 4 + x 2 + 1 x 2 + 1 {\displaystyle y={\frac {x^{4}+x^{2}+1}{x^{2}+1}}}

無理関数で漸近線が存在するのは y = ∑ i = 1 n k i ( x − u i ) p i ± a i p i p i + ( b x + c ) {\displaystyle y=\textstyle \sum \limits _{i=1}^{n}k_{i}{\sqrt[{p_{i}}]{(x-u_{i})^{p_{i}}\pm {a_{i}}^{p_{i}}}}+(bx+c)} (ai > 0)

の形に限られる(漸近線は y = ∑ i = 1 n k i ( x − u i ) + b x + c {\displaystyle y=\textstyle \sum \limits _{i=1}^{n}k_{i}(x-u_{i})+bx+c} )。

グラフと漸近線がどんな遠くでも無限回交わる例もある。減衰曲線(y = sin x/x や y = e−xsin x など)と x軸はその一例である。
関数の漸近線

関数 y = f(x) のグラフの(直線である)漸近線は、次の2タイプである。
y軸に平行の直線(方程式を x = a とする)

x → ∞ または x → −∞ で漸近する直線(方程式を y = ax + b とする)

y軸平行の漸近線

直線 x = a がグラフ y = f(x) の漸近線であるための必要十分条件は、以下の4つのいずれかを満たすことである。

lim x → a + f ( x ) = ∞ , {\displaystyle \lim _{x\to a+}f(x)=\infty ,}

lim x → a + f ( x ) = − ∞ , {\displaystyle \lim _{x\to a+}f(x)=-\infty ,}

lim x → a − f ( x ) = ∞ , {\displaystyle \lim _{x\to a-}f(x)=\infty ,}


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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