漢数字
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漢数字で目が書かれたサイコロ.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}この項目には、一部のコンピュータや閲覧ソフトで表示できない文字(ラテン文字拡張、JIS X 0212JIS X 0213CJK統合漢字拡張B簡体字サンスクリット語ハングル)が含まれています(詳細)。

漢数字(かんすうじ)は、を表記するのに使われる漢字である(ただし「〇」は漢数字としてのみ使用される俗字である)。十進法数詞および位取り記数法で用いる。前者は漢字文化圏内で相違がある。

中日新聞東京新聞など、記事中(スポーツ面など一部を除く)でアラビア数字でなく漢数字を用い続けているメディアもある[1][2]

漢数字には 0 から 9 を表す数字、10 のを表す位の字、それらを合わせた複合字がある。複合字は現在では一般的に使われていない。
小字と大字

漢数字には「一」「二」「三」と続く小字と、「壱」「弐」「参」と続く大字がある[3]。通常は小字を用いるが改竄を防ぐため重要な数字の表記では大字を用いることがある[3]。詳細は「大字 (数字)」を参照
一覧

以下に漢数字を示す。これらの字は零を除き、甲骨文字の時から使われており、意味に変化がない。ただし四と万は字形が変わっている。

種類算用
数字漢数字日本語中国語朝鮮語越南語
現代語音読み[4]訓読み中古音
[注 1][5]普通話上海語[注 2]広東語?南語客家語朝鮮漢字音[6][7]固有語漢越語固有語
文読白読
呉音漢音
ヘボン式片仮名現代/字音仮名遣)ヘボン式
平仮名現代/歴史的仮名遣漢語?音[4]
注音符号耶魯粤?白話字韓国・2000年式ハングル

/北朝鮮・M-R式(チョソングル)字国語字喃[8][9]
一の位0零れいry?
(リョウ
/リャウ)rei(レイ)lengling(????)lin1ling4lengkhonglangyeong(?)
/ry?ng(?)linhkhong (空)
0〇まる
れい
1一いちichi(イチ)itsu(イツ)hito(ひと)?jity?(?)ih4yat1i?tchi?tyitil(?)hana(??)nh?tm?t(?)
2二にni(ニ)ji(ジ)futa(ふた)nyijHer(??)r3(文)

/nyi3(白)yi6j?/l?nn?gngii(?)dul/tul(?)nh?/nhihai(?)
3三さんsan(サン/サム)san(サン/サム)mi(み)sams?n(??)sae1saam1samsa?samsam(?)set(?)tamba(?)
4四よん
しshi(シ)shi(シ)yo(よ)sijHsi(??)sy3sei3/si3susisisa(?)net(?)t?/t?b?n(?)
5五ごgo(ゴ)go(ゴ)istu, i(いつ, い)nguXw?(??)u2(文)

/ng2(白)ng5ngo?g???go(?)daseot

/tas?t(??)ng?n?m(?)
6六ろくroku(ロク)riku(リク)mu(む)ljuwkliu(????)loh4luk6lio?kla?kliukyuk(?)

/ryuk(?)yeoseot

/y?s?t(??)l?csau(?)
7七なな
しちshichi(シチ)shitsu(シツ)nana(なな)tshitq?(??)tshih4chat1chhitchhitchhitchil(?)ilgop(??)th?tb?y(?)
8八はちhachi(ハチ)hatsu(ハツ)ya(や)p?tb?(??)pah4baat3patpoehpatpal/phal(?)yeodeol

/y?d?l(??)battam(?)
9九きゅう
くku(ク)ky?(キュウ/キウ)kokono(ここの)kjuwXji?(????)cieu2gau2kiukaukiugu/ku(?)ahop(??)c?uchin(?)
10のN乗10十じゅうj?(ジュウ/ジフ)sh?(シュウ/シフ)t?, so(とお/とを, そ)dzyipshi(??)zeh4sap6si?pcha?ps??psip(?)yeol/y?l(?)th?pm??i(?)
100百ひゃくhyaku(ヒャク)haku(ハク)momo, o(もも, お/ほ)pakb?i(???)pah4baak3pekpahpakbaek/paek(?)on(?)bachtr?m(?)
1000千せんsen(セン)sen(セン)chi(ち)tshenqi?n(???)tshie1chin1chhianchhengchhiencheon

/ch?n(?)jeumeun

/ch?m?n(??)thiennghin(?、北)
/ngan(?、南)
10000万まんmon(モン)[注 3]ban(バン)yorozu(よろず/よろづ)mjonHwan(???)vae3maan6b?nvanman(?)gol/kol(?)v?n
複合20二十
/
廿にじゅうny?(ニュウ/ニフ)j?(ジュウ/ジフ)hata(はた)nyipnian(????)nyae3yaa6/ye6/
yap6/nim6jia?pip(?),

isip(??)seumul

/s?mul(??)nh?p
30三十
/
卅さんじゅうs?(ソウ/ソフ)s?(ソウ/サフ)miso(みそ)sopsa(???)sah4sa1/sa4siapsap(?),
samsip(??)seoreun

/s?r?n(??)t?p
40四十
/
.mw-parser-output .jisx0212font{font-family:"Hiragino Sans Pr6N","Toppan Bunkyu Gothic","Yu Gothic","ヒラギノ角ゴ Pr6N W3","A-OTF 新ゴ Pr6N R","源真ゴシック Regular","源ノ角ゴシック JP Normal","Source Han Sans JP Normal","Noto Sans CJK JP DemiLight","Noto Sans CJK JP DemiLight","小塚ゴシック Pr6N R","KozMinPr6N-Regular","メイリオ","Meiryo","Meiryo UI","游ゴシック","游ゴシック体","VL Pゴシック","MS Pゴシック","MS PGothic","小塚ゴシック Pr6N M","小塚ゴシック Pr6N","KozGoPr6N-Medium","A-OTF 新ゴ Pr6N","Arial Unicode MS",Code2000}卌よんじゅう
しじゅうsh?(シュウ/シフ)sh?(シュウ/シフ)yoso(よそ)xi(???)se3siapsip(?),
sasip(??)maheun

/mah?n(??)t?p
200二百
/
皕にひゃくhiki(ヒキ)hyoku(ヒョク)futao(ふたお/ふたほ)bi(???)bik1pyeok/phy?k(?)

,ibaek(??)b?c

混同や改竄を防ぐための特別な漢数字については大字を参照されたし。
字源

他の漢数字と異なり「〇」は新しい字であり、より前には現れない。唐の武則天(在位:690年 - 705年)が制定した則天文字に初めて「〇」が現れるが、これは「星」の代替字であり 0 の意味はなかった。星の球形を表した典型的な象形字で、楷書とは言いがたい文字であった(則天文字には、このように楷書的でない形の字がいくつかある)。

後漢に完成した『九章算術』には「(引き算の時)同符号は引き、異符号は加える。正を無入から引いて負とし、負を無入から引いて正とする」とある[10][11]。この「無入」とは 0 のことであるが、専用の字はなく、表記には空白を用いていた。

718年、太史監(天文台長)の瞿曇悉達が『九執暦』を漢訳し、0 を点で記すインドの数字を導入した。しかし算木を用いていた中国の天文学者や数学者は受け入れなかった[12]。『旧唐書』(945年)は 3040 および 0 を「三千四十」、「空」と記し[13]、また『新唐書』(1060年)は 3201 および 0 を「三千二百一」、「空」と記している[14]。この「空」は仏教と同じく、サンスクリット語の शून्य(シューニャ)の訳語である。現在も、朝鮮語ベトナム語は「空」を 0 の意味に用いる(공/gong と khong)。また江戸時代和算家も 0 を「空(くう)」と呼んでいた。

南宋の時代、蔡元定(1135年 - 1198年)は『律呂新書』の中で、118098 および 104976 を「十一萬八千□□九十八」、「十□萬四千九百七十六」と書いている[15]。この「□」は、以前から欠字を示すのに使われてきた記号、虚欠号である(中国語版: 虚缺号)。秦九韶の『数学九章』(1247年)では、算木数字で空位および 0 に「〇」を用いている。この「〇」は「□」が変化したものであり、アラビア数字の「0」ならびに則天文字の「〇」を借用したのではない[12]。もっとも、インドの数字のゼロに触発された可能性もある[10]

現在、位取り記数法では主に「〇」を使うが、後述の通り、熟語には必ず「零」を用い、「〇」は使われない。現代において「〇」と表記する場面は、郵便物宛名書き名刺等において郵便番号番地電話番号といった数字情報を漢数字表記する場合や、縦書き文章で西暦年を漢数字表記する場合に、限定的に用いられる程度である(これらの場合に限り、「零」と表記することは一般的でない。)。そもそも「〇」の部首は不明である。このことから、「〇」は独立した文字ではなく記号とみなされており、一般に漢和辞典では漢字ではなく記号の扱いとなっているため、「〇」の文字コードも、漢字領域ではなく記号領域で定義されている。

なお、「〇(ゼロ,U+3007)」と「○(丸印,U+25CB)」は異なる文字コードが付与されており別字であるため、混用しないよう注意が必要である。

「〇」を漢字として扱った場合の部首については、大漢和辞典の補巻では星の則天文字として囗部(くにがまえ)に収めており、現代中国の辞典でも囗部の場合が多いが、中には一・h・丶・丿以外の筆画ということで乙部(?部)に収める辞典もある。

「零」は『説文解字』にも出ている古い字で、音符の「令」と意符の「雨(あめかんむり)」を合わせた形声字である。元々は小雨(零雨)を意味し、後にわずかな量(零細、零余)の意味にもなったが、0 の意味はなかった。『孫子算経』(4世紀頃)では「零」が余りの意味で使われている[16]李冶は、『測圓海鏡』(1248年)の中で 1024 を「一千〇二十四」、2220302 を「二百二十二万零三百零二」と書き、「〇」と「零」を同一視している[10]。それぞれ「一千とんで二十四」、「二百二十二万あまり三百あまり二」の意味である。

現在、熟語には必ず「零」を用いて、「零下」、「零封」などと書き、「〇」は使われない。
一、二、三、(?)

「一」、「二」、「三」、および「四」の古字の「亖」は、横画の本数でそれぞれ 1234 を意味する単語を表記したものである[17][18][19][20]算木を象ったものと解釈されることもある[21]が、一般的な見解ではない。

古い異体字に「弌」、「弍」、「.mw-parser-output .jis2004font{font-family:"源ノ角ゴシック JP Normal","源ノ角ゴシック JP","Source Han Sans Normal","Source Han Sans","NotoSansJP-DemiLight","Noto Sans CJK JP DemiLight","ヒラギノ角ゴ ProN W3","ヒラギノ角ゴ ProN","Hiragino Kaku Gothic ProN","メイリオ",Meiryo,"新ゴ Pr6N R","A-OTF 新ゴ Pr6N R","小塚ゴシック Pr6N M","IPAexゴシック","Takaoゴシック","XANO明朝U32","XANO明朝","和田研中丸ゴシック2004絵文字","和田研中丸ゴシック2004ARIB","和田研中丸ゴシック2004P4","和田研細丸ゴシック2004絵文字","和田研細丸ゴシック2004ARIB","和田研細丸ゴシック2004P4","和田研細丸ゴシックProN",YOzFont04,"IPA Pゴシック","Yu Gothic UI","Meiryo UI","MS Pゴシック";font-feature-settings:"jp04"1}弎」がある。なお、「弍」を音符、「」を意符とする形声字が「貳」であり、それが変化して「貮」になり、さらに簡略化して「」になった。

西周では数詞 4 には「亖(U+4E96)」の文字が使われた。しかし「三」と紛らわしい形であるため、春秋時代から、仮借で「四」を使うようになった。この「四」という文字は、後に「?」という文字で表記される単語を表す鼻から息を出すさまを象る象形文字、あるいは後に「泗」という文字で表記される単語を表す鼻から鼻水を出すさまを象る象形文字で、甲骨文字に既に見られる。[22][23][24]

「五」という文字については、二本の線を交差させたさまを象る象形文字とされることが多い[25][26][27]が、近年では、縄巻きを象る象形文字で、後に「?」という文字で表記される単語を表すとする説がある[28]。どのような説にせよ、数詞 5 の表記に用いるのは仮借である。[29]

「六」という文字の起源については明らかではない[30][31]。形の似た「入」と関連付けたり[32]、「宀」(家屋の形)と関連付けたり[33]するといった試みが行われているが、一般的な見解ではない。どのような説にせよ、数詞 6 の表記に用いるのは仮借である。

大字で「陸」という字を用いるが、これは意符「阜」と音符「?」とから構成される形声文字である。

「七」という文字の起源については、物体に入れた十字の切り口を象る象形文字、あるいは縦長の物体を横一文字に断つさまを象る象形文字で、後に「切」という文字で表記される単語を表すとする説が一般に受け入れられている。数詞 7 の表記に用いるのは仮借である。[34][35][36]

「八」は二つに分かれる線を描いた文字で、「分かれる」を意味する単語を表す。数詞 8 の表記に用いるのは仮借である。


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