滬九直通列車
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滬九直通列車
滬九直通車
?九直通車
滬九直通列車の行先標
概要
地域 中国
香港
運行開始1997年5月19日
運営者 中国鉄路総公司上海鉄路局
旧運営者 中国鉄道部上海鉄路局(2010年まで)
路線
起点上海市上海駅
停車地点数5
終点香港九龍駅
営業距離1,991km[1]
平均所要時間18時間41分
(1泊2日 九龍行き)[1][2]
18時間53分
(1泊2日 上海行き)[1][2]
運行間隔毎日運行(中国国内区間)
隔日運行(九龍発着)[1][2]
列車番号Z99/100
車内サービス
クラス高級軟臥車(特等寝台車)
軟臥車(1等寝台車)
硬臥車(2等寝台車)
硬座車(2等座席車 中国国内区間のみ)
就寝寝台車
食事食堂車
技術
車両中国国鉄25T系客車(中国語版)
中国国鉄19T系客車(中国語版)
軌間1,435mm
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滬九直通列車(こきゅうちょくつうれっしゃ)または滬九直通車(中国語: 滬九直通車)とは、中華人民共和国上海市香港九龍紅?駅(九龍駅)を結ぶ優等列車である。上海駅?広州東駅間の中国国内区間は毎日運行されるが、2日に1回香港まで延長運転される。
概要広州東駅付近を走行中の韶山9型電気機関車牽引T99次列車(2008年撮影)

滬九直通列車は1997年5月17日に運行を開始し、乗務員は上海鉄路局上海客運段が担当している。上海発九龍行きの所要時間は18時間41分、使用される列車番号はZ99次であり、九龍発上海行きの所要時間は18時間53分で、使用される列車番号はZ100次である。滬九直通列車の運行距離は1,991kmで、途中滬昆線京広線広深線を運行して香港に入り、香港内では東鉄線を経由する。その経路は上海市、浙江省江西省湖南省広東省の5省市に跨る。滬九直通列車は中国鉄道部や上海鉄路局から示范列車、紅旗列車などの称号を贈られており[3]2008年には、滬九直通列車が1年に輸送した旅客の数が12万人を突破した[4]
歴史

1980年代から1990年代初頭にかけて、上海鉄路局は3回にわたり鉄道部に対して、上海?香港九龍間の直通旅客列車運行開始を要求したが、車輛不足などの理由によって棚上げされた[5]。その後も上海鉄路局は上海?広州間、南京?広州間、杭州?広州間で運行される3本の旅客列車の利用状況を分析し、1995年7月27日、鉄道部にその調査結果を報告した。この時の上海鉄路局の調査によると、上海?香港間の旅客流動は年間120万人で、そのうち67万人が航空、53万人が鉄道を利用していた。

1996年7月香港返還によって中国本土?香港間の移動需要が高まることを予測した上海鉄路局は、滬港直通列車の運行開始を計画していることを鉄道部に報告した。同月、上海市人民政府は鉄道部に対して上海?九龍間の特快列車(中国語版)運行開始について書翰で問い合わせた。1996年8月、鉄道部は専門チームを立ち上げて、香港の九広鉄路公司と複数回にわたって交渉を行った。その結果、同年12月に当時香港九広鉄路公司社長であった楊啓彦(中国語版)と上海鉄路局局長ケ金華は上海で「北京、上海?九龍直通旅客列車規則」(北京、上海-九?直通旅客列??法)に署名した。その後、双方で列車編成、運行時間、荷物輸送や切符の販売方法、価格など細かい調整を行い、概ね合意に至った。

1997年3月26日、当時鉄道部部長であった韓杼濱(中国語版)は「北京、上海?九龍直通旅客列車運行開始に関連する諸問題について」(?于?行北京、上海?九?直通旅客列?有???的?示)という報告書を国務院に提出した。これに対して国務院は迅速に対応し、上海鉄路局に対して1997年7月1日の香港返還前までに滬九直通列車の運行を開始するように指示した。国務院からの指示を受けた上海鉄路局は、5月11日に滬九直通列車の試運転を上海?九龍間で行った。

そして5月19日、滬九直通列車及び京九直通列車の運行が開始された。当日午前、鉄道部党組副書記で副部長である孫永福、上海市副市長夏克強、香港九龍鉄路公司代表及び財界関係者400人あまりが参加し、上海駅で記念式典が挙行された。孫永福、夏克強とメダルを授与された列車長の3人が滬九直通列車第1列車のテープカットを行い、午前8時04分、第1列車は上海駅を出発した。

運行開始当初の滬九直通列車の乗務員は上海鉄路局上海列車段(現:上海客運段)が担当し、列車番号は99/100次であった。車輛には1997年当時の最新型である25K系客車(中国語版)が充てられ、列車の編成は16輛(うち3輛は広州東駅止まり)編成で、定員は448人であった。停車駅は杭州東駅金華西駅鷹潭駅、向塘駅(中国語版)、株洲駅衡陽駅?州駅韶関駅広州駅広州東駅常平駅の13駅で、常平駅では約1時間停車し、その間乗客は荷物を携帯して一旦下車し、中国の出入国審査を受けた。運行時間は九龍行きが29時間06分(08:04発翌日13:10着)、上海行きが28時間18分(15:00発翌日20:18着)であった。九龍鉄路公司と上海鉄道局は、滬九直通列車のメインターゲットを時間に余裕のある観光客に定めており、1997年当時上海?九龍間の正規運賃は硬臥車(2等寝台車)が627香港ドル、軟臥車(1等寝台車)が825香港ドル、高級軟臥車(特等寝台車)が1039香港ドルであった。そのため九龍鉄路公司は、乗車率60%で損益分岐点に達すると予測していた。

2001年10月21日、第四次大提速(中国語版)(ダイヤ改正)が行われ、列車番号がK99次(九龍行き)、K100次(上海行き)にそれぞれ変更された。2003年、検疫総局(中国語版)、鉄道部、公安部海関総署は4つの部署の合同委員会で会議を行った結果、京九、滬九直通列車の旅客の出入国審査及び荷物の税関検査について、従来は東莞駅[註 1]で各検査を行っていたが、9月1日から広州東駅?深?駅間を走行中の車内で行うように変更することが決定した。この決定によって、広州東駅から出入国、税関、検疫などの係官が深?駅まで乗車するようになり、乗客は東莞駅(常平駅)で一旦下車する必要がなくなったため、滬九直通列車の運行時間は1時間近く短縮された。その後、同年10月1日に上海駅出入国旅客ターミナルが完成し、乗客はそれぞれ起終点の駅で出入国審査を受けることになった。そのため杭州東駅、鷹潭駅、衡陽駅、?州駅、韶関駅での停車及び旅客取扱いは取りやめられ、上海?九龍間の運行時間は25時間に短縮された。これ以降、乗客は上海駅での出国審査後、中国をすでに出国したことになるので、九龍行きの車輛は厳重に封鎖の上隔離され、途中駅での下車は認められなくなった。滬九直通列車運行開始から2009年8月末まで、上海駅の出入境管理局(中国語版)は2000あまりの列車と57万人の旅客に対して検査を行い、そのうち違法な物品の持ち込みや持ち出し、外国人による不法入国などの摘発数は600件強になる。

2004年1月韶山9型電気機関車が牽引する上海行き滬九直通列車(K100次)が京広線白石渡駅(中国語版)附近を走行中、機関車の故障によって動けなくなった。その後、韶関機務段所属の韶山6B型電気機関車(中国語版)が隣の坪石駅(中国語版)にいたため救援に向かい、当該の列車は?州駅、衡陽駅に停車しつつも運行を続け、数時間遅れで株洲駅に到着した。同じ年の2004年11月11日から2006年9月までの間、浙?線電化工事の影響で、滬九直通列車の運行時間が3時間延長された。

2006年7月29日、上海鉄路局と九広鉄路公司合弁の中鉄快運株式会社(中?快?股?有限公司)が設立された。


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