滝沢 聖峰(たきざわ せいほう、1963年 - )は、北海道札幌市出身の漫画家。北海道札幌南高等学校、東京造形大学卒業。 当初は少女漫画家志望だったが(本人談)、モデルグラフィックスへの持ち込みでデビュー。 アニメ監督・漫画家の今敏とは小学生時代の同級生でもあり、友人であった。SF・オカルトのファンで、草野球が趣味であるという。 戦記漫画を主に手がけ、第二次世界大戦時の日本軍の航空戦記が特に多い。歴史漫画や怪奇漫画の著作もある。徹底的に考証にこだわっており、細密な線による端正な画風で、リアルなメカ描写と骨太な人間の描写双方を得意としている。 デビュー当初の画風は大友克洋の強い影響を受けたものであった(大友作画の『気分はもう戦争』を見て以来、それまでの漫画観が全て覆されたという)。現在の滝沢の作風にも、過剰な描き込みは避けて余白を広く取った画面、淡々とした描写を好むことなどに大友の影響が色濃く残っている。胴長短足のリアルな体型や日本人らしい顔立ちのキャラクター造形も特徴であったが、近年はキャラクターのかっこよさ・かわいらしさを意識してか、目を大きく、手足を長くするなど絵柄に変化が見られる。
人物
作風
主な作品
漫画
碧の孤狼(大日本絵画) 極初期短編集 6話掲載 「キ-108改帰還セズ」、「式」、「EX Ki-94II」、「闇の彗星」、「審査部独立戦闘隊」、「川崎防空戦闘隊異聞」を収録。
撃墜王(日本出版社) 初期短編集 8話掲載「急降下爆撃隊」、「震天制空隊」、「編隊空戦司令」、「飛燕」、表題作「撃墜王」、「青い投弾線」、「旭と星」、「紅の墓標」を収録。新装版には『蒼空の咆哮』より「海の陸鷲」、「8月19日の戦争」を追加収録。
幻の豹 The Panther in Ukraina 1950 (大日本絵画)第二次世界大戦敗戦でソ連軍の捕虜となった、ドイツ・日本元戦車兵の収容所での反乱・脱走を描く表題作「ウクライナ混成旅団」。「JUNGLE EXPRESS」を併録。
迎撃戦闘隊 ニューギニア戦線(日本出版社)二式複戦「屠龍」・一式戦「隼」を駆って南方戦線で激闘する陸軍下士官空中勤務員を描く。
帝都邀撃隊 迎撃戦闘隊・本土防空編(日本出版社)「ニューギニア戦線」の続編。内地へ帰還した主人公が再び二式複戦「屠龍」で来襲するB29を邀撃する。終盤、五式戦でP51に空戦を挑み、撃墜されるが生還する。
蒼空の咆哮(大日本絵画) 11話掲載連作短編「BATTLE ILLUSION」、「IN THE GRINDER」、「海の陸鷲」、「8月19日の戦争」を収録。三式戦、B29 、P51、キ74、Ta152、D21、F4F、九七艦攻、一式戦、P-400、靖国、零戦、一式陸攻、Do335、雷電等が登場。
空母艦攻隊(日本出版社)真珠湾攻撃から南太平洋海戦までを九七艦攻で戦った海軍搭乗員ペア(海軍用語のため、この場合は3名)を描く。
飛燕独立戦闘隊(大日本絵画) 原作:松本良男「秘めたる空戦」ソロモン・ニューギニア・フィリピン戦線を三式戦「飛燕」で転戦した陸軍士官空中勤務員を描く。
明けの彗星(小学館) 短編集 8話掲載「大陸基地航空隊」、「複葉艦戦隊」、「海鷲の落日」、「蒼昊の銛手(もりうち)」、「最後のト連送」、表題作「明けの彗星」、「真夏の赤蜻蛉」、「闇の誘導路」を収録。
WHO FIGHTER with HEART OF DARKNESS(大日本絵画)太平洋戦争末期、本土防空戦に奮戦する陸軍空中勤務員が遭遇した未確認飛行物体を巡る不可思議な現象を描く。『闇の奥』を原作とした「HEART OF DARKNESS」、「TANKS」を併録。
神々の糧(大日本絵画)モデルグラフィックス誌2002年1月号から2003年3月号にかけて連載された、太平洋戦争中に南洋の島へ漂流した日本兵たちと未知の存在の戦いを描いた表題作「神々の糧」。他、スケールアヴィエーション誌、アーマーモデリング誌などに掲載された短編「狩人の気まぐれ」、「王立素人軍隊」、「独立小隊奮戦す」、「秘録・一式自走砲中隊」、「TWO TRIBES OF WILLIAMS」、「“ANOTHER ONE”」、「爆撃横丁?ドイツ本土防空戦?」、「硫黄島防空戦?太平洋航空戦?」、「チャンネル・ダッシュ 英仏海峡突破作戦」を収録。
新太平洋戦記(双葉社) 短編集 9話掲載「迎撃機」、「月光、夜明ヲ見ズ」、「搭乗員の帰還」、「暁に還らず」、「戦争は終わった」、「E」、「隼」、「零の帰還」、「東京物語」を収録。新装版は『零の帰還』と改題され、「搭乗員の帰還」を除き、「死との約束」を加え双葉社より刊行された。
ガンズアンドブレイズ(小学館)上下巻『月刊IKKI』連載。幕末、新政府軍に対抗し蝦夷地で戦う、旧幕府遊撃隊佐々木清四郎と伝習歩兵早川伝次。陥落目前の五稜郭を脱走した二人は、偶然入手した新撰組副長土方歳三の遺骸の埋葬地図を巡り、薩摩藩脱走軍取り締まり方古賀武四郎の追跡をかわして道内を彷徨する。